GAFA創業者達や藤井聡太八冠も受けていた!モンテッソーリ教育とは
監修・ライター
将棋の藤井聡太八冠が受けていたことから、一躍、注目を浴びるようになった「モンテッソーリ教育」。それまで日本ではあまり知られていなかった教育方法ですが、GoogleやAmazonの創業者たちや、数々の著名人が受けてきた教育として海外では有名です。モンテッソーリ教育とはどのような教育方法で、子どもにどのようなメリットがあるものなのでしょうか。
GAFA創業者達やオバマ大統領も子供時代に受けていた!
マーク・ザッカーバーグ、ジェフ・ベゾス、ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン。彼らの共通点は多くの方がご存じではないでしょうか。それは、GAFAと呼ばれる巨大IT企業群の創業者であるということ。マーク・ザッカーバーグはFacebook、ジェフ・ベゾスはAmazon、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンはGoogleの創業者です。
ただ、ここにビル・ゲイツ(Microsoft創業者)、ピーター・ドラッカー(経営思想家)、バラク・オバマ元米大統領、さらに英国王室のウィリアム王子、歌手のビヨンセ、発明王のトーマス・エジソンが並ぶと、共通項目を見つけることは格段に難しくなります。
一見、何の共通点もないようにも思えますが、実は、ここまでに挙げてきたすべての人に共通項目があります。それは、幼いころに「モンテッソーリ教育」という教育を受けていたという点。日本人では、将棋棋士の藤井聡太三冠、卓球の平野美宇選手もモンテッソーリ教育を受けています。ちなみに、GAFA創業者のなかで、モンテッソーリ教育を受けていないのはAppleの創業者スティーブ・ジョブズだけです。
「自主性」「自発的」を尊重するモンテッソーリの教育法とは?
それでは、モンテッソーリ教育とはどのような教育手法なのでしょうか。「公益財団法人日本モンテッソーリ教育綜合研究所」のホームページを見てみると、その特徴がわかります。
「モンテッソーリ教育は、医師であり教育家であったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。
~中略~
『子どもには、自分を育てる力が備わっている』という『自己教育力』の存在がモンテッソーリ教育の前提となっています。
~中略~
モンテッソーリ教育の目的は、『自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる』ことです。
~中略~
モンテッソーリ教育は、教師(大人)の価値観で一方的に教え込もうとするのではなく、子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもが触ってみたい、やってみたいと思う環境を適切に用意し、その環境と子どもを「提示」などによって結びつけ、子どもの自発的活動を促します」
つまり、幼い子どもの自発的な活動、言動を尊重し、整えられた環境の中で、最大限その個性を伸ばそうとするのがモンテッソーリ教育というわけです。
特徴的なのは、子どものやることを決して否定せず、見守るという点。モンテッソーリ教育では、大人が一方的に価値観を押し付けるのではなく、子どもの自主性に任せ、見守るのだといいます。たとえば、子どもがアンパンマンの顔を緑色に塗ったらどうするのでしょうか。ついつい「違うよ」「この色じゃないでしょ」と言ってしまう人も多いのではないでしょうか。また、子どもが「やりたい」と言ったことに対して、大人が良かれと思って「ダメ」と言うケースもあるでしょう。モンテッソーリ教育では、そうした大人の言動はNGとされているのだそうです。
Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグが幼いころから強い興味を示したのがプログラミング。父親がそんな彼のために、パソコンを買い与え、プログラミング専門の家庭教師を付けたことは有名な話です。プログラミングの知識を獲得したマーク・ザッカーバーグは、12歳でソフトウェアの開発に成功しています。
また、将棋の藤井聡太三冠は、5歳のころに祖母から買ってもらった将棋教本に没頭しました。480ページもある書籍の内容をわずか1年ですべて習得。プロの棋士も参加する「詰将棋解答選手権」に小学6年生の12歳時に優勝しています。
マーク・ザッカーバーグにしろ、藤井聡太三冠にしろ、強い興味を持った事柄(プログラミング、将棋)を否定されたらどうだったでしょうか。「プログラミングではなく他の勉強をしろ」「将棋ではなく子どもらしく外で遊びなさい」と。物事に100%ということはありませんが、大人視点で子どものやりたい事を否定するような育て方をしていたら現在のマーク・ザッカーバーグや藤井聡太三冠は生まれなかったであろうことは想像に難くありません。
お金の使い方の選択肢に入れてみては?
とはいえ、モンテッソーリ教育を行っている幼稚園は日本にはまだ数少なく、その多くは都市部に偏っています。通わせたいけれど近所にはないという人も多いでしょう。実は、モンテッソーリ教育を行っている幼稚園の費用は、一般的な私立幼稚園と費用はほとんど変わりません。しかし、もちろん費用面だけを考えると公立保育園の方がはるかに安く済むでしょう。
また、費用のほかにも、近所に友達ができる、友達と一緒の小学校に進めるなど、公立保育園ならではの良さがあることも事実です。独自の教育手法を取る私立幼稚園も多く、そちらに魅力を感じる人も少なくないでしょう。
ただ、もしモンテッソーリ教育に興味があり、無理なく通わせられるのであれば、育児・教育へのお金の使い方の選択肢の一つとして考えてみてもいいのではないでしょうか。