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パート・アルバイトも有給休暇は取れる!1日3時間勤務だと何日付与される?

そなえる 内山 貴博

パート・アルバイトも有給休暇は取れる!1日3時間勤務だと何日付与される?

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現在は多様な働き方がありますが、パートタイマーやアルバイトとして働く方も多いでしょう。働き方に合わせた制度もさまざまに整備されていますが、今回はパートタイマー・アルバイトでも有給休暇は取得できるのか、取得条件について見ていきましょう。

有給休暇とは?パートでも取得可能なの?

有給休暇とは、正式には「年次有給休暇」といい、会社を休んでも賃金が減額されない休暇のことです。賃金が保障されながら心身の疲労回復をすることができれば、私たちはゆとりある生活を送ることができ、継続して仕事に励むことができます。そのために用意された制度です。短期間のアルバイトなどは対象とならず、以下2つが有給休暇の発生要件となります。

<有給休暇が付与される要件>

・6カ月継続勤務

・全労働日の8割以上勤務

正社員ではなくパートやアルバイトでもこの要件を満たせば有給休暇が取得可能となります。

週1日勤務でも有休取れる?年次有給休暇日数のルールは

有給休暇の届け出
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勤続6カ月未満など、要件を満たしていなければ有給休暇はもらえませんが、要件を満たすことで年次有給休暇が取得できます。取得できる日数は週に何日勤務しているかによって変わってきます。

1週間の所定労働時間が30時間以上かつ所定労働日数が週5日、または1年間の所定労働日数が217日以上の労働者のフルタイム契約の場合、正社員と同じように年間10日分の有給休暇が付与されます(表1参照)。勤続年数が長くなるほど付与日数は増え、最終的に6年半以上勤続すると年間20日の有給休暇が付与されます。

(表1)

厚労省HPより

ただし、パートの場合は週5日未満という人も多いと思います。その場合は以下のように週1日~4日勤務、継続勤務期間に応じた年次有給休暇がそれぞれ定められています。

(表2)

厚労省HPより

たとえば、週3日勤務の場合で3年半(3.5年)以上継続勤務した場合は、年次有給休暇は8日となります(表2参照)。週1日勤務のパートでも条件を満たせば有給休暇を取得することができるのです。「自分は勤務数が少ないから有給休暇はもらえない」とあきらめなくても大丈夫です。

有給休暇を取得した場合の給与計算の仕方

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さて、有給休暇を取得した場合の賃金はどのように計算されるのでしょうか?雇用主(会社側)は以下のいずれかを支払う必要があると定められています。

①労働基準法で定める平均賃金

②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金

③健康保険法に定める標準報酬月額の30分の1に相当する金額

(③については労使協定を締結する必要があり)

お勤めの会社にある就業規則などで定めてあると思いますので、確認をしてみてください。

ただし、「平均賃金」や「通常の賃金」といっても、パート勤務の場合は月曜日に3時間、火曜日は5時間など労働時間にばらつきがあることも考えられます。この場合は、過去3カ月間の賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額で平均を求めます。

しかし、時給計算で労働日数が少ないと、暦日数で1日あたりを算出すると平均賃金が小さくなってしまいます。そこで賃金総額を暦日数ではなく労働日数で除した6割に当たる額の方が高い場合は、そちらの額を適用するといった最低額を保証する計算の仕方となっています。

有給休暇の時効は2年

1年間で与えられた有給休暇日数を消化できない場合は翌年に繰り越すことが可能です。ただし、有給休暇の時効は2年となっているため、翌々年まで繰り越すことはできません。

長く勤めた方は退職時にこれまでの有給休暇を消化するケースが多いですが、退職年とその前年の有給休暇のうち、未消化分の日数が対象となります。有給休暇は計画的に取得しましょう。

まとめ

パート勤務も勤続年数や勤務時間等条件次第で、正社員と同じ有給休暇日数を取得できる場合もあります。自分が有給休暇の対象なのか、また何日取得できるのか、雇用主としっかり確認し、上手に取得してください。

また、2019年4月に改正された労働基準法に伴い、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日は取得させることが義務付けられています。よってパートで週3日勤務であっても5.5年以上の勤務年数があれば、義務付けの対象となります。こういったことも意識しておきましょう。

有給休暇は労働者にとって大切な権利です。一方で、中小企業や個人事業の場合は、労働者が担う役割が大企業と比べて大きくなる傾向があります。1人休むとお店が回らないといった状況も想定されるでしょう。

経営者から見れば、正社員はもちろん、パート社員への有給休暇付与による人手不足、人件費、いずれから見ても厳しいという本音もあるかもしれません。経営者や雇用主としっかりコミュニケーションを取りながら、それぞれにとって効果的な有給休暇取得の仕方を模索してもらえればと思います。