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夫が貯金に協力してくれない!どうすれば・・・/20代女性相談

FPにききたいお金のこと 白浜 仁子

夫が貯金に協力してくれない!どうすれば・・・/20代女性相談

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Wallet+ユーザー様からいただいた「FPに聞きたいお金のこと」に、白浜がお答えします。今回は、夫から貯蓄の協力が得られないというOさんのご相談です。

20代女性Oさんからの相談

夫婦2人と子供1人の3人家族です。家計のやりくりと貯金についてご相談です。

現在、生活費は夫と折半、趣味など個人で使うものはそれぞれ自分の財布から出すルールになっています。夫の方が収入は多いですが、趣味でほとんど使ってしまい、貯金がありません。私はパート勤務で収入はほぼ生活費となり、貯金に回す余裕がありません。

夫にもう少し趣味のお金を減らしてもらい、生活費の負担額を多くするか貯金してもらいたいのですが、「自分で働いたお金なのに自分で使えないのは嫌」と言われ、困っています。夫に協力してもらうにはどうすればいいのでしょうか。

独身から家族を持つということ

将来を考えて貯蓄をしていきたい、という思いを夫婦で共有できないのはもどかしく、不安だと思います。私の事務所にもOさんと同じような悩みを持った相談者さんがいらっしゃいます。

これまでの私の経験で感じるのは、結婚間もないご夫婦は特に「自分が稼いだお金を自分だけの判断で使ってきた」という独身時代の感覚がそのまま続く傾向にあるということです。夫婦が共にそう思っている場合は、軌道修正をする人がいないまま、40代、50代と進んでしまうことになりますが、Oさんは、変えていきたいと強く考えておられるので、きっとどこかで良い方向にギアチェンジできると思います。

今回は、そのギアチェンジのヒントとなる行動経済学をもとに考えていきましょう。

誰でも当てはまる「現在志向バイアス」

比べる女性
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行動経済学とは、人は必ずしも合理的な行動を取るわけではない(つまり非合理な行動をする)という心理と行動についての考え方です。この行動経済学のひとつに「現在志向バイアス」というものがあります。これは、未来の利益よりも目先の利益を優先してしまうという心理と行動です。

たとえば、Oさんの目の前にチケットが2枚あり、好きな方を選択できるとします。1枚のチケットには「今この場で10万円もらえる」と書いてあります。そしてもう1枚には「3年後に12万円もらえる」と書いてあります。さてどちらを選択しますか?

利益が大きいのは後者ですね。ですが、実際は多くの方が「今この場で10万円もらえる」を選択するようです。その理由は、将来、つまり3年後にもらう12万円の利益(喜び)を想像しにくく、目の前の利益を優先させてしまうということにあります。

ダイエットも同じです。目の前においしそうなケーキがあると、将来ダイエットが成功してかっこよくなった自分を想像するより、美味しいケーキに満たされた今の自分が優先されるのです。そうなると、ダイエットは明日から始めれば良いと、どんどん先延ばしになっていつまでたってもかっこいい自分にはなれません。

計画的な貯蓄をするために

豚の貯金箱とコイン
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私たちの資産形成でも同じことがいえます。今を優先するあまりに、自分のためであっても10年後、20年後を想定して貯蓄することは難しいものです。ですが、クリアする方法もあります。それは遠い未来の目標をもっと小さく刻む、つまり、小さな目標を立てるということです。

たとえば、老後のために2000万円貯めたいという目標があるとします。仮に老後生活を迎えるまで40年あるなら、単純計算で毎年50万円の貯蓄が必要です。

さらに年間50万円の貯蓄を達成するために毎月の目標を立てます。そうなると月4万2000円程度を貯めれば良さそうですが、これが実現可能かどうか考えてみましょう。もし月4万2000円程度の貯蓄が難しいのであれば、毎月いくらなら貯められるかを話し合い、不足分はボーナスから貯めていくなどを考えていきます。

このように、目標を遠い将来から、具体的に今何をすべきか小さな目標にしていくと取り組みやすくなります。

つまり夫に「私たちが〇歳の時には〇円必要だから、それを貯めるためには今〇円ずつ積み立てていかなければ間に合わない。どうしよう」と伝えてみるということです。

まとめ

私も、Oさんのようなご夫婦と面談する場合には、将来のライフプランを立て、実現したい遠い未来を伺い、それに向けて今すべき小さな目標を一緒に決めていきます。これをすることでご夫婦が同じ目線で協力し合うことができているようです。

今は、利息が期待できないため、貯蓄だけで準備していくのは大変です。老後資金のようなずっと先に使う資金は少しリスクを取って、つみたてNISAやiDeCoで運用することも選択肢になります。ご夫婦の目線が合って、貯蓄ムードが高まってきたら、資産運用も検討していくと良いでしょう。応援しています。

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