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選挙で800億円と戦争で1300兆円と私のお金200万円の話

「お金0.2から2.0まで」新しい経済のルールと生き方を考える 中村 修治

選挙で800億円と戦争で1300兆円と私のお金200万円の話

【画像出典元】「beeboys- stock.adobe.com」

衆議院総選挙が終わった。ドイツの文豪・トーマスマンは、「政治を軽蔑する者は、軽蔑にあたいする政治しか持つことができない」と言っている。どんな結果であれ、これが現実の日本である。ワタシ(中村修治)の1票など大した影響もないが、こうやってコラム掲載の機会をいただけるなら、この現実の日本に、少しばかり毒と弱音を吐いてみたい。

衆議院総選挙にかかる費用は800億円!?

衆議院総選挙にかかる費用は600~800億円だと言われている。日本の18歳以上の有権者数を1億人くらいと見積もると、ワタシたちが投じる1票には、約800円というコストがかかっている計算となる。全国の平均投票率は、約60%としたなら、320億円が無駄になったということになる。

衆議院解散になると、何故だか!?議員さんたちは万歳三唱をする。そして、各党に別れての決起集会では、頑張るゾォ!!とよい歳のおっさんたちがエイエイオーと雄叫びを上げる。まるで、国費800億円をかけた最大のお祭りである。

公職選挙法が厳しくなる一昔前は、選挙事務所は、祭りの詰所のような熱気が漂っていた。立候補者の近所の人が立ち寄り、おにぎりやらお酒やらをふるまう。そんな大らかな風景は、もうない。あんぱん一個でも、候補者側から有権者に渡ったら公職選挙法違反。うちわの形をしたチラシは”涼しさ”という利益を与えるからダメ。アホみたいな制約だけが多くなって、800億円をかけた祭りの割には、身内だけの盛り上がりで終わることになる。

きっとそのせいである。御輿に担ぎ上げられる政治家先生たちの”器”がどんどん小さくなっている気がしている。自分の立場と地元の利権を守るために戦っても、天下国家のために戦い続ける政治家は少ない。

総選挙による当選は、ゴールでも、目的でもない。何を約束し、何を実現するのか!?800億円もかけた祭りには、壮大な続きが必要でしょ!?国費800億円が”後の祭り”にならないことを祈る。

こうやって選挙結果を見ながら政治に文句をつけられる権利は、選挙に行った人達だけに与えられるものではないかと・・・選挙権を得てから40年、良い大人の年になってから気がついた。あまりにも選挙がバカらしいと思うなら、選挙に行ってめっちゃ混沌とした政治にして、選挙制度までも変えるしかないのよっ!!みなさん!!

第二次世界大戦の戦費は1300兆円!?

人道的な意味合いを抜きにすると、“戦争”とは、国と国との、いちばん熱い外交だと言われている。国内においては公共事業的側面も持つ。この外交&公共事業への投資は、ちゃんと回収されてこそ意味がある。言い換えると回収できる見込みがない戦争は、何があってもはじめるべきものではない。犬死にだ。

ちなみに、日本の第二次世界大戦の戦費は、総務庁の日本の長期統計総覧によると、政府の予算ベースで当時の約2兆円。物価指数による試算で現在の貨幣価値に換算すると、なんと1300兆円。天文学的な戦費を国民の犠牲を糧にまかなったことになる。参考のために、記しておく。新型コロナウイルスの感染拡大を受けての経済対策で、日本の直接の支出は30.6兆円、財政投融資などを加えた財政支出は40兆円、総額の事業規模は70兆円そこそこだ。

戦争は、国民の命や人生も犠牲にする、過酷な事業であり、経済対策でもある。国民だけではなく、世界を納得させ、最大の利を得る、最高難度の大人の喧嘩である。

この大人の喧嘩が難しいところは、終わらせ方である。使ってしまったたくさんの国費の責任は誰が持つのか!?たくさんの権力者が生まれては、その思惑が複雑に絡んでいく。キレイな終わり方など描けなくなるのが戦争の現実である。

先日、アフガニスタンから米軍が撤退したというニュースが世界を駆け巡った。速攻で、タリバンが政権を握った。元の木阿弥である。合理で、国と国との問題は、延々と解決されない。そうなったら、もう、子ども喧嘩である。

そういえば、往々にして、権力者は子どもっぽい。
みんなが納得する戦争があるわけないのは、そのせいである。
リーダーは、ちゃんと選ばなきゃいかんのよっ!!みなさん!!

夫婦喧嘩にもならない“納税200万円”!?

弊社の決算は、6月末。8月末には、消費税やら、法人税やら、もろもろの納税がある。30年近く、会社を経営しているのに、この時期になるとキャッシュが不足する。宵越しの金は持たないタイプである。自慢することではない。恥ずかしい。

毎年のように、カミさんにキャッシュ不足を申告して、少しばかり工面してもらう。それを、また1年かけて返すのだが、決算が終わると元の木阿弥。カミさんは、苦笑いするだけで、もう夫婦喧嘩にもならない。

どんぶり勘定の弱小企業の経営者は、どんぶり勘定の家庭しかもてない。
だからワタシの税金はちゃんと使ってよっ!!岸田総理!!