お金

ミリオンセラーを出したら、一生印税だけで暮らせるのか!?

「お金0.2から2.0まで」新しい経済のルールと生き方を考える 中村 修治

ミリオンセラーを出したら、一生印税だけで暮らせるのか!?

【画像出典元】「 ververidis- stock.adobe.com」

CDアルバムでミリオンヒットを飛ばして、印税収入だけで一生寝て暮らしたい!!ワタシ(中村修治)は、還暦を迎えても目の前にしても、そんな不労所得の夢を見ている。矢沢永吉は、73歳。桑田佳祐は、67歳。夢ぐらい語ってもバチは当たらないだろう!?
では!?果てさて!?音楽業界のお金事情とは!?

縮む日本の音楽マーケット。

日本国内に限って言うと、音楽として定義づけられた娯楽に対価を支払う動きは、環境の移り変わりに伴い次第に縮小する方向にある。日本レコード協会によると2020年の国内音楽市場規模(音楽ソフトと音楽配信の売上高の合算)は前年比9%減の2726億円。音楽配信売上高は前年比11%増の782億円で、7年連続のプラスになった。うち、音楽データを受信しながら再生するストリーミングの売上は25%増の506億円。コロナ禍をきっかけに、音楽ストリーミングサービスは一段と広がると言われている。

純粋なミリオンヒットは15 年以上出ていない。

握手券付きのCD販売で知られるAKB48を除いてみると、最後のミリオンヒットは、2006年の秋川雅史さんの 「千の風になって」らしい。もう15年近く、純粋なミリオンヒットは出ていないことになる。いまや2021年、、、一斉にテレビに向かって、同じアーテイストを見て、同じ歌を口ずさむ時代は、終わったということだ。
音楽業界こそ「小さな経済圏」の先駆的社会でなくてはならないだろう。100万枚売れるアーティストが1組出るより、1万枚売れるアーティストが100組出たほうが文化的には正しい。人間の求めるものは、間違いなく進化してきているのだから。
それを日本音楽著作権協会JASRACときたら・・・いつまでも同じように規制をしていくのか!?音楽産業の発展を邪魔しているようにしか見えない。

ミリオンセラーの印税収入は!?

アーティストの収入として真っ先に思い浮かぶのがCDの印税である。仮に1000円のCDが1枚売れるといくらもらえるのか?印税収入は、アーティストの場合は、10円(1%)。作曲家は、15円(1.5%)。作詞家も15円(1.5%)が相場だと言われいる。
100万枚をミリオンセラーと定義すると、アーティストには、10円 × 100万枚 = 1000万円。作曲家には、15円 × 100万枚 = 1500万円。作詞家には、15円 × 100万枚 = 1500万円が振り込まれる。全部、ひとりでできちゃうシンガーソングライターなら、総取りで合計4000万円がもらえる計算となる。意外と少ない。一生寝て暮らせないじゃん。泣
イヤ、まだカラオケからの収入がオンするはずだ。カラオケ1曲再生あたり約5~7円の印税が支払われると言われているので、一晩に、日本のどこかで1000回カラオケで歌われるようなヒットを飛ばすと7円 × 1000回 = 7000円の収入。年間で、255万5000円。贅沢はできないじゃん。泣

不労所得とは、一流の証である。

一発屋では夢の不労所得生活はできないということである。いくつものヒット曲を世に出してこその夢の生活である。では、いくつものヒット曲を制作するのに、どれだけのエネルギーと時間が必要なのか!?どれだけの厳しい批評に耐えなくてはいけないのか!?ファンからの声援の一方で、それを裏切った時の罵声も覚悟しなくてはいけない。改めて、永ちゃん71歳を尊敬する。桑田佳祐65歳のエネルギーに感服する。不労所得とは、一流のアーティストに与えられた特権であり、証左なのである。

アナタは「お金」に愛されていますか!?

マジで聞く!?『俺は、ATM以下か!?以上か!?』

最後まで読んでもらえたら!?

日本を代表するロックンローラーである忌野清志郎は、こんなコトバを遺している。

"たった1曲だって、他人に最後まで聴かせるということは、結構すごいことなんだ。音楽に限らず、映画だって、漫画だって、お笑いだってね。"

人を止めるって書いて「企て」なのだよ。足を止めて、目が釘付けになって、最後まで見届けたいと思えたなら、それはそれで、すごいことなのだ。このコラムも、最後まで読んでいただけたなら、それはそれで結構すごいことだと信じている。だから、キレイさっぱり不労所得はあきらめて、一生「企画屋」でくたばる所存である。