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マジで聞く!?『俺は、ATM以下か!?以上か!?』

「お金0.2から2.0まで」新しい経済のルールと生き方を考える 中村 修治

マジで聞く!?『俺は、ATM以下か!?以上か!?』

【画像出典元】「stock.adobe.com/NARUEDOL」

ワタシ(中村修治)は、カミさんや娘たちにとって、間違いなくATMだ。人肌のATM。優しくされると、なるたけ上限までお金を吐き出す。ナデナデされたりとか、そんな翌日には、引き出し希望金額より、少し多めに出しちゃったりもする。そう言えば、暗証番号も要らないぞ。ATM父さんを起動させるのは、無言のプレッシャーだけでいいぞ。

だから、疲れると、ときどき、自ら電源を抜いて休んだふりもする。故障したりするとマズイので、自分にご褒美。ひとりであんなことをしたり、あんなとこに行ったりもする。カミさんや娘たちには内緒のATMの愉しみもある。

しかし、ATMのことをよく知ると「ワタシは、ATMだ」なんて軽口も言えなくなる。
マジで聞く!?ワタシは、ATM以下か!?以上か!?

平均3000万円入っているのがATMである。

さて、あのATMにはいくらの現金が入っているのか!?ご存じか!?
平均的なATMには、
千円札が1000万
一万円札が1950万
硬貨が50万
合計3000万円が入っているのが相場のようだ。
それもキャッシュだぞ。どう考えても、ワタシより、出金能力があるではないか!?

1台300万円くらいするのがATMである。

ATMは、いったい1台おいくらか!?だいたい平均すると300万円くらいのようだ。生体認証とかの機能があるものは、500万円もするそうである。そういう大型のATMの容量は、5000万円。500万円もする躯体に、5000万円のキャッシュ容量。昨夜食べた夕飯のメニューもうろ覚え。あの人の顔と名前が一致しないという認証機能も劣化中のワタシに比べたら、なんとも羨ましい!!

月々30万円の維持費がかかるのがATMである。

ご存知の通りATMは、高性能のマシンである。高性能であるにもかかわらず、日々、使い倒される。外国硬貨を突然入れられたり。ホッチキスの針金クリップを放り込まれたり。その度に、故障をしたりもする。警備費もかかる。監視システムの料金もバカにならない。そんなこんなで月々の維持費は平均30万円。
いまどき1日1万円のおこづかいが必要なお父さんなんて!?月々30万円のおこづかいって、そうとうの高収入ってことになる。ATM呼ばわりされるなら、自称ATMと言うのなら、それだけ稼いでいなくちゃいけないわけでもある。

どんどんリストラが進んでいるのがATMである。

近頃は、クレジットカードや電子マネー、QRコードなどによる「スマホ決済」など、現金を介さない買い物が当たり前になっているため、銀行に設置されているATMは、どんどん減少。このコロナ禍で、その傾向はさらに加速している。
キャッシュレス化の波の中で、月々30万円の維持費がかかるATMの削減は、願ってもないこと。いくら高性能でも、時代の波には勝てないというわけである。
反対にコンビニATMは、次世代サービスのプラットフォームとして、その付加価値をさらに高めて行くと予測されてもいる。

夫婦は、現金なままである。

このコラムを書くにあたって、真珠婚も過ぎたカミさんに、恐る恐る聞いてみた。
『ワタシは、ATM以下か!?以上か!?』
『そうね!?コンビニATM以下ね!!』
旦那をATMに見立てるなんて、まだまだ、情が絡んでいる。コンビニATM以下ね!?とお茶を濁したカミさんのペーソスに感謝もする。子育ての役割もそろそろ終わりそうな夫婦の関係なんて、ATM以下でも、以上でもない。現金なままである。