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なぜ!?いい匂いのするオジサンは、信用できないのか

「お金0.2から2.0まで」新しい経済のルールと生き方を考える 中村修治

なぜ!?いい匂いのするオジサンは、信用できないのか

【画像出典元】「Spectral-Design - stock.adobe.com」

ワタシ(中村修治)は、社会人となって35年。リーマンショックも、阪神淡路大震災も、東日本大震災も、コロナ禍も。100年に1度なんて言われる危機を何度も体験していることになる。
そんなワタシの言うことは、ちょっとだけ信用してくれ!!
いい匂いのオジサンは、信用するな!!
肌をやたらと焼いているオジサンは、信用できないことが多々ある!!

史上空前の詐欺事件に学ぶこと

リーマンショックは、約12年前のことである。世界同時不況のニュースが世界を駆けめぐる中、史上空前規模ではないかと言われる詐欺事件がアメリカのウォール街で発覚した。日本のメディアでは、不思議なほどにニュースにならなかったので、改めてご紹介することにする。

詐欺事件の首謀者は、バーナード・マドフという71才になるおじいさん。この人の肩書きは、なんとナスダック元会長。ナスダックと言えば、ニューヨーク市場と並ぶ米国の代表的な株式市場のこと。その他にも、米証券取引委員会(SEC)の諮問委員など米証券界の要職を歴任、ウォール街の実力者と評価されていた。

この立派な肩書きのおじいさんの経営している「マドフ投資証券」に集まった500億ドル=約4兆5000億円に対して、自ら「ここ数年のすべての投資は架空だった」と告白。巨額詐欺を行っていたとしてFBI(連邦捜査局)に逮捕されたのだ。

米欧メディアの発表によると、世界中の銀行や投資系の企業が被害にあっている。日本では、野村ホールディングスが約275億円、あおぞら銀行が124億円の投資残高があることが明らかになっている。

詐欺の手口は、「顧客からの投資金は別の顧客への配当の原資に充てた」という単純なもの、いわゆるネズミ講である。投資家の口座証明書に年15%前後の利回りがあったように偽装。新規の投資家が払い込んだ資金を、古くからの投資家に回して配当を装っていただけのこと。ただ集まるお金の量が半端じゃないから、10%以上の配当を払い続けられた。

しかし、リーマンショックで、新規のお金の集まる量が減っちゃって、ごめんなさいで→もう無理で→御用というわけだ。では何故、生き馬の目を抜く金融業界のプロたちは、不正を見抜くことができなかったのか?配信されたニュースから拾ってみると「半端じゃないマドフ容疑者の華麗な経歴、社交的な性格、逆境の中でも必ず出す高配当。さらに、投資家リストに著名な投資家を多数並べれば、投資のプロといえども幻惑される」「ナスダック会長までやった人だから、何らかの特別な情報を持っていたと多くの投資家は思い、長年の高配当に納得していた」などのコメントが出てくる。

要は、肩書きにまんまと騙されていたのだ。マドフのじいさんのところに名前が並べば、「投資のプロ中のプロ」の気分になれるから。『どんな不況下でも抜群の運用成績を出した伝説の男』は、『史上空前の詐欺師』だったのだ。

世界中の拝金主義の真ん中は、こんなもの。頭でっかちな世間知らずほど、肩書きを信用する。そんなアホみたいに軽い信用は、すぐにはじける、収縮する。それが、信用恐慌の根本なのだろう。きっと。

この詐欺事件から学ぶべき教訓は、「肩書きを信用することが、一番大きなリスク」であるということである。では、マドフのじいさんのところに預けるほどのお金を持たない「投資の素人中の素人」である私たちは、何を信用すればいいのだろうか・・・。

暮らしの実体を信じよう

ベストセラーになった「金持ち父さん貧乏父さん」には、『経済的な自立や自由を求める人にとって、不動産は投資のための強力な道具である』とある。これって、フワフワした肩書きより、地に足のついた目に見えるモノを信用しなさいということ。そこにある暮らしの実体を信じなさいということだ。

金満社会が膨張し続けている間は、肩書きは武器になる。詐欺まがいの金融取引も、潜行することができる。しかし、バブルが崩壊して信用収縮し始めると、潮が引くようにして汚いものが地上に現れてくる。そう考えると、このコロナ禍は、本当に信用するべき「ヒト、モノ、仕組み」の見極めができる良い時代なのだ。

いい匂いのするオジサンの中には、信用できる人もいる。
しかし、必要以上に匂うのは、どうか!?と思うわけである。
外身は、中身のいちばん外側でもある。
日サロに行って黒く焼けていなくてもいいだろ!?
必要以上に香水を振らなくていいだろう!?
金融経済を生き抜く人たちは、必要以上に、いい「匂ひ」がする。

判決を下せるのは、我々、有権者!だ

この史上空前の詐欺事件は、既に判決がおりている。米地裁は、巨額詐欺事件のバーナード・マドフ被告に対し、禁固刑150年の判決を下した。米知能犯罪史上3番目に長い刑期(最長は禁固845年)。日本では考えられてない判決までのスピードと量刑である。

禁固150年の意味は、刑務所で150年間、所定の作業を免除されて、ひたすら過ごす刑。恩赦を受けても出られない。「太くて短い人生」を望んでいるだろう金融マンや投資家達は、死んでも許されない150年という月日をどう捉えているのだろう?

日本の年金制度の基礎ができたのは昭和36年。国民年金への全員加入が始まったのは、昭和61年。その中身は、国という肩書きを利用しているだけで、上記の事件と大差ない。だから、このままいけば、破綻しても不思議ではない。その時に、誰が、責任をとるのか。きっと、誰もいない。「生きている間は、うまく生きながらえたい」そんな利権に群がる人達が、スピード判決を出すことは、きっとできない。

今年は、大きな選挙がある。「太くて短い人生」を望むエリートのためではない・・・
「生きている間は、うまく生きながらえたい」権力者のためではない・・・あるべきスピード判決を下せるのは、我々、有権者だ。
いい匂ひや肩書きには、気をつけろ!!