アカデミー賞を獲っても住宅ローンが組めない松坂桃李さんにアドバイス!
監修・ライター
「アカデミーでもこの仕事はローン組めないのかな。頑張るしかない」と松坂桃李さんが嘆いてニュースになったのは、コロナ禍の8月末のことだ。戸田恵梨香さんとの新居のための住宅ローンが組めない。どんな演技がお上手でも、将来を嘱望されている俳優さんであっても、通らないものは通らない。
ワタシ(中村修治)も住宅ローンの審査については苦い思い出がある。イヤイヤ、思い出でなんてものじゃない。大手都市銀行Fさんへの恨みに近い。笑
ワタシが半沢直樹が好きな理由。
忘れもしない!当時のF銀行である!独立して間もない頃に、住宅ローンの窓口に相談に行った。その担当者は、1期分の弊社の資料を一瞥して・・・もう1年頑張って資料を揃えてくださいとおっしゃった。
その1年後、頑張った資料を持参して窓口を尋ねると・・・全然知らない担当が出てきて「あと3年頑張ってください」と言った。話が違うと声を荒げたが、、、そのバンカーは、冷たく笑ってた。詳しく説明してくれるならまだしも”嘲笑”と呼ぶにふさわしいものだった。
次の日に、F銀行にあったなけなしの預金を全額出金。カバンに数百万円を突っ込んで隣の地元の福岡銀行で口座をつくった。25年近く前の話である。その時の、悔しさは忘れない。書類の数字しか見ない。人なんか全然見ていない。ワタシがどんな内容の仕事をしているかなんて関係ない。日本の都市銀行のバンカーなんて、所詮、こんなもんだと諦めた。
ワタシが半沢直樹にはまった理由は、大きな銀行へのそんな恨みである。あの時の担当者に、土下座させてみたいと考えている小さな自分の存在である。笑
“信頼”より”信用”が必要なのだよ。
“信頼”と”信用”は違うということが零細企業の社長になってから骨身にしみている。”信頼”があっても”信用”がなくてはローンは組めないのが、この社会である。”信頼経済”では、足元が危うくなる。あくまでこの世は”信用経済”でまわっている。
改めて住宅ローンを借りるとなったときは、過去5年の決算書類を提示しろと福岡銀行さんから言われた。ジェットコースターのような業績の会社や経営者は、銀行の窓口では、なかなか相手にされない。経営者を30年近くもやってみてわかった。結局「売上げを安定させる」というのが、経営者の役割である。フリーランスが経営者になれるかなれないかのポイントは、ここにある。お金に関しては、フリーじゃなくなるということである。誰でも起業はできる。スタートアップより、大事なのは、続くことである。フリーじゃなくなる心構えの方なのである。
“借金は毎月返す”ことが”信用”になるのだよ。
70歳を過ぎるまで住宅ローンを払い続けなくてはいけない。ちゃんと考えたら払い続けられるわけがない。要するに、大雑把で、雑だから、そんな暴挙に出られるわけである。
プランナーとして独立した。未だに3ヶ月先が確定できない。こんなことを30年近く続けている。金は天下のまわりものである。雑じゃなかったら、こんな程度の才能で独立なんかするわけがない。
メンタルが強いというのは、雑というより、ちょっと馬鹿である。打たれ強いというより、打たれて泣いてたらおまんまの食い上げなので、今日も誰かに会いにいくのである。こうして”借金を毎月こつこつ返す”ためにコラムを書いたりしているわけである。こつこつ返したら、それが”信用”になる。こつこつの積み重ねの先の”信頼”でもある。
ローンが組めないと嘆いてる松坂桃李さんに先輩から助言がしたい。俳優さんも、プランナーも、似た者同士。きめの細かな人生なんて歩めない。大雑把で、雑な人生である。手に入れたものは、こぼれ落ちていくばかり。いくつになっても徒手空拳。手の中は、いつも空っぽである。
空っぽだから、素晴らしい演技ができるんでしょ!?
俳優さんとして“信頼”はしているよ!!