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「美術品」「太陽光発電システム」も資産になるって、知ってた?

お金をとことん増やしたい人のための「資産運用」超入門 泉 正人

「美術品」「太陽光発電システム」も資産になるって、知ってた?

そろそろ資産運用を始めてみたいと思っているみなさん。ようこそ、泉先生の「資産運用 超入門」講座へ。

この講座は、「お金をとことん増やしたい!」と考えてはいるものの、「まだ何もはじめていない」、「何からはじめていいかわからない……」という人に、自分に合った資産運用法を見つけ、実際に行動に移せる力を身につけてもらう講座です。

資産運用の方法をマスターできれば、夢や目標をかなえたり、老後にゆとりを持って暮らしたりするための資産を自分でつくることができるように。さぁ、心もお金も豊かに、自分らしいライフスタイルを楽しめる人生をここから手に入れましょう!

世の中にある「その他資産」って?

これまでに伝えてきた資産運用方法は、金融庁などが投資家保護のために法規制というルールを定めていることを知っているかな?

金融商品取引法、とかですか?

そうだね。他に宅地建物取引業法なんかもそうで、僕たちはそのルールのなかで取引を行っている。だから、投資の対象となる商品(金融商品)は、そのルールでの基準をクリアしたものばかりなんだ。

ですよね。

でも実は、世の中にはそれ以外に、ルールがないもの、ルール構築途中のものでも、投資の対象となる商品もたくさんあるんだよ。

えっ、そうなんですか?

というわけで、これからはこれまでとは異なる資産運用方法のなかで、代表的なものを2回に分けて説明していくよ。

お願いします!

まず1回目となる今回は、従来からある、主に現物資産として扱われている「その他資産」について説明していくよ。代表的なものに、未公開株や美術品、そして太陽光発電システムなどへの投資がある。そして次回、テクノロジーの発展により直近10年くらいで新たに資産として扱われるようになったビットコインなどの「デジタル資産」について説明していくね。

よろしくお願いします!

「未公開株」とは?

早速ですが、「未公開株」ってどんなものなのですか?

「未公開株」とは、証券取引所に上場する前の会社の株式を指すんだ。経営上、意図的に上場していないケースの会社の株式も未公開株に該当するよ。

上場していないということは、証券取引所では売買できないんですか?

そうだね。当事者どうしで株式を売買する「相対(あいたい)取引」という手続きが必要になるんだ。

相対取引。初めて聞きます。

特徴としては、まず取引相手と1対1で取引をする。価格設定も市場取引とは異なって、当事者間で価格を決定するんだ。

どんな人が取引をするんだろう……?

経営者などの未公開株を保有している人や、勤めている会社に従業員持株制度などがある人たちかな。一般の人にはなじみがない投資だよね。

持株制度のある会社に勤めている友人は何人かいますけど……。そうですね、自分にはちょっと縁がなさそうです。

ところが、無登録業者の電話勧誘などで「上場間近の未公開株を安く売るので必ず儲かる」などという話を真に受けて購入してしまうケースもあるんだ。これには注意が必要だよ。

うわっ!気をつけます。

未公開株への投資には大きく2種類あって、1つめは会社に出資する「増資型」、2つめは既存株主から購入する「売買型」。それらは投資したお金がどこに渡るかの違いで、「増資型」は会社に入り、「売買型」は既存株主に渡る。ちなみに多くの詐欺は「売買型」のパターンが多いことを覚えておこう。

わかりました。ちなみに未公開株のメリットって、どんな感じなんですか?

未公開株には、投資先が上場することで莫大な利益を手にするという魅力があるんだ。1株100円で購入したものが、上場後3,000円(30倍)の値がつく可能性もあるんだよ。

そんなに!

さらに、まだ世の中に知られていない企業を応援できるという、投資家としての大きな魅力もあるよ。ただし、投資先が上場しなければ、利益は1円も発生しないというギャンブル性の高い側面もあることを忘れないように!

「美術品(絵画・骨董品など)」の投資とは?

美術品も資産になるんですね。

そうなんだ。購入した美術品の価値が上がってから売却すれば、投資として利益を得ることができる。将来的に価値が上昇する作品を見いだす力があれば、10万円で購入した絵画が、数年後には数百万円になるということも十分にありえるよ。

今のうちに手の届く範囲で何か作品を購入しておこうかな……。

ははは。ただし、言うまでもないことだけど、すべての美術品が購入後に価値が上昇するわけではない。作家やアートそのものの需給バランスにより価値が上下するので、その「目利き力」がない場合、売却益を出すのは難しいかな。

目利き力。そのためにはやっぱり勉強か……。

そうそう。ちなみに購入後に価値が数倍になるケースはあるけれど、短期間で大幅に価値が変動するということはほとんどない。

長~く保有して、もしかしたら価値が上がるかも?ということかぁ。

そうだね。それは短期で売却益を得たい人には向いていないというデメリットでもあるけれど、逆に価値が安定しているというメリットでもある。美術品の価値を見極めることができ、購入してから何年でも待てるような人で、かつ、保有期間中の美術鑑賞に楽しみを見いだせる人には向いている投資だといえるよ。

なんだかロマンのある資産運用だなぁ。

「太陽光発電システム投資」とは?

新幹線に乗っていると、時々、バーッと太陽光パネルが並んでいる風景を見ることがあるんですけど、それかな?

もしかしたらそうかもしれないね。土地を購入するか賃貸して、そこにソーラーパネルなどの太陽光発電システムを建て、つくった電気を売ることで収益を得る投資だよ。

いつくらいからメジャーになったんですか?

2012年以降かな。経済産業省などが推奨する再生可能エネルギーの利用促進に伴い、電力会社でなくとも発電し売電することができるのが後押しになったんだ。

土地や設備を買って運用して利益を得るって、不動産投資にも仕組みが似てます?

そうだね、でも不動産投資よりも事業性が高くて、かつ天候により収益も大きく変動することから、上級者向けの投資といえるかな。

設備投資にもまとまったお金が必要そうですしね。

そうだね。それに、国の制度変更や電力会社の買取方針の変更などでも収益の変動があるから、最新情報を掴んでおく必要もあるよ。

そっか……。やっぱりメリット・デメリットはありますね。

そう。いずれも、投資をするうえでの判断が正しく行えないと、損失を被る可能性も高まるので、これまでと同じように、正しい知識を得たあとで行うようにしよう!

はい!

まとめ

世の中には、金融商品取引法や宅地建物取引業法などで定められたルールの中で取引を行う金融商品もあれば、まだルールがないもの、ルール構築途中の商品も多くあります。

その中でも、主に現物資産として扱われている代表的なものが「未公開株」や「美術品」、「太陽光発電システム」などへの投資で、「その他資産」と呼ばれるものです。

いずれも、資産としての価値があれば資産運用の対象になります。それぞれにどんなメリット・デメリットがあるかを、ここでしっかり学んでおきましょう。