今年はキャッシュレスであげちゃう?いまどきのお年玉事情
コロナ禍をきっかけに、お正月恒例のお年玉にも変化の波が押し寄せています。これからは「キャッシュレスのお年玉」が新しいスタンダードになるかもしれません。一方で、問題点もちらほら。子どもにきちんとお金の大切さを伝えられるような、これからの「キャッシュレスのお年玉」について考えてみました。
「キャッシュレスのお年玉」に対する親の意識は?
子どもたちが楽しみにしているお年玉。直接会って渡せない場合に便利なのがキャッシュレスのお年玉です。スマホのQRコード決済サービスで使える送金機能や、電子マネーなどを使用します。
総合マネースクールである「ファイナンシャルアカデミー」が、子供のいる全国300人の男女を対象に2021年11月に行った「2022年のお正月」の調査結果によると、「お年玉のキャッシュレス化についてどのように思いますか」という問いには、「とても良いと思う」が16%、「まあ良いと思う」が38%と、全体の54%が賛成派となっています。
同アンケートの「2021年のお正月」では賛成派が51%、調査が始まった「2019年のお正月」では34%ですから、やはり新型コロナウイルス感染拡大の影響は大きいと考えられます。
もともと海外に比べて遅れていたキャッシュレス化が日本でも進んできたことで、その便利さを実感した親世代も多いのではないでしょうか。そのためか、アンケートでも、賛成派の理由は「便利だから」という声が圧倒的1位でした。昨年の23人から72人へと急増しています。
今年はキャッシュレスが浸透・定着してきたというのも賛成派急増の大きな理由として挙げられるのではないでしょうか。そういう意味では、今後キャッシュレスのお年玉はますます広がっていきそうです。
キャッシュレス時代のお金の教育とは?
一方で、キャッシュレス化には「お金のありがたみ、価値が分からなくなる」といった反対意見も多くあります。
アンケートでも、「キャッシュレス社会になると、金融経済教育のあり方が変わる(さらに重要になる)と思いますか?」という問いには、約8割の人が「そう思う」と回答しています。
確かに、現金を扱わないやりとりではお金を受け渡す実感がわきにくくなるため、キャッシュレス時代に対応したお金の教育が必要になってくるはず。これまで以上に、使う前の計画や買い物後の反省が重要なポイントになりそうです。
まずは「お小遣い帳」などで入ってきたお金を明確にし、消費や貯金などの配分を見える化することが大切。買い物後には、その消費が自分にとって本当に価値のあるものだったのかを考える時間も必要です。
また、消費に対しての自分自身での評価・反省は、金融リテラシーを育むうえでも重要な行為。無駄遣いから学ぶことも必要です。子どもが自分で◎○△×などの記号を付けるようにすれば、より分かりやすいでしょう。
その点、電子マネーの決済サービスなら出入金明細が自動的に残るので、振り返りやすいというメリットもあります。
ファイナンシャルアカデミー 「キャッシュレスとお年玉・子どもの金融経済教育に関する調査」
ところでお年玉の相場はいくら?
今の子どもはスマホに慣れているため、現金よりもキャッシュレスのお年玉を希望するかもしれません。便利なツールだからこそ、「正しく扱える力」を早くから養ってあげることが大切ですね。
最後に、お年玉をあげる際の相場も確認しておきましょう。
住信SBIネット銀行株式会社が2020年12月に行った「お年玉に関する意識調査」によると、
小学生未満は「1000円以下」、小学校低学年は「~3000円」、小学校高学年は「~5000円」が最多。中学生以上になると「~1万円」が多くなります。
お年玉の相場はここ数年あまり変わっていない様子。新型コロナウイルス感染拡大の影響で年収が減少した世帯もある今だからこそ、子どもたちには、お金の大切さをきちんと学んでほしいものです。
住信SBIネット銀行株式会社 「お年玉に関する意識調査 2021」
より見える化しやすいキャッシュレスは、実はお金の教育に向いているのかもしれません。正しいお金との付き合い方を学ぶことは、子どもにとって一生の宝となります。キャッシュレスのお年玉をきっかけに、新しいお金の教育をぜひ始めてみませんか?