扇風機の電気代はクーラーより驚愕の安さ!さらに節約するには?
エアコンのように冷えすぎることもなく、長時間使用しやすい「扇風機」。さらに扇風機には、電気代が安いというメリットもあります。それでは具体的にいくら安くなるかご存じでしょうか。
今回は扇風機とエアコンの電気料金の比較、また、電気代をさらに安くする節約法などを紹介します。
扇風機の電気代は?
ACモーター、DCモーターで電気代がちがう
扇風機に搭載されるモーターには、ACモーター、DCモーターの2タイプがあります。それによって電気代が変わります。
【ACモーターとは】
ACモーターは、交流(オルタネート・カレント)タイプのモーターです。電圧のプラスとマイナスが一定周期で変わります。昔から採用されているモーターです。
【DCモーターとは】
DCモーターは、直流(ダイレクト・カレント)タイプのモーターです。電圧は常に一定で、電流が一方向のみに流れます。比較的新しく採用されたモーターです。低回転でやさしい風を作れ、騒音も少なく、風量も細かく設定できることが多いモーターです。
【電気代の違い】
電気代は、一般的にDCモーターの方がACモーターよりも安くなります。使い方によっては10倍近く差が出ることも。ただしその分本体価格は、DCモーターの方が高めです。
扇風機の電気代シミュレーション
現在販売されている機種を例に、電気代を比較します。
【ACモーター】
日立のACモーター扇風機「HEF-AL300E」の1時間当たりの電気代は、60Hz時で、約1.3円(42W÷1000×31円/kWh※=1.3円)となります。
【DCモーター】
日立のDCモーター扇風機「HEF-DL300E」の1時間当たりの電気代は、風量最大運転時で、約0.65円(21W÷1000×31円/kWh※=0.65円)となります。
※1kWhあたりの電気料金は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が新電力料金目安単価として設定した31円/kWh(税込)で換算
上記のように、DCモーターの電気代はACモーターの半分程度です。さらに上記のDCモーター扇風機「HEF-DL300E」では、風量最小に設定すると消費電力を2Wまで落とせますので、使い方によってはさらに電気代が安くなります。
クーラーの電気代と比較
つづいて、エアコンのクーラーと扇風機を比較した場合、電気代にどれくらいの差がでるのでしょう。
例として、日立の6~8畳向けエアコン「Wシリーズ RAS‐W25N」を冷房モードで使用した場合を計算してみます。1時間当たりの電気代は、約20.15円(650W÷1000×31円/kWh=20.15円)となります。
先ほど紹介したACモーターの扇風機は、1時間当たりの電気代が約1.3円ですので約16倍近くエアコンの方が電気代が高くなることになります。
エアコンの電気代は、設定温度・外気温・運転モードなどによって変動しやすいため、単純に比較できない部分もありますが、それでもエアコンの方が扇風機よりも電気代が高いことには変わりありません。電気代の節約をするのであれば、扇風機の方が有利です。
扇風機を使った電気代節約のコツ
扇風機は、使い方によってさらなる電気代の節約が可能です。ここでは扇風機を使った節約のコツを紹介します。
1.風量を下げる
一般的には、扇風機の風量を下げた方が消費電力も減るため、電気代の節約になります。あまり暑くない日や、エアコンと併用する場合などは、弱モードや低電力モードなどを活用し、風量を下げるのが効果的です。
特に風量調整幅の大きいDCモーター機では、上下で10倍近く消費電力が変わることもあります。
2.外気を活用する
夏場であっても、朝方や夕方は、家の中よりも外のほうが涼しいことがあります。そのような時間帯には、扇風機を窓際に置くなどして空気の流れをつくると効果的です。外の涼しい空気を上手く取り入れると、扇風機だけでも部屋を効率的に冷やすことができます。
3.エアコンと上手く組み合わせる
真夏でエアコンが必須の時期においては、エアコンと扇風機を上手く連携させることにより、トータルの電気代削減を狙えます。
冷たい空気は部屋の下に、暖かい空気は部屋の上に溜まる性質があります。この性質を利用し、扇風機は上向きにして、できるだけエアコンの対面に向かい合うように設置します。
こうすることで、エアコンから出る冷たい空気を部屋の中で効率よく循環させることができ、エアコン側の負荷が減るため、トータルの電気代で見ると安上がりになることがあります。
4.小型のUSB扇風機を使う
パソコンなどにUSBで接続し、卓上で利用できる小型の「USB扇風機」。USB扇風機は通常の扇風機よりもさらに消費電力が少なく、3~5W程度です。
参考に、エレコムのUSB扇風機「FAN-U235WH」の1時間当たりの電気代は、約0.11円(3.6W÷1000×31円/kWh※=0.11円)となります。
USB扇風機の風でも、自分ひとりだけであれば十分涼むことができます。本体価格も安く1000~2000円程度で手に入ります。さらにソーラー充電器と組み合わせれば、電気代を0円にすることも可能です。
以上のように、扇風機の電気代はエアコンよりも安く、使い方次第では更なる削減も目指せます。また扇風機の風は体に優しく、エアコンのように冷えすぎて体調を崩すようなことが少ないのもうれしいポイントです。初夏であれば扇風機だけでも十分快適に過ごせることもありますので、今年の夏は扇風機を使って節約に励んでみてはいかがでしょう。