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パラレルインカム達成のために必要な所得と資産の関係性とは?

私達の新しい「お金と生き方」の選択肢「パラレルインカム」のはじめ方 泉 正人

パラレルインカム達成のために必要な所得と資産の関係性とは?

一度しかない人生。“自分らしく”“豊かに”“自由に”生きたいと思いませんか?

この講座「『パラレルインカム』のはじめ方」では、そうした生き方の実現方法を、身近な生活のお金や会計、経済、資産運用などに関して幅広い見識を持つ「ファイナンシャルアカデミー」の代表・泉正人先生が、わかりやすくレクチャーします。

また3講座が終了するごとに、このメソッドを実践し、自分らしい生き方を手に入れた6名の「パラレルインカム・ストーリー」も紹介。

今、話題の「FIRE」の先をゆく新しいメソッド「パラレルインカム」。みなさんもぜひ、このメソッドを活用して、自由で豊かな人生を自らつくってみませんか?

「お金持ち」には、2種類のタイプがある!?

僕たちがよく使う「お金持ち」という表現だけど、実は「お金持ち」には2種類のタイプがあるんだ。

大金持ちに、小金持ち?

ははは。正解は、「資産持ち」と「所得持ち」。

ですよね、失礼いたしました。

まず、資産家や大富豪といわれるような人の多くは「資産持ち」。例えばアマゾンのジェフ・ベソス氏やソフトバンクの孫正義氏は、何兆円という資産を持っているけれど、仕事によって得ている所得(収入)はそれほど高くない。一方、プロスポーツ選手や外資系証券勤務の人の多くは「所得持ち」。年俸3億円、年収8,000万円など、仕事によって得ている所得(収入)は高いけれど、だからといって多くの資産を持っているとは限らないんだ。

「資産持ち」の人が持っている「資産」とは、どんなものですか?

一言でいうと、資産とは、売るとお金になるもの。「資産持ち」の人が持っている株や不動産は、売るとお金になるので資産といい、そういう資産をたくさん保有しているから資産家と呼ばれるんだ。

では、「所得持ち」の人が持っている「所得」とは?

「自分が働く」ことによって得られる収入のこと。ちなみに税法上は収入と所得は違う意味を持つのだけど、ここではいったん、同じものとして扱っているよ。

ということは、収入が一般的な金額よりも高額なだけで、プロスポーツ選手も外資系証券会社勤務の人も、自分が働くことによって収入を得ているという点では僕たちと同じということですか?

そう。自分が働かなければ収入が途絶えてしまうという点でも同じだね。つまり「所得持ち」のお金持ちは、いわゆる「高給取り」で、資産家としての「お金持ち」とは異なるんだ。

なるほど。

何を当たり前のことを言っているのか、と思う人も多いと思う。でも、僕たちが普段使う「お金持ち」という表現は、この2種類のことが混同されていたり、間違った使い方がされていたりすることが多いんだ。たとえば、「年収2,000万円はお金持ち」というイメージを持っている人も多いと思うけど、「資産があるかどうか」という別な視点で見るとどう?

年収2,000万円あれば、いい家に暮らしていそうだし、それ相当の資産があるんじゃないかと思っちゃいますけどね…。

年収が2,000万円あったとしても、1億円の新築マンションをローンで購入している場合、仮にそのマンションを売っても7,000万円にしかならないとしたら、年収よりローンの残債のほうが大きく、トータルで見ると資産がマイナスになっているケースがある。収入だけ見て「お金持ち」だと思っても、資産で見るとむしろそうでない人よりもマイナスが大きいことは珍しくないんだよ。

そこまでは考えが及びませんでした!

かつて、国税庁が所得税額1,000万円を超える高額納税者を発表していた「長者番付」という制度があったのを知っているかな? これは「所得」に対してかかる税金の納税額を発表していたものなんだけど、現在、「長者番付ランキング」と検索すると、上位には「1位資産◯兆円、2位資産◯兆円……」と、保有資産(保有株式)による資産額ランキングの記事が表示されるようになっているんだ。

同じ「長者番付」でも、資産と所得という意味で、まったく異なるものになっているんですね。

「労働所得」と「資産所得」の2つを持とう

2種類の「お金持ち」の違い、理解できました。

ではそのうえで、「所得」(収入)についてもう少し深掘りしていこう。パラレルインカムでは、「2つのお金のなる木」、つまり「所得」を持つことで、自分らしい人生を生きることを目指していく。つまり、所得を2つの視点から区分けして考えていくことになる。

はい。

ここで参考にしたいのが、国税庁が定めた所得税法。所得税法では所得を10種類に区分けしているのだけど、その中でも代表的なのが、勤務先から受ける給料、賞与などの給与所得だ。給与所得やビジネスから得られる事業所得などの自らが労働して得る所得は、パラレルインカムでは1つ目の所得、「労働所得」と位置づけている。

労働所得が1つ目だとしたら、2つ目は何でしょうか?

「資産所得」。これは、「不労所得」とも表現するよ。

資産所得は、不労所得、と……。

所得税法では、利子所得・配当所得・不動産所得がこれにあたる。ほかにも所得税法では、生命保険の一時金などで得られる一時所得、ゴルフ会員権などの売買で得られる譲渡所得などがあるけれど、ここでは割愛するよ。つまり資産所得とは、「資産を持つことから生まれる所得」を指しているんだ。

資産形成の分野で、「資産をどう増やすか」について語っている人は多くても、資産と所得をきちんと区分けして考えて、「資産からの所得をどう増やすか」について、所得を増やすことの重要性を伝えている方はほとんどいないような気がします。

資産をたくさん増やしても、そこから得られる所得がなければ、贅沢や豊かな生活にはつながらないんだ。あとこんな話もあるよ。毎月の収入が増えないと、何も贅沢はできないよね。けれど資産が増えれば増えるほど、減らすのが怖くて使えなくなるのが人間の心理。よくお金をコツコツ貯めて、普段はとてもつましい生活を送っているという方がいるけれど、これもお金が減るのが怖くて使えないという理由があるからだと思うんだ。

お金を貯めるだけ貯めて、そのまま人生を終えてしまうという、泣くに泣けない状況が起きそうですね。

一方で、資産所得が毎月安定して入ってくる状況をつくれば、使っても使ってもお金が入ってくるので、将来のお金の心配をせずにお金をつかうことができるようになるということ。

資産所得を得るのに、最適な手法とは?

 

資産所得、つまり不労所得を得るとは、具体的には資産に投資して収入を得るということか……。でも先生、「上手に投資をすればお金が増える」というのは、誰もがなんとなく理解していると思うのですが、資産から所得を得るためには、どんな投資の手段が適しているんですか?

たとえば、「投資のために金(きん)を買う」という話を耳にするよね。金を買うとは、金という資産を持つということ。では、Jくんが1,000万円分の金塊を買ったとする。金という資産を1,000万円分手にしたことになるけれど、この資産である金を持っていることで発生する所得はいくらだと思う?

持っているだけだと、0円ですよね?

そう、0円。金という資産を持っていても、金は1円も所得を生んではくれない。同じように、ビットコインに代表される暗号資産も、所得を生まない資産といえる。では、保険や個人向け国債を購入した場合、資産所得はいくらになると思う?

1,000万円で購入ですよね。えっと……。

財務省の個人向け国債のサイト内にある「受取利子シミュレーション」で計算したところ、国債を1,000万円購入したときの10年後の受取利子合計(税別前)は、8,500円と表示されたんだ。(変動10年、第148回債で計算)。

多少の所得は生まれましたね。

でも1,000万円も使って10年間で8,500円の所得なので、資産から得られる所得はほぼゼロに近いといえる。

では、株式を1,000万円購入したとするとどうですか?

市場によって変動するけれど、FIREでは平均4%の所得を想定しているのでこれを参考にしてみようか。1,000万円で4%ということは、年間40万円の資産所得があるということ。月にすれば約3.3万円。

多いような、少ないような。でもこれだと、FIREで目指す年400万円の資産所得を得るためには、元手となる資金が1億円必要ということになるんですね。

そうだね。1億円をつくるというのは、普通の人にとってはかなりハードルが高いと思うよ。

結局のところ、効率よく資産を生む投資の手段って、あるんでしょうか?

結論から先に言うと、ある。それは不動産で、つまりは家賃収入という不動産所得のことだよ。

不動産!どうやって資産を生むんですか?

たとえば1,000万円の現金を元手に、1,000万円の不動産を購入したら、年に80万円くらいの家賃収入が入ってくる。つまり約8%の資産所得が得られるわけ。

年8%。それは大きいですね。

さらに効率を高める方法もあるよ。1,000万円を頭金に4,000万円の借り入れをして、5,000万円の不動産を購入する。すると年間400万円くらいの家賃収入が得られる。そこから借入金返済や維持管理費などを差し引いても、約200万円の所得を得ることが可能になるんだ。

1,000万円出して年200万円の不動産所得。つまり、20%の資産所得!

整理すると、1,000万円を投資して資産所得を得ようとするなら、金よりも株の方が効率がよく、株よりも不動産のほうがさらに効率がよい。不動産に投資する場合でも、銀行借り入れをしたほうがさらに効率がよく、資産所得がより多く得られる、ということになる。

ははぁ~。

経済的な視点から見たパラレルインカムは、このように少しの資金からより多くの収入を得られるようにして、経済的自由を実現しようというメソッド。ただしすべてにおいて、このようになるとは限らない。どの株や不動産を選択するかによっても所得額は大きく異なるし、知識がないと銀行借り入れをすることによって、所得がマイナスになってしまうこともあり得るんだ。

パラレルインカムなら、たくさんの自由が手に入る!

パラレルインカムには、何かを得るかわりに何かをあきらめるという発想はないんだ。というのも、人生の自由をすべてかなえるためのメソッドだから。

斬新ですよね。だってこれまでは、「お金を得たいなら時間が犠牲になってもしょうがない」「自由な時間を得たいなら、得られるお金は減ってもしょうがない」という考え方が一般的でしたから。

子どもが生まれたから子育てに時間を注ぎたいというとき、フルタイムの仕事を辞めたり、親の介護のために正社員からパートに転職したりするケースもあったよね。

最近は働き方改革を進める会社が増えて、仕事と子育てを両立する環境が整いつつありますけど、会社や家族の協力がないと十分に働けず、そのために多く稼ぐこともできず、自己実現もできない、という状況もまだまだ残っています。

介護に直面するのはだいたい40~50代以降だよね。会社員なら20年、30年と働いてきてそれなりのキャリアを積んだ頃。そんな時に会社を辞めてしまうと、せっかくのキャリアが断たれてしまうし、収入も一気に減ってしまう。

介護って、いつ終わるか先が見えないものですし、苦労やストレスをたくさん抱えてしまうと聞いたことがあります。さらに介護が終わってから社会復帰しようとしても、なかなか受け入れてもらえないという現実もあるとか。

けれどパラレルインカムであれば、資産から所得を得て、「時間の自由」を手に入れられる。つまり、時間を使わずに所得だけを増やしていくことができるんだ。

空いた時間で子育てや介護、好きな仕事や趣味などに取り組めるようになりそうですね。

僕の友人は、お母さんが体調を崩されたときにハワイに連れて行って、温暖な環境で一緒に過ごしながら回復をサポートしていたんだけど、お母さんは2か月くらいで元気になり、友人もハワイでリフレッシュをすることができ、お互いハッピーになって日本に戻ることができたんだ。これってまさに、お金の自由と時間の自由があったからこそ、実現できたといえるよね。

パラレルインカムで手に入る自由って、たくさんありそうですね。

そうなんだ。たとえば僕は、パラレルインカムで手に入る自由を、5つに分類している。

5つ、ですか。

うん。お金の自由、時間の自由、人間関係の自由、住処の自由、仕事の自由で、5つ。

パラレルインカムって、お金の自由を手に入れるだけにとどまらないメソッドなんですね。

この5つの自由のバランスを取りながら、すべて手に入れていくことで、僕たちは本当の意味で自由で豊かな人生をデザインできるようになる。我慢をしないで自由になっていくための考え方や方法については、これから順を追って伝えていくので、楽しみにしていてね!

はい!引き続きよろしくお願いいたします。

まとめ

パラレルインカムには、持つべき「2つの所得」があります。それは、「労働所得」と「資産所得」の2つです。

「労働所得」は、給与所得やビジネスから得られる事業所得などの自らが労働して得るもの。一方、「資産所得」は「不労所得」とも表現され、所得税法で利子所得・配当所得・不動産所得にあたるもの。私たちには、資産と所得をきちんと区分けし、「資産からの所得をどう増やすか」について考えることが必要なのです。

資産所得を得るには、資産に投資して収入を得ることが不可欠ですが、世の中にはさまざまな投資法が存在しています。その中で、効率が良いと考えられるのは、不動産。もちろん、しっかりと勉強が必要ですが、銀行から借り入れを行うと、さらに効率よく、資産所得を得ることができるようになります。

資産所得が毎月安定して入ってくる状況をつくることができれば、将来のお金の心配から解放される「お金の自由」に加え、「時間の自由」、「人間関係の自由」、「住処の自由」、「仕事の自由」と、5つの自由を手に入れられるようになります。これが、パラレルインカムの魅力なのです。

次回は、実際にパラレルインカムを実現した人たちのエピソード「パラレルインカム・ストーリー」をお届けします。お楽しみに!