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子育て・若者夫婦必見の住宅補助金「こどもみらい住宅支援事業」

そなえる 内山 貴博

子育て・若者夫婦必見の住宅補助金「こどもみらい住宅支援事業」

【画像出典元】「Evgeny Atamanenko/Shutterstock.com」

政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。将来を担う子供や若い人達のためにも地球温暖化への取り組みは待ったなしの課題です。

今回は、その子育て世代や若者世代が住宅を取得する際に支援する制度を取り上げます。「こどもみらい住宅支援事業」です。若者世代が高い省エネ性能を有する住宅を取得することで明るい「みらい」につながることから、住宅取得や回収に対して補助金が支払われます。

こどもみらい住宅支援事業とは

少子化は日本社会の課題の1つであり、経済的理由が少子化に拍車をかけているという見方もあります。また、地球温暖化も世界規模で解決しなければならない課題のひとつです。この大きな課題2つに取り組んだ事業が「こどもみらい住宅支援事業」です。

この事業の目的は、子育て世代や若者世代が住宅取得をする時の負担を軽減するということだけでなく、高い省エネ性能を有する住環境で生活をしてもらおうというものです。これから長く生活する若い世代を支援することで、少子化と温暖化、2つの課題に効果的に切り込んでいくことができます。

どんな人が対象になるの?

補助金の種類は大きく「注文住宅の新築」と「新築分譲住宅の購入」、「リフォーム」の3つに分けられます。こどもみらい住宅事業者として登録されている事業者と契約を交わすことが前提条件となります。

〇注文住宅の新築と新築分譲住宅の購入
子育て世帯と若者夫婦世帯が対象となり、それぞれの要件は以下の通りです。

〇リフォーム
リフォームの場合は、子育て世帯や若者夫婦世帯に限らず、リフォーム対象の住宅を所有している人が対象となります。注文住宅や新築の分譲に比べれば、リフォームは比較的抑えた予算でできるため、幅広い世帯の利用が想定されます。なお、子育て世帯または若者夫婦世帯の一定のリフォームについては補助金の上限が引き上げられます。

対象となる条件と上限額はいくら?

住宅補助金
【画像出典元】「stock.adobe.com/Andrii Yalanskyi」

補助金の対象となるためには、一定の省エネ性能を有する住宅の取得や省エネに関連するリフォームであることが求められます。対象上限および補助金の額は以下のようになっています。それぞれ分けて紹介します。

〇「注文住宅の新築」と「新築分譲住宅の購入」

その他、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく、一定の省エネ性能を有する住宅も対象となっていましたが、2022年6月30日までに不動産売買契約を締結したものに限られ、既に期限を迎えています。

〇リフォーム
リフォームについては8種類の工事が対象となりますがAの3つのうちいずれかが必須となります。またBについてはAと同時に行う場合のみ補助の対象となります。

リフォームの組み合わせ次第ですが、補助額は最大30万円、子育て世帯または若者夫婦世帯は最大45万円となります。なお申請する補助額の合計が5万円未満の工事は補助の対象となりません。
(参考)https://kodomo-mirai.mlit.go.jp/reform/?tab=1

申請方法と申請期限は?

補助金のためには証明書など様々な書類の準備が必要となりますが、基本的には施行業者が行ってくれるため、建築主が行う必要はありません。いずれの補助金も2023年3月31日までに交付申請を行う必要がありますが、予算に限りがあるため、できるだけ早く申請を行いたいものです。

なお、交付申請は工事の着工や一定の工事が完了した後に行うこととなります。補助金の対象として申請期限に間に合うかなど、スケジュール全般については事前に施工業者にしっかりと確認を行ってください。

補助金を活用して住宅の取得やリフォームを行いたい場合、まずはこどもみらい住宅事業者に該当する事業者を調べましょう。都道府県ごとに注文住宅、新築の分譲、リフォーム別に検索することが可能です。多くの建築会社や工務店が登録されており、ホームページへのリンクも掲載されています。中には具体的な補助金を活用したプランを提示している場合もあります。適した依頼先を慎重に検討した上で問合せをしてください。

その他知っておきたい住宅補助金・減税・優遇制度

積み木の家と長期優良住宅のパンフレット
【画像出典元】「stock.adobe.com/dzono」

こどもみらい住宅支援事業の他にも、住宅の取得やリフォームに関しては、様々な補助金制度や減税等の優遇制度が実施されています。

※調査時点のものです。予算執行の関係で終了するものもあります。
※住宅ローン控除など、年度によって控除率などが異なる場合があります。
※募集期間が限られている事業もあります。都度、詳細をご確認の上、ご検討ください。

「100万円補助します」といった具合に補助金の方が分かりやすさがありますが、税制の優遇措置も見逃せません。耐震、省エネなど一定の基準を満たすために購入額がアップする可能性もありますが、優遇される税金分まで考慮して検討することが大切です。

まとめ

今回、こどもみらい住宅支援事業を中心に紹介しました。このような制度は何よりできるだけ早くその存在を知り、いつまで対象なのか?どういった業者とコンタクトをとるのか?など、早め早めに対応することがポイントとなります。要点をまとめました。

「補助金対象になるから」と安易に決断するのではなく、補助金の対象になる物件、そうではない物件などの情報を入手し、整理するからこそ選択肢が広がります。長く付き合う住宅となるため、焦らず慎重に判断することも大切です。

その際はぜひ目先のみならず長期ビジョンで検討してください。一生住み続けるのか?子供の独立後に自宅を買い替えるのか?など長期的な視点で検討すると、より効率的に住宅取得と向き合うことができます。

また、エコフレンドリーな生活をするためには、住宅といったハード面だけでなく、日常のちょっとしたことの中にもできることがありそうです。長く生活していく上で、住宅も大切ですが水や電気の使い方など、環境に配慮した生活スタイルも追求できるといいですね。

住宅補助金についてのQ&A

Q.補助金はいつもらえるのですか?

注文住宅や建売住宅の場合の補助金は直接消費者に振り込まれるのではなく、工務店をはじめとする施行業者に振り込まれます。よって、その金額分を支払いに充当するかたちで還元されます。リフォームの場合も一度施行業者に振り込まれたのち、消費者が施工業者より受け取る流れとなります。

Q.中古の建売住宅を購入する際も補助金の対象になりますか?

A.こどもみらい住宅支援事業は注文住宅または新築物件の建売が条件であるため、対象となりません。ただし、購入後にリフォームを行えば対象となりえます。その他補助金制度の中に中古物件を対象としたものもあるため、まずは検討の段階で販売会社等に確認をしてみてください。