貯金1000万円以上貯まったらその後どうする?考えるべき4つのポイント
貯蓄1000万円をついに達成!喜びも大きいですが、この資金をどう活用するか、悩む人も多いのでは?当分使う予定がないけれど、このまま預金として口座に置いていてもいいのか、運用したいけれどどんな投資方法があるのか。気になることはたくさんありますね。
今回は、大事な資産を有効に使うために気を付けておきたいこと、やっておきたいことについて、押さえておきたいポイントを解説します!
1000万円以上たまった!その後やるべき4つのポイント
1000万円の貯金がたまっても、口座に預けたままではかえって損をしてしまうこともあります。また、貯金がたまったからと計画なしに大きな買い物ばかりしてしまうと、いざお金が必要になったときに、十分な資金がない、ということにもなりかねません。
そんなことにならないために、まずは以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
1. いざというとき必要な資金を確保する
まずやっておくのは、いざというときに必要になる資金、いわゆる「生活防衛資金」を確保することです。急な病気やケガ、失業や災害など、不測の事態に備え、必要なお金を確保しておきます。
目安となるのは、生活費の3~6カ月分。子どもがいる世帯は、教育費なども必要になるため、6カ月~1年分確保できると安心です。
2. 近い将来使う予定の出費分を確保する
5~6年以内に予定している出費があれば、その分は別に確保しておきます。家電や車の買い替え、出産費用、教育費用などが主な用途です。それぞれ数十万から数百万円の出費になるので、用途なども考えながら予算を組みましょう。
冠婚葬祭の費用もここで確保しておくと安心です。
3. 余剰資金での運用を考える
生活防衛資金や将来の備え分を確保したら、残ったお金が余剰資金になります。当面は使う予定がないお金なので、ここから資産運用を検討しましょう。
4. 貯蓄口座を分ける
銀行口座で貯蓄額が1000万円を超えると、金融機関の預金保険制度であるペイオフの適用外になります。1つの口座にそのまま置いておくのではなく、銀行を分けて分割管理しましょう。
銀行を分ける場合は、生活防衛資金の口座、近い将来使う予定の出費口座、運用口座と分けておくと、それぞれの資金を別の用途に使ってしまうことも防げて安心です。
1000万円以上たまったら気を付けること
1000万円の貯蓄について管理のポイントを解説しましたが、それ以外にも、普通預金のまま1000万円を持ち続けるといくつかのリスクがあります。
ペイオフ制度の適用外になる
先ほど少し触れたペイオフ制度は「預金保険制度」とも呼ばれます。万が一金融機関が破綻した場合でも、金融機関に預けている元本の1000万円までと破綻日までの利息が保証される制度です。しかし、1000万円を超えるとこの適用外になり、保護されなくなります。
ペイオフ制度は銀行ごとに計算されるため、銀行口座を分けることでリスクを回避できます。
インフレによってお金の価値が目減りする
預金口座にお金を入れたままで満足していませんか?実は低金利下の日本において、現在のような物価が上昇するインフレ時には、預金に預けているお金の価値が下がってしまうのです。
たとえば、100円のものが150円になった場合、同じモノを買おうとすると以前より多くのお金を払わなければなりません。したがってその分お金の価値が減少したことになります。
現在、日銀は「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%としています。つまり毎年2%ずつモノの値段が上昇してしまい、それに応じて貯蓄しているお金も2%ずつ増やさなければ、資産が目減りしてしまうということになります。
現在の銀行の預金は利率も低く、ほとんど利息がつかないため、ただ預けておくだけでは資産の価値が減ってしまうだけ、ということになりかねないのです。
まずは少額から。投資方法を検討しよう
いくら資産運用しようと思っていても、持っている資産を全額投資するのは避けましょう。投資にはリスクがつきものです。
まずは少額で運用できる、手堅い運用方法から試してみるのがおすすめです。
個人向け国債
個人向け国債は比較的安全性が高い商品として知られています。変動10年、固定5年、固定3年と、金利や満期までの期間によって3商品に分かれていますが、中でも変動10年のものが人気です。実勢金利に応じて半年ごとに適用利率が変わる仕組みになっており、今後、日本の金利が上がれば、利率も高くなる可能性があります。
インデックス型投資信託
投資信託は、運用の専門家に資金を預け、投資・運用してもらう金融商品です。信託報酬はかかりますが、少額から購入できて、専門家がさまざまな資産に分散して投資してくれるのでリスク分散にもなります。中でも日経平均株価などといった指数に連動した運用をしてくれる「インデックス型」の投資信託を購入すれば、投資に慣れていない人でも値動きを把握しやすくなります。
ポイントは、投資先を分けること。投資信託は商品によって投資対象が異なり、先進国の企業に投資するものや、国内企業にしぼったもの、不動産に投資するものなどさまざまです。リスクを分散するためには、バランスよく組み入れることが大切です。
せっかく貯めた1000万円。無計画に使うのではなく、目的に応じ資産を分けて管理することが大切です。またインフレ下では、ただ預金に置いておくだけではなく、インフレ対策も重要になります。しかし、金融商品はもちろんリスクも伴いますのでそれぞれの特徴や注意点をしっかり確認しましょう。ご紹介したポイントや投資方法なども参考に、大事なお金を有効に活用してください。
※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。