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子供に関する支出が増えて貯金が出来ず不安…45歳女性FP相談

うちの家計簿 世継 祐子

子供に関する支出が増えて貯金が出来ず不安…45歳女性FP相談

【画像出典元】「fizkes/Shutterstock.com」

FPオフィス「フォルテシモ」へ依頼されたお客さまの家計簿を、mymoで診断する【うちの家計簿】。今回は会社員45歳女性、Kさんの家計簿です。

40代Kさんの相談内容

夫が転職して年収が上がりました。しかし残業も増え、その分私の家事の量が増えて慌ただしい毎日です。2人の子供がそれぞれ中学・高校に進学したこともあり、教育費以外にも子供関連の支出が増えて、あまり貯金ができない月もあります。これから先、大学等子供関連のお金がもっとかかると思うのでなんとなく不安です。

Kさんの家計簿は・・・?

夫婦二人の手取り合計が46万6000円。貯金が3万1000円、手取りの約7%の金額を貯めています。授業料、塾などの教育費以外の「子供関連費用」が当月は2万8000円で収入の6%を占めています。

固定費の見直し

今年は電気代などの光熱費も値上げされました。水道光熱費は生活に欠かせないものです。必ずかかるお金だからこそ使い方に気をつけてみましょう。

電気料金

Kさんのご自宅はLED電球を使用していない箇所が多くあるようですので、電球はLED電球に変えることをおすすめします。LEDの消費電力は白熱電球のおよそ20%、蛍光灯の30%程度といわれています。照明器具をLEDにするだけで電気代が軽減できると思いますのでぜひ検討してみてください。

消し忘れが多い場所の照明は人感センサーの電球にすることもおすすめです。LEDも比較的安価に購入できるものもあり、色も温かみのある色など選べるようになっています。インテリア、使い方にあわせて検討してみてください。

水道・ガス料金

シャワーをよく利用する場合はシャワーヘッドを節水タイプに切り替えてみましょう。
毎日使うシャワーの水量を減らすことで、水道代やガス代の節約も期待できます。50%以上の節水を期待できるものもあるようです。購入のコスト、使いやすさなども含めてご検討ください。

通信費

格安スマホプランとプラン内容、料金を比較し、プロバイダーも割引の内容などを見比べて通信費の見直しをしてみましょう。家族全員が見直すことで大きなコストカットが図れます。低コストで快適に使うことも可能になってきました。ぜひ複数の会社で比較検討ください。

LED電球、節水シャワーヘッド、格安スマホプランなどによる家計の見直し術は、誰でも聞いたことがある、知っているものだと思いますが、実際に自分の生活に取り入れているかというと「一部だけしかLEDに変えていない」「いつかスマホのプランも変えようと思っている」と意外と後回しにされがち。省エネルギーの観点からも物価上昇が気になる今こそ、徹底的にコストカットに取り組んでみましょう。

Kさんの現在の水道光熱費が2万5000円ですから、仮に15%削減できれば3750円節約でき、年間では4万5000円の節約になります。スマホ、Wi-Fi等の通信費は家族の人数が増えると家計の負担も増えていきます。

固定費の見直しは、生活に欠かせないものだからこそ「重要」です。徹底的に取り組んでみてください。一度節約できれば、節約効果は長期間にわたります。

子供関連費用の考え方「お小遣い制」の導入

お金を数える少年
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学校の授業料や塾の費用などは定額で家計の管理がしやすいと思いますが、子供にそれ以外のお金が必要になったとき、請われるままにその都度お金を渡してしまうと、計画的な家計管理が難しくなります。

小学校から中学校、高校と進学のたびに子供の環境にも変化が生まれ、必要なお金も変化すると思いますが、親の収入には限りがあるため、「お小遣い制」の導入を検討ください。

まずはKさんご夫婦が働いて、労働の対価として収入を得ていることをしっかり子供にも伝えましょう。そしてご家族で話し合ってお小遣いの金額を決め、子供にもその金額の中でやりくりする工夫を身に付けてもらうようにしてください。

2022年4月から新しい指導要領のもと高校家庭科の授業が始まり、高校生が金融教育の授業を受けるようになりました。投資などの教育も始まっていますが、限られた収入の中でやりくりして支出をするのは生活の基本です。ぜひ、家庭でもお小遣いのやりくりを経験してお金の教養を身に付けてほしいと思います。

◆子どものおこづかい額(単位:円)

資料:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査:令和2年」をもとに筆者作成
(子どもがいる家庭が回答した数値の全国平均値・月平均)

家族でお金の話を積極的にしよう

例えば、今月の子供関連費用2万8000円を、時給1000円のアルバイトで稼ぐとすると、28時間働くことが必要です。1日2時間アルバイトをするとしても14日間、約半月働かなければ得られないお金です。

Kさんが日々、仕事と家事で慌ただしくされているように、親の時間やお金にも限りがあります。「お小遣い」の金額を決め、お子さんに毎月同じ金額を渡し、自分で計画的に使う練習をさせることを検討してみてください。

Kさんの親世代が働いていた時代は、お給料が右肩上がりで、誰もが車や家を購入し、教育費を払ってもある程度貯金に回すことができました。しかし今は少子高齢化が進み、経済成長も鈍化していますので、何となくお金を使い、無計画にお金を借りたり、ローンを組んだりすると生活が行き詰まることもあります。

家庭でしか身に付けられないお金の使い方もありますので、まずは「お小遣い制」を導入し、支出をできるだけ平準化して、臨時出費があるときでも収入の1割、Kさんの場合は4万6600円の貯金ができるように検討ください。あと1万5600円分、固定費の見直しとお小遣い制を導入して削減が実現できるよう取り組んでみてください。

アドバイスを受けたKさん談

貯金箱を手にする笑顔の女性
【画像出典元】「stock.adobe.com/Krakenimages.com」

早速スマホ等の通信費の見直しをしたところ、3万4000円の通信費を1万6000円に減らすことができました!うれしいです!この勢いでその他の固定費削減にも取り組んでみます。LEDやシャワーヘッドを変えるのは一度で済みますし、毎日何かを頑張る必要はないのでやれそうな気がします。

子供のお小遣いも、夫も交えて一度話し合ってみようと思います。夫のお給料が増えても、支出がどんどん増えたら元も子もないと今更ながら気が付きました。

家計簿診断を終えて

Kさんのような、共働きのダブルインカムの家計は、収入が増えても、気を付けておかないと支出が増えがちです。忙しく働いているからこそ、「これくらい使ってもいいだろう」と思うかもしれませんが、できるだけ計画的に予算をたてて使うようにしてみてください。