一人暮らしの通信費いくらが目安?平均額と節約ポイント
ついつい使い過ぎてしまうこともある通信費。一般的に通信費はどの程度を目安としたらよいのでしょう。また、周りの人たちはどれくらいの額の通信費を支払っているのでしょうか。
今回は、一人暮らしの通信費の平均額を紹介するとともに、通信費を安く抑えるための節約術についても解説します。ぜひ通信費の見直しに役立ててください。
一人暮らし、通信費の平均額は?
一人暮らしの場合、通信費は毎月どのくらいかかるのでしょう?
総務省から発表されている2022年度の「家計調査 家計収支編(実数,構成比,増減率,寄与度)」によれば、単身世帯での通信費用は、月額で7008円と集計されています。
通信費は契約しているプランや通信量によっても上下しますが、一人暮らしであれば、月額7000円前後を目安としておくのが賢明でしょう。
地域によっても異なる
通信費の平均額は、以下のように地域によっても差があります。
【単身世帯の通信費月額平均(地域別)】
全国・・・7008円
北海道・東北地方・・・7526円
関東地方・・・6893円
北陸・東海地方・・・6977円
近畿地方・・・6674円
中国・四国地方・・・7740円
九州・沖縄地方・・・6853円
出典:家計調査 家計収支編(都市階級・地方別)
ご覧のように、「北海道・東北地方」と「中国・四国地方」は、通信費の平均額がやや高い傾向です。その他の地域では、月額7000円を下回っています。
通信費の節約術(自宅編)
まずは、自宅で使う「固定回線(光回線)」の節約術を紹介します。
固定回線は定額プランが主流であるため、データ使用量を抑えることでの節約はできませんが、それでもいくつか費用を抑える方法があります。
不要なオプションを外す
固定回線には、以下のような有償オプションが用意されていることがあります。加入しているとその分料金が上乗せされています。
・IP電話サービス
・ナンバーディスプレイサービス
・サポートサービス(トラブル時にオペレーターがサポートしてくれるなど)
・ケーブルテレビや衛星放送を見ることができるサービス
など
いずれも、月額数百円程度の料金として設定されていることが多く、外せばその分出費が減ります。たとえば「サポートサービス」などは人によっては加入していてもまったく使わないケースもあるため、費用対効果が見込めないものは外しておきましょう。
特典を利用する
固定回線には、以下のような特典が用意されていることがあります。
家族割:家族が同じ固定回線を契約した場合、2回線目以降で割引が付く
学割:契約者が学生の場合、割引やキャッシュバックが付く
スマホ割:同じ系列の会社のスマホを所持していると、毎月のスマホ料金が割引になる
など
家族で同じ通信会社の固定回線やスマホを使うことで、毎月数百円~1000円程度の節約ができることもあります。
安い固定回線に乗り換える
固定回線の月額料金は、一般的に4000円前後です(マンションタイプの場合)。
ただし料金は業者によってまちまちであり、中には安めに設定している業者もあります。たとえばSONYネットワークコミュニケーションズが運営する『NURO光』のマンションタイプは、月額2090円~2750円(税込)となり一般的な相場よりやや安めです。
また、インターネットをさほど使わない人であれば、光回線ではなく、料金の安いモバイル回線(ポケットWi-Fi)を自宅用として使う方法もあります。
このように、安い固定回線に乗り換えることで、出費を抑えることができます。ただし回線を乗り換える場合、解約違約金などが発生することもありますので、その点も踏まえて検討するようにしてください。
通信費の節約術(スマホ編)
続いて、スマホ料金の節約術について紹介します。
スマホの場合は、固定回線のように定額制ではなく、データ使用量に応じた従量制のプランが主流です。このため、データ使用量そのものを減らしていく節約術が有効です。
余計なデータ通信を止める
スマホのアプリは、使っていない時でもバックグラウンドで同期や更新処理を行い、データ通信が行われていることがあります。
データ通信量を節約するためには、以下のような対策を打ち、余計な通信量の消費を止めることが効果的です。
・自動アップデート設定をオフにする
・Googleアカウントの自動同期をオフ(Android端末の場合)
・iCloud Driveの同期をオフにする(iPhone端末の場合)
・使わないアプリは削除する
・強制的な方法として、データ通信機能をOFFにして通信を遮断する(もしくは機内モードをONにする)
など
不要なオプションを外す
スマホには、以下のようにさまざまな有償オプションが用意されていて、スマホ契約時にあまり意識することなく加入している場合もあります。
・留守番電話サービス
・迷惑電話対応サービス
・アプリが使い放題になるサービス
・故障修理サポート
など
たとえば、故障修理サポート(通信会社によって名称は異なる)は、スマホが故障・紛失した場合などに、新品に交換してくれるサービスです。いざという時には助かりますが、その分毎月数百円~1000円程度の出費となるため、外した方がよい場合もあります。
料金プランを見直す
通話しか利用しない、Wi-Fi環境下以外でインターネットはあまり使わないという人であれば、「1GBまで」や「1~2GB」といった利用できるデータ容量の少ない従量制プランがおすすめです。データ使用量が少量に制限されますが、その分基本料金が割安になります。
反対に、動画視聴やゲーム利用などでデータ使用量が多い人の場合、従量制プランではなく無制限プランに移行したほうが結果的に安上がりとなることが多いです。
格安SIMに乗り換える
「格安SIM」とは、MVNO(Mobile Virtual Network Operator:仮想移動体通信事業者)に分類される通信業者です。自社で通信設備を持たず、大手3キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)から通信設備を借りてサービスを提供しており、その分料金水準を安く提供しています。
たとえば格安SIMの『NUROモバイル』の最も安いVSプランは、月額627円(税込)から利用できます。
ただし、格安SIMは料金が安い分、回線が不安定になったり、時間帯により遅くなることもあるため、デメリットについても理解しておくことが大切です。
固定回線+スマホを組み合わせた裏ワザも
最後に、固定回線とスマホを組み合わせた節約テクニックについて紹介します。
スマホで固定回線のWi-Fiを利用する
自宅でスマホを使う際には、スマホのモバイルデータ通信ではなく、固定回線のWi-Fi接続を利用しましょう。こうすることで、スマホをどれだけ使っても、通信量は固定回線側にカウントされるため、定額料金で済みます。
同じような理由で、スマホのOSアップデート、スマホアプリのダウンロードなど、データ通信量の多い操作をする場合は、できるだけ自宅のWi-Fi接続を利用して行うのが望ましいです。
固定回線を解約しスマホに一本化
スマホの「テザリング機能」を使うことで、スマホが通信端末の役割をします。スマホと接続したノートパソコン、タブレット、ゲーム機などで、スマホの通信機能を使ってインターネットが利用できるようになるのです。
つまり固定回線がなくてもさまざまな機器で通信が行えるようになるので、固定回線を解約し、スマホのみで通信環境を確保することができます。
ただしテザリング機能で利用できるデータ通信量には上限が設けられており、基本料金もテザリング機能の分、割高に設定されています。たとえばauの「使い放題MAX 5G/4G」プランは、スマホのモバイルデータ通信は使い放題ですが、テザリングなどの上限は30GBと設定されています。月額料金は7238円(税込)です。
またテザリング機能での通信は、固定回線に比べると不安定になりやすく、スピードも遅くなりますので、そうした部分も含め、自身のライフスタイルとあっているかを検討する必要があります。
以上、通信費の平均額と、通信費節約術について紹介しました。
通信費は毎月必ず支払いが発生する固定費であり、また通信量によっても上下するため、使いすぎると、気付かぬうちに家計を圧迫させる原因となっていることがあります。通信量は普段のちょっとした工夫で抑えることもできますので、地道な節約を心掛けていきましょう。