意外とできそう!貯金体質になるための給料日ルーティンとは?
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お金を貯めたいと思っても、なかなか上手くいかず、他の人はどうしているのかと気になる人もいると思います。実は、貯金できる人が給料日にやっている「秘密のルーティン」があります。これをマネすればあなたも貯金体質になれるかも⁉
貯金体質になるための考え方・やり方とは
貯蓄体質になるためのポイントは、お金の使い方にメリハリを付けることです。
何でもケチケチと節約すれば当然お金は貯まりますが、安いからといって気分の上がらない服を着たり、趣味や旅行を我慢したりするのも楽しくありません。とはいえ思いのままに生活すれば、あっという間にお金は無くなり、将来が心配になってしまいます。
それでは、賢く貯蓄をするにはどうしたら良いのでしょうか。カギは「給料日」。お金が貯まらない体質の人と貯まる体質の人では、貯金のタイミングが明らかに異なります。
貯まらない体質の人は、「後取り貯金」をしているケースが多いようです。これは、1カ月間生活して残ったお金を貯蓄用口座に預けるという方法です。またお金が貯まらない人の特徴として、給与口座に全財産を預けている点が挙げられます。財布の中にたくさんお金が入っていると、つい気が大きくなって使ってしまいがちですが、これは給与口座でも同じことが言えます。
一方、貯まる体質の人は、「先取り貯金」をしています。先取り貯金とは、給料が入ったらすぐに自動引き落としで積立定期預金などに預け替えることです。こうすれば残った分で生活していくため、明らかに貯まるスピードが速くなります。なお、給料日にATMで引き出して自分で貯蓄用口座に預け替える人もいますが、忙しい時などはうっかり忘れてしまい、気付けば数カ月間経っていたということもあるため、おすすめしません。
貯金できる人になるために、まず家計簿をつけよう
これから先取り貯金を始めたいという人は、自分を知るために家計簿をつけることから始めてみましょう。無理なく貯金が始められます。毎月、給料が残らないという人には特におすすめです。家計簿をつけると、お金の使い方にクセがあることに気付きます。
家計簿は、昔からある家計簿ノートでも良いですが、手間を省きたいなら家計簿アプリが便利です。銀行口座やクレジットカードと自動で連携されるものも多いため、簡単かつ精度の高い家計簿がつけられます。一方、エクセルで管理をする人も意外と多くいます。自分が続けやすい方法で始めましょう。
家計簿をつけるコツは、できるだけ費目をシンプルにすること。例えば、食料品や日用品はスーパーで購入することが多いので、これらは「食費・日用品」と費目を1つにします。レシートの合計額を記入するだけで作業が終わり簡単です。また、飲み会のような交際費は「小遣い」の費目で管理すると良いでしょう。このように、自分の生活スタイルに合わせてシンプルにまとめると、分かりやすい家計簿になります。苦手な人はずっと続ける必要はありません。まずは3カ月を目安に取り組みましょう。
前月分の支出を項目別に集計してみる
1カ月分の家計簿をつけ終わったら、費目ごとに集計し、何にいくら使ったか確認しましょう。
コンビニでの買い物や、自販機でのジュース、外食が思ったより多かったなど、何らかの気付きがあるのではないでしょうか。ここでは、お金の使い方のクセを知ることがポイントです。
次に、それらの費目を固定費と変動費に分けて考えてみましょう。
固定費
・家賃
・通信費
・習い事代
・生命保険料
・奨学金の返済 など
変動費
・食費や日用品
・水道・光熱費
・医療費
・被服費 など
ストレスなく貯蓄体質になるには、固定費を先に見直すのがコツです。一度見直せば、継続的にその効果が続くからです。例えば、通っていないジムの退会や、過剰な生命保険の加入は見直しやすいポイントです。音楽配信や漫画の読み放題などのサブスクは、似たサービスを重複して契約していないか確認しましょう。
次に変動費を考えます。例えば、スーパーでの特売品のまとめ買いが無駄遣いにつながるケースも。結局使わずに廃棄してしまったなど、かえって無駄遣いになっていないかどうかも振り返ってみましょう。
預金だけじゃない「先取り貯金」のやり方
家計簿を付けて自分のお金の使い方や見直しポイントが分かったら、次に毎月いくら貯金するか目標を立てます。そして「先取り貯金」をしましょう。給料日に、給与口座から貯金用の口座へ自動引き落としを行う設定さえすれば大丈夫です。
また、職場で天引きができる財形貯蓄や社内預金も検討しましょう。職場の積立制度の良いところは、給与から天引きされるため、最初から無いものとして貯められる点と、金利が一般的な預貯金より有利なことがある点です。職場の貯蓄制度がない場合は、銀行で積立定期預金の口座を作ると良いでしょう。
慣れてきて貯金ができるようになったら、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)を考えてみましょう。預貯金は元本割れをしないため安心ですが、ゼロに近い金利ではほとんど増えないばかりか、このインフレ下でお金の価値は目減りしてしまいます。NISAやiDeCoの制度を使って資産運用にも視野を広げましょう。
これらの制度は、利益に税金が掛からないためお得です。ただし気を付けたいのは、どちらもリスクが伴う点。少しずつ積み立て、じっくり長期で運用するのがコツです。なお、iDeCoは老後資金を作るための自分年金制度ですから、60歳まで原則引き出すことができません。ただ、掛け金が全額所得控除されるため、年末調整で所得税が戻ってくる楽しみも味わえます。無理のない金額から始めるようにしましょう。
勤め先によっては、貯金の積立制度以外に、自社の株に積み立てる持株会や、職場積立NISA、企業型DC(企業型確定拠出年金)があるかも知れません。持株会では10%の奨励金が付与されるというようなケースもあります。しかし、預貯金の多くが持ち株となると、会社が倒産した時に、失業と株価の暴落が同時に起こり得るため、適度な金額にしましょう。
職場積立NISAは、給与天引きでNISAに積み立てる制度です。企業型DCは、職場の退職金制度ですが、天引きで掛け金を上乗せできるようなら活用を検討しましょう。こちらもiDeCo同様に掛け金の全額が所得控除の対象になるので節税につながります。
現金引き出しは「月1回」と決める
先取り貯金を決めたものの、残りのお金で本当に生活費が足りるのか不安に感じる人もいるでしょう。そんな人は、ATMでお金を引き出す回数を決めると効果的です。
例えば、ATMで引き出すのは月に1回だけにします。頻繁に引き出す人は、ちょこちょこお金を使ってしまう傾向があります。また、時間外や土日祝の引き出しは手数料が掛かるので要注意。金利が低く利子がほとんど付かない中、ATM手数料の負担は小さくありません。何事も「ちりも積もれば」という精神です。
なお、ATMから月に1回引き出す時に合わせて、普段使うアプリ決済やICカードにもチャージすると良いでしょう。1カ月をその範囲内でやり繰りします。
また、頻繁に買い物をする人は、頻度を減らすのも一手です。毎日スーパーやコンビニに寄ると、つい余計なものも買ってしまいます。買い物は「週に2回」などルーティンを決め、お金を使わない日を作りましょう。
イレギュラーな出費に備える方法2選
先取り貯金で増えたお金は、ちょっとしたことでは払い出さないのが大原則です。せっかく自動積み立てをしても、引き出してしまうと貯まっていきません。とはいえ、冠婚葬祭や旅行、車検などとイレギュラーに特別費が必要な時もあります。ここでは、解決方法を2つ紹介します。
1.特別費専用口座を作る
1つ目は、特別費専用の口座を作って、そこにも毎月積み立てをしていくことです。まとまった支出が必要な時は、特別費専用口座から使います。給料口座で普段の生活費をまかなって、突発的なものは特別費口座から捻出する。こうしたやり繰りをすれば、将来のための貯蓄用口座はしっかり貯まっていくはずです。その貯蓄は、子供の大学費用や、車の購入費、老後資金などの大きな支出に充てられるようになります。
2.自動融資機能のついた総合口座を使う
もう1つの方法は、給料を受け取る口座をマイナスにできるように定期預金を預けて、臨時出費に備えることです。
給料の受取口座は、総合口座であることが大半だと思います。総合口座通帳の裏表紙を見ると、定期預金ができるようになっていますが、そこに定期預金を預けると、預けた額の9割(最大200万~300万円)まで普通預金の残高がなくてもお金を使うことができます。借入利息が少し差し引かれますが、普段の生活口座をマイナスにして翌月の給料の振り込みやボーナスで穴埋めするまでのつなぎとして活用すれば、月々の先取り貯金には手を付けなくて済みます。
わざわざマイナスにせずに、先取り貯金から出すという考えもありますが、一度取り崩した口座にお金を戻す努力をすることは、なかなか難しいようです。一方で、生活口座をマイナスにする方法は、残高をプラスに戻そうという意識が自然に働いて、あまりお金を使わないようになるため、徐々にマイナスが埋まっていきます。
なお、借入利息はカードローンのように高い金利ではありません。預けている定期預金の金利に+0.5%上乗せされる程度です。仮に定期預金の金利が0.01%とした場合、借入金利は0.51%ですから、3カ月間10万円マイナスになっていた場合の借入利息は約127円です。せっかく貯めた貯蓄口座に手を付けないで済むと考えれば、安いものではないでしょうか。
まとめ
今回は、お金が貯められる人が給料日にすること、について紹介しました。簡単にまとめます。
・お金を貯められる人は、先取り貯金をしている
・家計簿の費目はシンプルに、固定費の見直しは効果大
・先取り貯金は、預貯金だけでなく、NISAやiDeCoなど資産運用も取り入れる
・突発的な出費は、特別費口座でまかない、貯蓄口座には手を付けない
・総合口座の定期預金で、一時的にマイナスになる仕組みを活用する方法もある
先取り貯金に慣れると、貯金分は最初から無いものとして普通に生活できます。貯金ができずに困っている人は、ぜひ試してみてください。お金は、人生を充実させるための1つの道具として大切なものです。今を大事にしながら、近い将来、そして、遠い未来の自分のためにも賢く付き合っていきたいものです。
給料日についてのQ&A
Q:銀行から引き出した現金はどのように管理したら良いですか。
A:食費、日用品など項目ごとに封筒分けするのは王道です。財布にまとめて入れるのは避けましょう。
Q:キャッシュレス派なのですが、上手く管理する方法を教えてください。
A:食費や日用品などの「生活費用」、交際費や美容代などの「小遣い用」など用途に分けて、クレジットカードやアプリ決済などを使い分けると、それ自体が家計簿の代わりになります。
※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。