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リフレッシュ上手は生産性が高い!?効果的なお休み計画立ててる?

山崎俊輔のライフプラン3.0時代を生きるルール 山崎 俊輔

リフレッシュ上手は生産性が高い!?効果的なお休み計画立ててる?

夏や冬の長期休暇、上手にお休み取れていますか?

このコラムが掲載されるタイミングは、お盆休みが終わった頃合いだと思いますが、皆さんお休みは取れたでしょうか。

お休みが取れた、という人は、「リセット」の効果を感じているかもしれません。一度仕事を離れて、「オフ」の時間を何日か取ることは精神的にも肉体的にもリフレッシュになります。職場に戻った初日こそペースが戻らないかもしれませんが、数日もたてば、むしろ休暇前より仕事が捗っていることを感じられるはずです。

ライフプラン1.0世代、あるいは2.0世代は、「モーレツ」という言葉がしばしば使われるほど、猛烈に仕事に励む風潮がありました。長時間労働により1日あたりのアウトプットを増やすことで、国際的に競争をしたので残業は当たり前でした。

彼らは夏期休暇や年末年始の休暇だけがまとまったお休みで、それも弾丸ツアーのように実家に帰省したり、海外旅行をしたりして、くたくたになって過ごしていました。これではあまりリフレッシュとは言えません。

今の時代において、リフレッシュを意識した休暇取得を意識してみることは、あなた自身の緊張を解きほぐすだけでなく、その後の仕事の生産性にもプラスになる、そんなイメージをもってお休みするのがライフプラン3.0世代の休暇術かもしれません。

ちょっと「目的」があるとリセット効果は高まる

ウェルビーイング研究(幸福学)においては、休暇において無目的な時間を過ごすより、何か目的があるほうが幸福度が高まるという知見があるそうです。

言われてみれば確かにそのとおりです。ただゴロゴロとしてネットやテレビを見ているよりは、計画的に休みの日程を決め、楽しみにしていたライブやフェス、観劇等に出かけるほうが、同じ休暇でも満足度が高まる、と言われてみれば誰でも頷くはずです。

コンサートや観劇、旅行や帰省などは分かりやすい目的です。目的があると、計画も立てやすくなります。

計画を立てるということは、「休暇前」からリフレッシュの期待感を高めて仕事をすることになります。それは仕事のやりがいにもつながります。「あと一週間がんばったら、念願のフェス参戦! だから仕事に集中して取り組もう!」のような感じで仕事の生産性を高めることができるわけです。

「計画」と「目的」があると、一斉の夏期休暇や年末年始の休暇時期とは限りません。むしろイベントに合わせるような形で休みの日程を自分なりに予定し、休暇を申請することになります。

ライブツアーなどはまさにイベントのスケジュールありきで、自分が休みを取ることになります。最近では人気ゲームの新作発売日(金曜日)をお休みにし、直前の仕事に集中して取り組んだうえで、心置きなくゲームの世界にのめり込んだ人たちが「ゲーム休暇」といって話題となりましたが、これも計画的に取得すれば、楽しいリセット時間となります。

好きなこと、やりたいことがある人ほど、上司と相談をして、計画的にお休みを取ってみることをオススメします。

もちろん、あえて何もしないことを休暇の目的としてみてもいいでしょう。サウナや温泉のある旅館に泊まって、ただのんびりと過ごすのもいいですね。ちょっとだけ緑の中を散歩して、あとは読書でもしながら過ごす。それもまた贅沢なリフレッシュです。

有給休暇の取得は積極的に行おう

お休みには、祝日や週末などに加え、全社的に一斉で取得するタイプのものと、個人が自由に取得するタイプのものがあります。

お盆や年末年始など、工場のラインをストップしたり全社一斉に休みを取る場合などは、個人の都合とは関係なく、全社員が一斉にお休みとなります。こうしたお休みの悩みは、全国的にも休みの人が多く、交通費や宿泊費が割高なプランになっていることです。お出かけ先も混雑していて、十分にリフレッシュできないこともあります。

その点でも、自由に取得するタイプのお休みを有効活用してみたいところです。法律上、継続して雇われている人は給与をもらいつつ休むことのできる、有給休暇を取得できます。これはアルバイトやパート、派遣社員であっても同様です。

有給休暇の付与日数は法定の下限が定められており、半年以上働いた場合、必ず10日が年間の有給休暇日数として取得できます。以降、勤続年数に応じて増え、6.5年以上働いた人は毎年20日の有給休暇の権利を得ることができます。

未使用の日数は繰り越すことができますが、2年で権利が失効することになりますので、できるだけ活用したいところ。今は有給取得率の向上が企業にも求められているので、上司と話し合い、業務への支障がでなければ、お休みが取りやすくなっています。

ある分析資料では、有給休暇の取得率が高い業界ほど、労働生産性が高いという調査もあるそうです。会社が「もっと有給を計画的に取るように」と通知をしてきたら、これは積極的に取得するチャンスにもなります。ぜひより効果的にリフレッシュしたいところです。

会社によっては、時間単位、半日単位で取得することも可能となっています。これを上手に活かせば、「午前中だけ仕事をしたら、午後は推し活で観劇に行こう!」のような使い方をすることもできます。

結婚して子どもが産まれると、子どもの病気や行事(授業公開や学芸会など)のために有給を使うことになり、しばしば「有給が足りない…」ということになります。

若い方は今のうちに、自分のリフレッシュのために有給を活用してみてください。

(なお、「有給なんかウチにはない!」とか「有給を取ろうなんてまだ早い」のようなハラスメントをする会社は、さっさと見切りをつけて転職してしまうことを強くおすすめします)

ときどき「リセット」し、ときどき負荷をかけると、仕事でも成長することができる。

リフレッシュはただお休みをするだけではなく、実は仕事における成長のためにも欠かせないことです。

仕事はときどき「リセット」することと、ときどき「負荷」をかけることのバランスが重要です。

自分の能力の限界ギリギリまで追い込むようなことも何度かやっておかないと、レベルアップになりません。例えばプレゼン資料を作って取引先の役員を相手にプレゼンをする経験など、1回目はとても苦労しますが、5~6回目くらいになると要領よく準備し現場でも堂々と話せるようになります。経験はあなたを成長させてくれるわけです。

一方で常に負荷をかけ続けていると、ある日緊張の糸がプツンと切れてしまいます。過度の緊張状態、ストレスが続いていると、どこかでメンタルの調子を崩してしまうことがあります。

ときどき、上手にリセットをするためのよい方法は休暇を取ってリフレッシュをすることということになります。

半日単位の「小さなオフ」、週末にプラスアルファした形での「3~4日のオフ」、あるいは一週間単位での長期休暇など、いろんなリセットを織り交ぜながら、心身を落ち着かせ、仕事に集中していく体制を整えていきましょう。

そうそう。お休みの計画を立てることはもちろんですが、お金(予算)のことも計画的に準備しておきましょう(ファイナンシャル・プランナーなので、これもちゃんと言っておかないと)。リフレッシュのための旅行や推し活予算は家計管理に計画的に織り込み、毎月ちょっとずつ積み立てたり、ボーナスを残しておくなどしながら、無理なく負担をしていくようにしてみてください。