医療保険に「女性疾病特約」は必要?メリット・デメリットを教えて
医療保険を検討する時、女性疾病の特約をつけるべきか迷う人も多いことでしょう。もし乳がんになったら…子宮頸がんになったら…なんて考えると、やっぱり女性疾病の特約は気になるのではないでしょうか。今回は、50代女性の相談をもとに、女性なら誰でも知っておきたい女性疾病特約について考えていきましょう。
50代女性Gさんからの相談
医療保険に関するFPさんの見解として「保険に女性特約をつけた方が良い」という考えと、「つけなくても大丈夫」という考えを拝見しました。 最終的に自分の判断とは思いますが、メリット、デメリットはどんなものがありますか。
女性疾病特約のメリット・デメリット
最初に押さえておきたいのは、女性疾病は病気の仲間であることに変わりはないということです。つまり、通常の医療保険に加入していれば、まずは入院給付金や、手術給付金は受け取れます。その上で、女性疾病になったときに上乗せをしたい場合は、特約で備えるということを考えていきましょう。
例えば、入院日額5000円の医療保険に加入し、女性疾病特約として入院日額5000円の契約をしたとします。その契約内容で一般的な疾病に罹り入院すると、1日当たり5000円受け取れますが、子宮がんのような女性疾病になった場合は、それぞれから給付され1日当たり1万円が受け取れるということになります。
すべての病気やケガで入院日額1万円支払われる契約に比べると保険料は割安で備えられるため、その点はメリットです。中には、入院日額ではなく、女性疾病で入院や手術となった場合に一時金で支払われるタイプもあります。
次にデメリットです。当然ですが、女性疾病以外の場合は通常の入院日額のみの受け取りになってしまいます。良くも悪くも基本は女性疾病が対象ということです。
また、もし別途がん保険に加入しているのであれば、子宮がんのような女性特有のがんになった場合は医療保険とがん保険の両方から保険金が支払われることになります。今加入している保険がどういったものかも踏まえてどのくらいの保障が欲しいのか検討すると良さそうです。
女性疾病特約の保障範囲やチェックポイント
また、女性疾病の保障と言っても、その範囲は保険会社によって異なります。一般には、乳がんや、子宮がん、子宮筋腫、子宮内膜症、帝王切開などが保障の主なものとしてあげられます。
帝王切開は女性特約をつけなくても医療保険の手術給付金として支払い対象ですが、女性特約の中には、早産や流産の場合も対象とする保険商品もあります。また、女性だけの疾病ではありませんが、女性が罹患しやすいものとして貧血や低血圧症、膀胱炎やバセドウ病、また、胃がん・すい臓がんといった場合も保険金の支払い対象とする保険商品もあります。
医療費の補完として女性疾病特約をつけたい場合は、保障範囲や上乗せされる保険料について比較検討すると良いでしょう。合わせて、先々、保険料の更新はないか、将来この特約が不要と感じた時に外すことができるかも確認しておくと安心です。
高額療養費制度や保険適用外の治療
また、医療保険に加入する時に知っておきたいのが公的保障です。同一月(1日から月末まで)の医療費の自己負担が一定額を超えた場合は、健康保険から高額療養費の給付を受けられます。一般的な所得水準の場合、自己負担の目安は9万円程度です。
ただし高額療養費制度の対象となるのは、健康保険が適用される治療のみですので、「入院時は大部屋ではなく個室に入りたい」というときの差額ベッド代は対象外となります。
乳がんで手術をすることになった場合、その後に乳房再建治療を受けることがあるかもしれません。乳房再建治療の中には健康保険適用外のものもあります。女性疾病特約では乳房再建に保険金が支払われる商品もあるので、もしもの時の負担が心配なら検討するのも良いでしょう。
どのような治療が対象か、対象外の治療はあるかなど、細かい保障範囲を確認しておくことが必要です。
まとめ
不安要素を挙げだすとキリがありません。高額療養費制度といった法的保障や、医療保険の基本契約でも一定の備えは可能です。その上でやっぱり心配というのであれば、医療保険に女性特約を付けることで安心できるでしょう。