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結婚・出産した年の年末調整は慎重に!よくある間違いを解説

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結婚・出産した年の年末調整は慎重に!よくある間違いを解説

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会社員や公務員や給与で働いている人なら、毎年行っている年末調整。ですが、結婚や出産などのライフステージの変化により申請内容を間違えると損してしまうことも。今回は間違えやすいケースとその修正方法をお伝えしましょう。特に、今年ライフステージが変わった人は注意が必要ですので是非ご確認ください。

年末調整の修正ってどんなときに必要?

書類
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年末調整とは、その年の収入から源泉徴収された所得税を調整する手続きのこと。毎月源泉徴収として天引きされる所得税は概算であり、年末でその過不足を調整するのです。多く徴収されていれば還付され、少なかったときは追加徴収されます。

年末調整の際には、次の書類を会社に提出する必要があります。

・給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
・給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書

この書類の提出に際し、よくある間違いとしては主に次のようなものがあります。

①扶養家族が増えた

赤ちゃん
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今年扶養家族が増えた場合、扶養人数の変更が必要です。ですが、年末調整の書類を出した後に結婚した、子供が生まれた、親と同居することになったというパターンもありえます。その場合、扶養控除や配偶者控除が変わってしまうため修正が必要です。

②配偶者または本人の年収が大きく変わった

収入
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配偶者控除額は、夫婦の所得金額や控除対象配偶者の年齢で異なり、13万円~48万円の中で段階的に変動します。年末調整の書類を出す段階では見込額を記入して提出しますが、どちらかの12月の給与や賞与が見込みと大きく異なると、年末調整の修正が必要になることがあります。

③保険料控除証明書を出し忘れた

保険
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生命保険料や介護保険料などの「控除証明書」を年末調整の書類提出時に添付し忘れた場合、正しく控除されない可能性があります。控除証明書を出さなければ損になってしまうので諦めず修正しましょう。

④控除が適用となる申告を忘れていた

住宅ローン
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住宅ローンなど、控除の対象となっているのに申告の書類を出し忘れてしまったというのもよくあるケース。住宅ローン控除は入居から最大13年間控除を受けられ、節税効果も高い制度の1つです。忘れていた場合は書類を揃えてぜひ修正を行いましょう。

年末調整完了後に間違いに気づいたら

驚く人
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もし、年末調整が終わってしまった後に間違いに気づいた場合、源泉徴収票発行前である、翌年1月31日以前とその後とで対応が異なります。

原則、翌年1月31日までは会社で修正が可能

原則として、翌年1月31日までなら、会社側で修正が可能です。しかし、会社側での計算・書類・税金の変更が必要になってしまうため、間違いに気づいたらできるだけ早めに担当者へ相談しましょう。

またそれぞれのケース別の訂正方法は以下の通りです。

①扶養家族が増えた
扶養控除申告書の該当する箇所に二重線を引き、訂正印を押印して修正内容を記入します。

②配偶者または本人の年収が大きく変わった
「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」を再申告、もしくは訂正して提出します。配偶者の年収が変更になった場合、収入の証明となるものが必要です。

③保険料控除などを出し忘れていた
保険料控除証明書を追加で提出します。控除額の記入忘れの場合は「給与所得者の保険料控除申告書」の再提出も必要です。

④控除が適用となる申告を忘れていた
この場合も控除証明書の提出が必要です。また控除額の記入忘れの場合は、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の再提出も必要です。

翌年2月1日以降は確定申告が必要

2月1日以降の修正は、自ら確定申告をすることで可能です。

毎年行われる年末調整ですが、なんとなく書類を提出している人も多いかもしれません。しかし、特にライフステージが変わったタイミングでの年末調整は間違えやすく、損してしまう可能性も。また、内容が異なっていると、経理担当者に迷惑をかけることもあります。二度手間にならないよう、事前準備やチェックをしっかり行い年末調整に取り組んでくださいね。