住宅購入にかかる初期費用はいくら?戸建てとマンションでの違いとは
夢のマイホームを購入!ところが、物件を探す際、販売価格ばかりに目がいってしまい、いざ初期費用を含めた支払い総額が判明したとき、その他にかかる費用を見落としていて驚いた!という人は少なくありません。今回は、住宅を買う際に必要な初期費用について、戸建てとマンションに分けて解説します。
戸建て住宅を購入する際の初期費用の目安
戸建ての家を注文住宅や建売で購入する場合、「頭金」と「住宅購入にかかる諸費用」の2つの初期費用がかかります。
国土交通省の「令和2年度 住宅市場動向調査報告書」によれば、土地付きで購入した注文住宅の購入総額の平均は4606万円、分譲戸建て住宅は3826万円となっていました。
戸建て住宅の頭金の相場は物件価格の10~20%、諸費用の目安は6~10%が一般的なので、新築注文戸建て住宅の場合、600万~1300万円程度の初期費用が発生することになります。
マンションを購入する際の初期費用の目安
マンションを購入する際にも、戸建てと同様に、「頭金」と「住宅購入にかかる諸費用」の2つ初期費用がかかります。ではその費用目安はいくらくらいでしょうか。まず、マンションを購入する際の物件費用の平均から見てみましょう。前述の「住宅市場動向調査」によれば新築の分譲マンションで4639万円、中古分譲マンションで2236万円でした。
マンション購入時の頭金の目安は10~20%、諸費用は新築マンションで3~6%です。よって、新築分譲マンションを購入する場合の初期費用は600万~1200万円程度、中古分譲マンションの場合は300万~600万円程度が目安となります。
初期費用の内訳
前述したように、初期費用の内訳は頭金と諸費用です。このうち頭金は物件費用の一部を支払うものなのでイメージがつきやすいでしょう。では、諸費用にはどんなものが含まれているのでしょうか。一戸建てかマンションかで必要になる費用は異なりますが、おおよそ以下の3つの費用が必要になります。
不動産取得にかかる費用
土地や住宅などの不動産を取得するために必要な手続きに関する費用や税金が含まれます。
- 印紙税:売主と交わす「売買契約書」に貼る印紙の代金
- 不動産取得税:不動産を取得したときに発生する地方税
- 登録免許税:不動産取得を登記簿に記録する際にかかる国税
- 司法書士への報酬:不動産登記の際の手続き代行に関する費用
- 固定資産税:不動産を取得したことで発生する地方税
- 仲介手数料:仲介した不動産会社へ支払う礼金
- 手付金:土地の売主に購入の意思を示すために支払う費用。購入価格に充当される
- 申込証拠金:新築物件の購入申込時に必要な費用で契約成立時には手付金に充当される
住宅ローン契約にかかる費用
住宅ローンの契約時にも費用が発生するものがあります。
- 印紙税:ローン契約時に交わす「金銭消費貸借契約書」に貼る印紙の代金
- 登録免許税:金融機関が土地や建物に抵当権を設定する際の登記のために発生する地方税
- 司法書士への報酬:上記登録のための手続き代行に関する費用
- 事務手数料:契約時に金融機関に支払う手数料
- ローン保証料:ローン返済が滞った際の備えとして支払う費用
- 物件調査手数料:融資基準に適する住宅か調査するための費用(主にフラット35を利用する際に発生)
- 火災保険料:金融機関によっては火災保険加入が契約条件となっているところがある
その他にかかる費用
そのほかに、以下のような費用がかかる場合があります。
- 修繕積立基金:新築マンションを購入するときに必要な前払い金
- 地盤調査費・改良工事費:新築一戸建てを建てる場合に必要。地盤を調査し、弱い場合は改良工事が発生する
- 地鎮祭・上棟式の費用:新築一戸建てを建てる際に必要な場合がある
- 水道負担金:新築で住宅を購入する際、上下水道の水道管を引き込むための工事費
初期費用を安く抑える方法は?
住宅購入時は住宅ローンを組む人がほとんどですが、ローンの契約金額には初期費用は含まれません。そのため、契約時にある程度の現金を用意しておかなければなりません。では、少しでも初期費用を抑える方法はあるのでしょうか。
初期費用の中で抑えられるのは、まず仲介手数料です。
仲介手数料は法律で上限が決められています。この範囲で売主と協議してみましょう。また、仲介を挟まず、土地や住宅の持ち主から直接購入したり、マンションを不動産開発会社から購入することで仲介手数料が発生しないケースもあります。
また初期費用の節約とはなりませんが、保険料は支払い方法次第で割安にできる場合があります。年払いのほかに10年一括払いなどの方法にすることで、一時的に費用負担は増えるものの、トータルでの保険料の総額はかなり抑えられるでしょう。
住宅購入の際、見落としてしまいがちな初期費用。現金での支払いが必要なので、いざ契約となって慌てても間に合いません。頭金とあわせ諸費用の金額もしっかり計算した上で、事前に資金計画を立てておくことが重要です。