消費大国アメリカ、一人当たりの負債額やローンはいくら位あるの?
お正月がないアメリカでは、2日より通常営業となりました。その代わり年末は11月の感謝祭から始まり、12月のクリスマス、1月の元日と大きな祭日が立て続けにありました。中でも大多数の人にとって最大の祭日クリスマスは、家族&親族が一堂に集まりプレゼントを交換し合う楽しいファミリーイベントです。人々はホリデーギフトにどの位消費したのでしょうか?また消費大国/クレカ大国の人々が抱える負債額/ローンはどの位でしょうか?
年末の「爆買い」の理由は?
新年が到来しました。お正月のないアメリカでは、2日より通常営業が始まっています。
正月がない代わりに、アメリカではクリスマス前後が長期休暇となります。そもそもアメリカのホリデー期間は11月の感謝祭から始まり、翌日のブラックフライデー、12月のクリスマスに加え、人によってはハヌカ(ユダヤ教)やクワンザ(アフリカ系)などがあります。このホリデー期間中は人々が1年でもっとも買い物をしてお金を使う時期です。
なぜ人々がこの時期に大量消費するのかと言うと、多くの人々にとって最大の祭日、クリスマスがあるからです。
日本とは異なり、アメリカのクリスマスは家族行事です。普段は全米中に離れ離れになっている家族や親族が一堂に集まり、共にテーブルを囲んでご馳走を食べたりプレゼントを交換し合ったりします。
よって感謝祭の翌日のブラックフライデーは、クリスマス商戦の初日というわけです。最近日本でもブラックフライデーが盛り上がっています。でもバレンタインデーと同様に商業路線に走っただけのイベントですから、アメリカのものとは意味合いが根本的に異なります。アメリカではクリスマスに向けた行事としての意味があるのです。
街中の広場にはクリスマスマーケットが広がります。クリスマス直前の土曜日はスーパーサタデーと呼ばれ、人々が買い出しで最後の追い込みをかける決戦の週末です。
2024年のホリデーシーズン中、クリスマスマーケット、デパート、モールなどの商業施設はどこも人々で大賑いでした。店内の大型カートたっぷりに積み上げられた溢れんばかりの商品を見て、アメリカという国はつくづく消費大国だなぁと心底思う筆者です。
24年ホリデーの消費予想額は31万円越え!
これを書いている2024年12月時点で、年末の全米の消費額の数値はまだ発表されていませんが、24年のホリデーシーズンの全米での予想支出額が、NRF(全米小売業協会 )の情報を基にした米国商工会議所の12月19日付の記事で発表されました。それによると予想額は前年より2.5%~3.5%増加し9,795億ドル~9,890億ドル(155兆円規模)に達するだろうとされています。
一人当たりの予想支出額はと言うと、米ニューズウィーク(12月13日付)に平均的なアメリカ人がこのホリデーシーズンに消費するであろう額が掲載されていました。
それによると、今シーズンはなんと2000ドル(約31万4000円)以上になるだろうとの見立てでした。なんともすごい金額ですね。
この額には家族・親族全員分のプレゼント代はもちろん、クリスマス仕様にするため装飾費用(アメリカ人はホリデーシーズン中、家のインテリアや外観をクリスマス仕様にコーディネートします)、クリスマスやイブのパーティーの主催費用、食費や飲料費、衣装費、帰省のための移動費(飛行機や電車代)などが含まれています。これらを加味すると2000ドルというのは決して大袈裟に予測された額ではないと、筆者も納得できます。
アメリカ人のクレジットカード負債は過去最高値
さぁそんな楽しいホリデーが終わり新しい年が明けました。年末に消費した分、次は支払う時期です。キャッシュレス払いが一般的であるアメリカ人の負債額はと言うと、近年増加しているようです。
◾️過去記事参照
アメリカの最新キャッシュレス事情。みんなどれで支払ってる?
ニューヨーク連邦準備銀行の報告書を基にしたCNBC局の報道(11月13日付)によると、アメリカ人のクレジットカード負債は過去最高の1兆1,700億ドル(184兆円規模)に達したことがわかりました。
またクレカの未払い残高(24年第3四半期)は240億ドル(3兆7700億円規模)増加し、前年比8.1%アップということです。
年ごとの数値を表すグラフ(CNBC記事)を見ても、ここ数年その額は急増していることがわかります。クレカ債務は過去20年で安定していたようですが、パンデミックにより失業やインフレなどで人々が貯蓄を切り崩しました。クレカの支払い残高も増えたのでしょう。
消費者一人当たりの平均残高は諸説ありますが、前述のCNBCの記事によると6329ドル(約100万円)、前年比4.8%アップとされています。
このような増加傾向の中、同連銀の専門家のコメントによれば、クレカの延滞率は直近の四半期で改善(減少)していて、過去1年間で延滞としてみなされた残高は全体の8.8%で、この数字は前四半期の9.1%から減少したようです。このようなことから、「増大する債務負担だが依然として管理が可能な範囲内」というのが専門家による分析です。
消費大国のアメリカは負債大国でもあることがわかったことでしょう。そして、上記の負債額には住宅ローン、車のローン、学生ローンなどは含まれていません。それらを含めると一人当たりの負債額は500万円を超えるという情報もあります。これについてはさらに複雑ですから、またの機会にレポートしたいと思います。