4月に給料が結構増えた!その時にすぐにやっておきたいこととは?

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新卒の給与がアップすれば、もちろん社員の給与もアップする
最近、大企業では新卒の初任給を大きく引き上げるニュースを見かけます。日本は横並び意識が強かったせいもあって、初任給については会社が違っても大差がないという傾向がありました。
実際のところ、初任給は似た水準であっても、中小企業では数年位給料がアップしない一方で、大企業は入社数年で給与が大幅にアップしたりして、給与の差が生じることが多かったのです。
近年の人材難、またグローバルな人材獲得競争の中で、優秀な人材を確保したいと考えた時、こうした横並び意識はマイナスに働くことが増えています。そこで大企業では初任給から大幅な差をつけるようになったというわけです。
新人の給与がアップした、とニュースになる時、あたかも新人とアラサー社員との間で給与の逆転が起きるような印象を受けますが、これは間違いです。
新人と先輩の給与逆転を起こせば、社員のエンゲージメント(愛社精神)はゼロになってしまいますから、どのような会社でも先輩社員はそれ以上の給与となります(自分の新卒の時はもっと低かったのに…という不満感は残りますが)。
院卒であるとか、極めて優秀な人材であるとか(日本語、英語、中国語ペラペラのマルチリンガル新人とか)、特別な理由がない限り、最初から給与が逆転する現象はまず起きませんので、そこは安心してください。
給与のアップは人材難を表していますが、物価上昇の影響も大きい
こうした給与アップのニュース、基本的には人材不足を表しています。優秀な人材にははっきりとした待遇差を示さないと内定に応じてもらえないという危機感が大企業ほどあるからです。
一方で、ニュースにあるような極端な数字でなくても、多くの会社員の給料はアップし始めています。「去年は月数千円位だけど給与がアップした!」というような人はたくさんいるのではないでしょうか。
おそらく今年もお給料がアップする人が多いのではないかと思います。労働組合がある場合は、新年度の賃上げ交渉の結果を公開しますので、確認をしてみてください。労働組合がない場合は、会社が賃上げの発表をすることになります。多くの場合、前年度より少し増えることでしょう。
その背景にあるのは物価の上昇です。モノの値段が上がってきた時、その度合いは物価上昇率で表すことができます。このとき、お給料も物価上昇率位金額を増やしておかないと、今までと同じ生活ができないことになります。
とはいえ、毎月毎月、物価上昇に見合う改定をするわけにはいきませんから、多くの会社では年に一回給与額の見直しを行います。多くの会社は4月が年度始まりなので、改定時期も4月が多いというわけです。
これは昇格に伴う昇給とは別で行うものです。労組の交渉の言葉ではベースアップなどと言われます。
ちょっと前まで「何年も給料は上がらなかった」という会社が多かったのに、ライフプラン3.0世代あるいはZ世代の給料が毎年上がっているのは大きな社会の変化です。
できれば生活水準は上げずに増えた給与を活かしたい
もし、あなたの給与アップがこの4月に実現した時、喜ぶのはもちろんですが、注意も必要です。そのまま財布の紐を緩めて支出を増やしてはお金は永遠に貯まりません。
よく「給料が増えたら貯金します」という人がいますが、こういう人は給料が増えるとその分出費も増やしてしまい、永遠に貯金をしません。「生活はそのままにして新年度は貯金をする!」とはっきり宣言してみたいところです。
実のところ、最近の物価上昇を考えれば、お給料のアップは物価の上昇分でほぼ相殺されると考える必要すらあります。例えば月1000円給料が手取りで増えても、月1000円分位お米の値段が上がれば、その分に消えてしまうわけです。
「給料は増えたけれど、物価が上がった分出費も増える。出費額が少し増えても、買えるモノは今までと変わっていないんだぞ!」と自分に言い聞かせ、気を引き締めましょう。
もし、物価上昇を大幅に上回る大幅な給与アップが実現したとしたら、それは昇格に伴う大幅昇給ということが多いでしょう。仕事の能力向上や営業成績などが会社に認められたということです(おめでとうございます!)。こういう時はぜひ、貯蓄額を増やす算段をしてください。
オススメは自動引き落としされる「仕掛け」づくり
お金を貯めたいと本気で考える人におすすめしたいのは、「自動的にお金が貯まる仕掛け」を活用することです。
会社の制度に、財形貯蓄制度がある場合、あなたに給与を振り込む段階で貯金額を差し引き、銀行等に振り込んでもらうことができます。会社によっては少し上乗せをしてくれることもあり(財形奨励金などという)、実質的に高利回りの積み立てになる場合もあります。社内持ち株会なども同様の仕組みです。
財形貯蓄制度がない場合、メインバンクの銀行で積立定期預金を設定しましょう。指定日に指定金額を自動的に積み立ててくれます。通帳の普通預金のページから定期預金のページにお金が移動するイメージですが、定期預金のほうが普通預金より高利回りになるだけでなく、日常の生活資金とはお金の管理場所を分けることになります。
「メインバンクのお金を給与振込日までに使い切ればいい!」という感覚で、ずるずるお金を使ってしまうリスクを抑えることができます。
積立の投資信託、NISA(つみたて投資枠)、iDeCoなどの制度を使って、指定金額を自動的に投資に振り向け、積立投資をするのもいいでしょう。iDeCoは中途解約ができない制約があるので、まずはNISAを使って積立投資をスタートしてみてください。
積立の方法がどのような場合であっても、金額は少額スタートで構いません。月数千円であっても、家計の引き締めは立派なことですし、貯金ゼロの人と比べれば、数年後には大きな差が出始めます。
——今までなんとなく、「春の賃上げ」のニュースを目にしていたかもしれませんが、自分ごととして考えることが大切です。
そして、4月はぜひ「積み立ての設定」をしてみてください。