理想のリビングルームをリノベで実現!大変身3事例
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監修・ライター
家の主役ともいえるのがリビングルーム。マイホームを考えるなら、まずこだわりたいところですよね。
今回は、福岡を拠点にリノベーションを手掛けるリノベエステイト代表・一級建築士の松山真介さんに、実際のリノベーションの事例を挙げてもらいながら、理想のリビングルームをかなえるコツを教えてもらいました。
1㎡当たり約16万円! 北欧家具とプロダクトデザインが融合した上質感のあるリビングルーム
こちらのナチュラルで上質感のあるリビングルーム。約40平方メートル(約26畳)もあるそうです。
施主はご夫婦+幼児2人の4人家族。88平方メートルの中古マンションを購入し、リノベーションしました。リノベーションにかかった費用は、家全体で約1400万円、1㎡当たり約16万円です。
上の写真がリノベーション前のリビングです。
このように、ごく一般的な4LDKのマンションを、お子さんが小さく、まだ子ども部屋は必要ないということで、2LDKに大きく変更! リビングに隣接していた2つの個室をリビングルームに取りこみ、広々リビングが実現しました。
「子ども部屋が必要になったら、リビングの一部を子ども部屋にできるように下準備だけはしています。家族の成長に合わせて家も変わっていくというのが僕の持論です」(松山さん)
また、リノベーション前は、4つある個室へのアクセスのために、上写真のような長い廊下がありました。
しかし、写真下のように個室をリビングに取り込んだことで、それまで6畳分ほどあった廊下のスペースを3畳分ほどに減らすことができました。つまり、家全体の面積は変わらないのに、間取りを見直したことで、生活空間が3畳分も増えたことになりますね。
同じ角度から見た、リノベーション後のリビングがこちらです。シャープなキッチンゾーンと、温かみのあるリビングゾーンの対比がカッコイイ!
施主が質実剛健なプロダクトデザインがお好きだったことと、北欧ヴィンテージの家具をお持ちだったということで、こうしたデザインになりました。
グレーの壁面とキッチンが、高級感のある印象ですね。「実は、壁面をダークカラーにすると、反射が抑えられるから、夜景がきれいに見えるんですよ」と松山さん。「壁は白」という既成概念から離れてみてもよさそうです。
1㎡あたり約17万円! 趣味に没頭できる土間を設けた、ヴィンテージ感のあるリビングルーム
こちらは、約55平方メートル(約36畳)のLDKの一部を土間にしたプランです。施主の趣味はサーフィンで、サーフボードのメンテナンスをするスペースがほしいとのご希望があり、作業しやすい土間を設けました。リノベーションの費用は1㎡当たり約17万円。家全体のリノベーション費用は約1700万円。
一見、庭付き一戸建てに見えますが、実は専用庭付きのメゾネットタイプのマンションです。
「戸建てだと、自分で庭の管理をしたり、メンテナンスのための資金を貯めたりする必要があります。でも、こうしたタイプのマンションなら手間もかからず、一戸建て感覚で使えるというのがメリットですね」(松山さん)
上の写真がリノベーション前のリビング。現在と雰囲気がまるで違いますね。
こちらは土間側からリビングとキッチンを俯瞰した写真。土間の右手に玄関があります。玄関から直接土間に行くこともできるのも便利!
リノベーションの際に階段に張られていたクロスや天井板を外し、素材を生かしたヴィンテージ感のあるデザインに仕上げました。「仕切りをガラス張りにしてリビングルームからも階段が見えるようにしたことで、視覚的に広がりのある空間にもなった」と松山さん。
1㎡あたり約15万円! マンションなのに平屋のようなゆったり感を感じさせるくつろぎのリビングルーム
こちらはゆったりとした平屋のように見えますが、実はマンションです。施主はご夫婦2人ということで、105平方メートルの3LDKのマンションを1LDKの間取りにリノベーションしました。費用は1平方メートル当たり約15万円。全体の費用は約1500万円でした。
まず目を引くのが、傾斜天井ですよね。「1階の部屋なので、共用庭のグリーンを借景にできるんです。窓に向かって天井を低くすることで、視線を共用庭にフォーカスさせる効果があるんですよ」と松山さん。
「天井は高ければいいというものではありません。こちらのリビングは、あえて天井を低くして、ソファーも低いものを選んで、落ち着ける空間にしました」
土間にはライブラリースペースを設けました。木漏れ日の中で読書できるなんて素敵ですね。マンションとは思えない縁側のような空間に、ご夫婦も満足されているそうです。
上写真はリノベーション前のリビング。部屋が細かく仕切られていたため、採光が一方向に限られていて昼間でも薄暗かったそうです。
左奥にある部屋がキッチンです。かつては独立型のキッチンだったため、相手の姿が見えず、互いのコミュニケーションがとりにくかったそうです。
そこで、約60平方メートル(約40畳)ものLDKにリノベーション。明るく広々としていながら落ち着ける空間になり、夫婦が自然にリビングに集まるようになりました。
今回は、それぞれの理想をかなえたリビングのリノベーション事例を見ていただきました。リノベーションに当たっては、「施主が住まいをどうしたいと考えているのか、かなえたい夢や理想があること」が何より大切と話す松山さん。
次回以降も、こうしたリノベーションによって理想の住まいをかなえた事例を紹介します。お楽しみに!
※《画像提供》いずれもリノベエステイト