天才建築家のアートに浸る〜安藤忠雄設計のホテル3選
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安藤忠雄といえば、新国立競技場の選定に携わった国際デザイン・コンクール審査委員長として記憶されている人も多いでしょう。表参道ヒルズやフォートワース現代美術館、光の教会など、安藤氏の建築物は国内外で高く評価されています。建築もアート。それを実感できるのが、安藤氏が設計を手掛けたすばらしい建物群です。安藤氏設計のホテルで、アートに浸って過ごす時間を体験してみませんか。
アートな空間で感性を磨くひとり旅に♪「瀬戸内リトリート青凪」
屋上の細長いデッキプールの先端には、どこまでも広がる瀬戸内海と青い空。自然は刻々と姿を変える美しい絵のようであり、プールは自然と人が一体化するためのアートな装置のようにも思えます。
「瀬戸内リトリート青凪」は美術館をリノベーションして作られたホテルです。無機質で緊張感のあるコンクリートの壁にかかった鮮やかな抽象画。空と緑を光とともに室内に招き入れる大きな窓。瀬戸内海をイメージさせる内庭。高い天井のゆったりした空間に映える穏やかな色の家具。どこを切り取っても、アートな雰囲気に満ちています。
仕事やあわただしい日常、わずらわしい人間関係から解放されて、感性を磨くひとり旅にいかがですか。大人ならではのぜいたくな旅は自分への最高のごほうぴになりますよ。
わずか7室の客室は全室スイートルーム。「MINIMAL LUXURY」をコンセプトに、シンプルなぜいたくさを感じさせるつくりになっています。洗練された雰囲気に、全身の感覚が心地よく刺激され、感性か磨かれ、豊かな自然に癒やされていく。そんな1日が過ごせます。
食事もアート。味はもちろん、器や部屋と一体になった料理のシンプルな美しさを堪能してくださいね。
恋人と訪れたい!自然と共生するロマンチックな安藤ワールド「ウェスティンホテル淡路」
美しい海に向かって、航海に出る帆船のように優雅に建つ「ウェスティンホテル淡路」。船首をイメージさせるシャープなラインが印象的な白いホテルです。ロマンチックな教会もあるので、恋人との旅行にいかがですか。
安藤氏が設計した複合リゾート施設「淡路夢舞台」の中にあり、海の青、山の緑が美しく映え、光や風を十分に感じられる環境は抜群。周囲には植物園、国際会議場、寺院などの建物や百段苑などの庭園、回廊などがあります。
リゾート施設全体が迷路のような回遊式庭園になっているので、2人でゆっくりと散策してみては。安藤ワールドのスケールの大きな世界観と自然との共生を体感できますよ。夕暮れ、朝日で違う美しい海の光景を見ることができるのも、宿泊客ならではの楽しみです。
客室は窓を広くとってあり、とても明るい印象です。全室がテーブル&チェアのあるバルコニー付きで、リゾート気分が味わえます。ホテルでの挙式に使われている「海の教会」は、安藤氏が設計した「光の教会」「水の教会」とともに有名な教会です。天からの光が十字架を映し出す光景は、とても神秘的。ぜひ、2人で眺めてみてくださいね。
瀬戸内海の美術館ホテルで子どもとアート体験を!「ベネッセハウス」
瀬戸内海に浮かぶ美しい自然の島、直島。ここでは、1990年代からベネッセによって、アートによる町づくりプロジェクト「ベネッセアートサイト直島」が展開されてきました。現在では「瀬戸内国際芸術祭」が開かれるなど、国際的にも人気の高い現代アートの島として有名です。子どもとアート体験をする家族旅行にいかがですか。
1992年、ベネッセは安藤氏の設計により「自然・建築・アートの共生」をコンセプトに、美術館とホテルを一体化させた施設「ミュージアム」を開館。現在は「オーバル」、「パーク」、「ビーチ」を含めて4棟の宿泊棟があり、レストランやカフェ、スパ・ショップを併設しています。モノレールで移動する「オーバル」は6組のゲストのためだけのスペシャルな空間。めずらしい木造の「パーク」、海辺に建つオールスイートの「ビーチ」と個性豊かな客室がそろっています。
「ミュージアム」では、宿泊客だけが楽しめる美術館のナイトツアーが魅力。客室を含めて館内にはさまざまな芸術作品があります。家族そろって夜に対峙するモダンアートの作品は、昼間とはまったく違ったリラックスした表情を見せてくれるかもしれません。家族の思い出に残るスペシャルな夜になりますね。
館内の各所には、絵画、彫刻、写真、インスタレーションなどの作品が展示されて、ギャラリー以外の場所でもアートに親しむことができます。ベネッセハウスの周辺には地中美術館、ANDO MUSEUMなどもあって、島にいる間はずっとアートな時間が過ごせますよ。
一流の建築家が建てたすばらしいホテル、永年愛され守られてきた歴史あるホテルには、その建物が醸し出す空気感を肌で感じ取り、自分の感性を磨くためだけに宿泊する価値があります。建築というアートに触れる旅に出て、価値ある1日を過ごしてくださいね。