県外からの客に教える[中洲・天神・長浜]屋台の歩き方
夕暮れ時、天神・博多のビル街や那珂川をほんのり照らす屋台の灯り。漂ってくる煙や匂い、集う客のにぎやかな声は、ほかの街にはない風情を福岡の夜に与えてくれます。県外からのお客さんに屋台のことを聞かれたら、ぱっと教えてあげたいですね。知っておきたい歴史やマナー、現地情報をご紹介します。
戦後の福岡で愛されてきた屋台
1970年頃のピーク時には福岡市内で400店以上の屋台が営業していましたが、営業許可は一代限りというルールができるなど、現在は約120店に減少しています。しかし、福岡の屋台人気は高く、観光資源として残そうとする動きが強まっています。2013年には福岡市屋台基本条例が制定され、公募で新規の屋台業者が参入できる道が作られました。福岡でずっと愛され続けてきた屋台。大将や相席の客と親しく語り合いながら飲み食いするスタイルが、おおらかで祭好き、開放的な福岡人の気性に合っているのでしょうね。
屋台マナーの基本は譲り合い&思いやり
屋台のマナーやしきたりはぜひ知っておきたいですね。まず店に入る前にトイレは済ませておきましょう。常連客の席は遠慮する、席は間を空けず譲り合って座るのがマナー。手荷物は膝の上に置くなど自分で管理しましょう。注文時はメニューで価格の確認を。メニューにない料理も値段を聞いてから頼むと安心です。外での立ち飲みや近隣住民に聞こえるような大騒ぎ、道路を汚す行為はマナー違反。大将や相席の客との会話がはずんで楽しくても、店が混んできたら長居は禁物。さっと切り上げるのが粋ですよ。
エリア別に紹介!最近の福岡屋台事情
屋台ビギナーの食べ歩きには、飲み物と食べ物がセットで1050円(税込)の屋台きっぷが人気です。屋台と言えば、九州一の歓楽街中洲。那珂川沿いに屋台が並ぶ春吉橋付近は、アジアっぽい風情があります。芸能人がお忍びで来るなど観光客も多く、有名店のおでんや焼き鳥、飲んだあとのラーメンが人気です。冷泉公園付近も人気スポット。カクテルを飲めるバーや手羽先、うどんなどの屋台があります。天神は大通りに屋台が並び、渡辺通りはサラリーマンが多く、福岡駅周辺は女性やこども連れでも利用しやすい場所です。定番のラーメンやおでんもいいですが、てんぷら、ステーキ、タコス、野菜料理など、メニューで屋台を選ぶのも楽しそう。親富孝通り周辺は若者が多く、焼ラーメンの発祥の屋台があります。長浜地区といえばやっぱりラーメン。魚市場で働く人のために、細めん、替え玉システム、濃いめのスープが工夫されたとか。2016年に屋台の場所が移動しました。屋台から店舗になった店も多く、営業している屋台は9軒となっています。
日に日に変わる福岡の屋台事情。最新の店舗情報は協会公式のホームページなどで確認してからお出かけくださいね。