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幼児教育無償化の盲点!4月生まれ・早生まれの子は特に知っておきたい注意点

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幼児教育無償化の盲点!4月生まれ・早生まれの子は特に知っておきたい注意点

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2019年からスタートした幼児教育・保育の無償化。3歳から保育料が無償化され負担が軽減される、と思っているかもしれませんが、実は利用者負担額の全額が無償化されるわけではなく、また、保育園と幼稚園では無償化になるタイミングが異なることをご存じでしょうか?特に早生まれや4月生まれの子供がいるご家庭は知らずに「損した!」という気分になることも。注意が必要な幼児教育無償化のポイントを解説します!

幼児教育・保育園の無償化制度とは?

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幼児教育の無償化とは、少子高齢化対策として2019年にスタートした制度です。若い世代の子育てや教育にかかる金銭的負担を軽減するために、教育・保育の場である幼稚園、認可保育園、認定こども園などの利用料を無償化するというものです。

無償化の対象期間は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。施設に支払う費用のうち、教育・保育の利用料が無償化されます。所得制限はなく、住民税非課税世帯や年収360万円相当未満の世帯は、追加の補助が受けられます。特に住民税非課税世帯の場合、0~2歳児も無償化の対象になります。

幼児教育無償化、幼稚園と保育園での対象・時期の違い

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無償化の対象となるのは利用者負担額の全てではなく、施設に支払う金額のうち教育・保育に係る費用です。対象に入らない費用には、通園送迎費、給食費、教材費、延長保育費、行事費、制服費、PTA会費、入園料などがあります。

また、無償化の内容や対象となる子どもの年齢は、幼稚園や保育園、認可外保育施設など施設の種別で異なります。

幼稚園・認可保育所・認定こども園

認可保育所の場合、3~5歳児クラスの毎月の利用料が無償になります。幼稚園は月額2万5700円を上限に無償化されます。認定こども園の場合は、教育時間のみ(幼稚園と同じ利用時間)の場合は、幼稚園と同じ上限で無償化され、保育利用する場合は認可保育所と同じ扱いになります。前述したように、住民税非課税世帯であれば、0~2歳児クラスの毎月の利用料も無償です。

認可外保育施設等

認可外保育施設の場合、3~5歳児クラスは月額3万7000円までの利用料が無償になります。また住民税非課税世帯であれば、0~2歳児クラスも月額4万2000円を上限に利用料が無償化されます。一時保育やベビーシッター、ファミリーサポートセンターの利用も、認可外保育施設の利用に含まれます。

幼稚園の預かり保育

3~5歳児クラスで、預かり保育を利用する場合、幼稚園の利用料に加え、利用日数に応じて最大1万1300円まで無償になります。

就学前の障害児の発達支援施設

満3歳以降の4月1日から小学校入学までの毎月の利用料が無償です。幼稚園、認可保育所、認定こども園と併用する場合、ともに無償で利用できます。

無償化適用時期は保育園と幼稚園で違う!

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もう一つ注意が必要なのは、保育園・幼稚園の無償化適用はいつからかというタイミングの違いです。そのカギとなるのは、施設の区分ではなく「何号認定になるのか」という部分です。

子どもを保育施設に通わせる場合、1~3号に分かれて保育の必要性の認定を受けることになります。保育の必要性の事由には、保護者の就労や介護・看護、就学、疾病、妊娠出産などが当てはまります。

1号認定:3~5歳で家庭以外の保育を必要としない

幼稚園や認定こども園の(教育標準時間)の利用が対象となり、満3歳になった日から無償となります。

2号認定:3~5歳かつ保育を必要とする事由に当てはまる

認可保育施設、認定こども園(保育利用)、小規模保育施設が対象となり、3~5歳児クラスが無償化の対象となります。3歳児クラスとは、4月2日時点で3歳になっている子どもが入園できるクラスです。そのため、満3歳になったからといってすぐに保育料無償化の対象になるというわけではありません。

3号認定:0~2歳かつ保育を必要とする事由に当てはまる

認可保育施設、認定こども園(保育利用)、小規模保育施設が対象となりますが、全額無償となるのは住民税非課税世帯のみとなります。

保育園、4月生まれは損?早生まれはどうなるの?

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このように、保育園に通う子どもが3歳になったからといって、認定こども園や幼稚園と同じように、すぐに無償化の対象になるわけではありません。特に4月生まれや早生まれの場合は、無償化の対象となる期間が選ぶ施設によって異なるので注意しましょう。

4月生まれの場合

4月生まれの子どもの場合、3歳の誕生日を迎えても、3歳児クラスに入れるまでは保育料の実費負担が必要になります。認定こども園の教育標準時間利用や幼稚園であれば、3歳の誕生日以降の保育料が無償になります。

早生まれの場合

早生まれの子どもが保育園に通う場合、無償化対象外になる期間が短くなり、負担が軽くなります。一方幼稚園に通う場合、入園できる時期から満3歳になるまでは費用負担が発生します。

幼稚園と認可外保育施設を利用する場合の注意点

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幼稚園に通う場合、幼稚園の利用料と対象になるタイミングが異なることに注意が必要です。教育時間(昼過ぎ)までの利用であれば満3歳からの利用料が無償化の対象になります。しかし教育時間後の預かり保育を利用する場合の利用料は、3歳になった次の年度からが無償化の対象です。

認可外保育施設を利用する場合は、その施設が都道府県に届け出ており、審査監督基準を満たしているかどうかを確認しましょう。2024年10月1日以降、基準を満たしていない施設は無償化の対象外となります。

さらに、利用者は住んでいる市町村から「子育てのための施設等利用給付認定」(保育の必要性の認定)を受ける必要があります。就労証明や障害・疾病を証明する診断書などを添えて申請します。認定されていない期間は無償化の対象にならないので、早めに申請しましょう。

認可外保育施設の利用料は、利用者が市町村に申請して補助額を精算する「償還払い」が基本です。一旦は保育料の全額を支払う必要があることに注意しましょう。償還払いの申請には期限があります。市町村によって2カ月ごと、3カ月ごとなどの期間が設定されているので事前に確認しておきましょう。利用している施設から発行される領収書など支払いが証明できる書類を添えて申請すれば、約2カ月後に無償の対象額が振り込まれます。

子どもたちの保育料負担を少しでも軽くできる幼児教育・保育の無償化はありがたい制度です。ですがさまざまな条件があり、対象や上限額も異なります。ご自身の利用条件や無償化の対象となるのかなどを事前にしっかり確認し、幼稚園や保育園を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。