おせち料理に気品と華やかさを演出!初めての重箱選び
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日本のお正月に欠かせないおせち料理。ハレの日にふさわしい豪華な盛り付けをしたいですね。おせち料理を上品に、そして華やかに演出するのが重箱です。日本の伝統工芸品、漆器の重箱は、一生使いたい貴重な器。おすすめの重箱を紹介します。
おせちに漆器の重箱が選ばれる理由
おせちといえば、漆器の重箱に詰められた伝統的な和食というイメージがありますね。実は、このスタイルが始まったのは明治期以降のこと。全国的に広く定着したのは戦後になってからだそうです。
蒔絵や沈金の装飾がほどこされた漆器の重箱は華麗。リビングに置いてあるだけで、お正月というハレの日にふさわしい美しいインテリアに。「漆黒」と表現される艶やかな黒の持つ気品、内塗りに用いられる朱色の華やかさは、どんな料理でも上品に美しく引きたたせてくれます。
漆器の重箱がおせちの容器として優れているのは、装飾性だけではありません。重箱が使われるようになったのは室町時代ごろです。軽くて丈夫、通気性が高い木を材料に、中に料理を入れて持ち運べるよう、ふたつきで重ねられる機能的な形が工夫されました。
江戸時代になると、木地に漆を塗り重ねるようになり、重箱の丈夫さが増して、保温性や断熱性もアップ。食品の酸やアルカリにも強くなりました。漆には、天然の抗菌作用で中の料理が腐りにくくなる効果もあるので、おせちの容器にはぴったりですね。
現代では、天然木ではなく、合成樹脂の素材を使ってウレタン塗装をされた重箱が合成漆器として販売されています。質感や通気性などは漆器に及びませんが、安価に購入できて、漆よりも酸やアルカリに強い、食洗機が使える、冷蔵庫に入れておけるなど、扱いが楽なのがいいところです。
おせちの重箱は5段が一般的でしたが、最近は小家族向けの2~3段のものが人気です。6.5寸(約19.5cm)角の3段の重箱は、3~4人前くらいのおせちが入ります。大きめの重箱を仕切ってオードブル用として使うのもおしゃれです。今回は、漆塗りの重箱を紹介します。
代々で使い続ける価値がある!堅牢で華麗な輪島塗
天然木で漆塗りの重箱は高価ですが、歳月がたつとしだいに色が明るくなり、艶も増します。最高級品を探すなら、おすすめは輪島塗。生産地の中で、唯一、重要無形文化財の指定を受けています。
輪島塗の特色は堅牢さにあります。木地に布を貼り、「輪島地の粉」という珪藻土の焼成粉末を漆に混ぜて塗る「本堅地」の技法で丈夫に作られています。蒔絵や沈金の職人さんには日本美術展覧会等の受賞歴がある方が多いので、装飾性に優れていることも魅力です。歳月をかけて複雑な工程を経て作られた重箱は、代々伝えていく価値がある美術工芸品です。
紹介する重箱は、伝統的で優雅な扇柄の蒔絵が特徴。扇の中に「松・竹・梅」が描かれています。扇は末広がりの形から発展をイメージするとして、慶事に使われる柄です。正月を迎えるにふさわしい気品ある逸品です。
レトロモダンで個性的なデザイン♪「朱磨き」の会津塗
伝統的な天然木の漆器で、個性的なデザインの重箱を探すなら、400年の伝統がある会津塗はいかが。
会津塗の重箱は、主にホウの木を使って作られます。しっかりした木地の上に、「金虫喰(きんむしぐい)塗」、「花塗り」など多彩な技法を用いて、さまざまに加飾されているのが特徴です。
紹介する重箱に用いられている「朱磨き」も会津塗ならではの技法。 黒い漆の上に透明な漆で図案を描き、朱の粉をまいて着色し、さらに磨いて仕上げてあります。年代がたつほど、朱色は鮮やかになります。柄は「朱磨き」に多い菊桐で、高貴なイメージ。大胆でレトロモダンなデザインが魅力的ですね。
漆塗り&沈金で加飾された伝統的な重箱をお手頃価格で♪
近年では、山中漆器や越前漆器など伝統的な産地でも、合成樹脂素材や化学塗料を使った合成漆器の商品開発に力を入れています。合成樹脂に木粉を混ぜ合わせて作られた素材は、木と見分けがつかないことも。
紹介する重箱も、合成樹脂に木粉を混ぜ合わせた素材で作られています。本格的な漆塗りを重ね、沈金の装飾をほどこしてあるので、天然木の重箱と見た目が変わらず、天然木よりも手に入りやすい価格で買えます。溜とは仕上げに半透明な漆を塗って、下の色が上の漆を通して見える塗り方。使うほどに透明感を増して魅力的になりますよ。
朱色がアクセント♪洋風おせちにも似合う白木の重箱
洋風おせちにも似合う重箱を探しているなら、クールな黒一色、華やかな朱色など、単色使いのシンプルな重箱はいかがですか。
映画のシーンがきっかけで人気になったのが、越前漆器「松屋漆器店」の白木の重箱。内塗りの朱色がアクセントになっているタイプがおすすめです。タモをウレタン塗装でコーティングしてあるので扱いやすく、お正月はもちろん、運動会やパーティにも使えます。別売の仕切りを組合わせると、さらにおせち料理が詰めやすくなりますよ。小皿や小鉢を入れるのもおしゃれです。
今回はサイズが6寸前後で3段の商品を紹介しましたが、盛り付けを豪華にしたかったら8寸(約24cm)など大きめサイズに。漆器の重箱は、素材や塗装法によって、価格が大きく変わります。購入するときは、商品の表記で確認してくださいね。