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オンライン保活は浸透する?手続き負担や課題を経験者が考えてみた

経済とお金のはなし 織瀬 ゆり

オンライン保活は浸透する?手続き負担や課題を経験者が考えてみた

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保活が本当に大変だった、という話を一度は耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。未就園児を抱えながらの保活は親にかかる負担が想像以上に大きく、自治体によっては何度も窓口に足を運ばなければなりません。

そうした中、保活の負担を軽減しようと、2026年を目処にオンライン保活の仕組みを整えようといった動きが生まれつつあります。今回の記事では、オンライン保活の概要や保活の大変さ、またオンライン申請における課題についてお伝えします。

オンライン保活の運用に向けた検討が開始!

こども家庭庁は保活の負担軽減を目的とし、民間アプリを活用した保育園の見学予約や入園申し込みなど、一連の流れをオンライン化できるような仕組みを整えることを発表しました。オンライン保活が仕組みとして定着すれば、紙の申請書が不要となるほか、それほど手間をかけずに手続きを行えるようになります。2025年10月頃までに仕組みの整備を進め、早ければ2026年4月に保育園に入園する児童から運用を開始したいとのことです。

また2023年12月12日、上記に先立ち、東京都の一部自治体で2024年からオンライン保活を先行提供する旨を小池百合子都知事が発表しました。この先行実施を踏まえた上で、25年度以降に都内の他の自治体にも展開するとのことで、今後の動向に注視する必要があるでしょう。

保活の手続きは想像以上に負担が大きい

保活
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私自身、娘と息子で保活を経験しており、想像以上に大変だったことを覚えています。ここでは特に大変だと感じたポイントをいくつか紹介します。

入園申し込みにあたって、用意する書類が多い

保育園の入所に必要な書類は自治体によって異なりますが、ここでは東京都立川市を例に取り上げてみました。共通して必要となるものは以下の通りです。

また、看護や介護、疾病等を要件として申し込みをする場合、状況に応じて下記の書類を提出しなければなりません。

提出が必須となる4つの書類ですら記入事項が多いことに加え、勤務先によっては「就労証明書」の発行に時間がかかるケースも少なくありません。実際、夫の会社では交付を申請して手元に届くまで最長で1カ月程度の時間がかかってしまい、間に合わないのではないかとハラハラしたことを覚えています。また記入項目について今ひとつわかりにくい部分も多く、そのたびに電話で問い合わせをしなければならないほか、不備があった都度、再提出を求められるのがつらかったと話すママ友も多くいました。

また、自治体によっては郵送での受付をしていないところもあり、その場合には赤ちゃんを連れて開庁時間に役所を訪れなければなりません。そうしたことも保活の大変さのひとつといえるでしょう。

情報収集に手間がかかる

昨今ではホームページを開設している保育園も増えていますが、いまだにサイトが整っていないところも少なくありません。そのため、思ったような情報が手に入らず、何度か電話で問い合わせたこともありました。また、保育園の見学についてもそれぞれの園によって申し込み方法や期間、方法が異なります。複数の保育園のスケジュールを同時にチェックしなければならず、何度か見学の予約タイミングを逃してしまったことを覚えています。

園見学に時間がかかる

セキュリティ等の観点から、大半の保育園の見学は事前申し込みが必要です。また、人気がある園の場合、そもそも電話が繋がらず見学が締め切られてしまうことも少なくありません。また、妊娠中はもちろん、未就園児を連れての見学は、親にとっても子どもにとっても負担となります。小さい子どもほど、突然体調を崩してしまうことも多く、予定していた見学に急遽行けなくなってしまったという話もよく聞きました。前もって園に見学時間や時期を確認しておくほか、やむを得ない事情で行けなくなった場合の対策もしておくと安心です。

オンライン申請にはまだまだ課題が多い側面も

キーボードを触る女の子と頭を悩ます母親
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オンライン保活の仕組みが整うことによって、保活の負担が減ることは確かだと思う反面、オンラインに課題が多いとも感じています。筆者は東京在住ですが、つい先日オンラインで保育園の継続利用申し込みを行う機会がありました。その際、マイナンバーカードをスマートフォンで読み込むところまではスムーズにいったものの、スマホの小さい画面から必要事項を漏れなく入力することは想像以上に大変でした。結果的に1カ所の入力漏れで市役所から電話があり、再申請に。また1から入力し直さなければならず、窓口に行った方が早かったのではないかと感じてしまったのも事実です。

未就園児がいる、妊娠しているなどの状況下にある人にとってオンライン申請が便利な仕組みであることは確かである一方、使い勝手という意味でまだまだ見直すべきところも多いのではないかと思った出来事でした。オンライン保活の仕組みが整うタイミングで、そうした点も改善されていたらいいなと感じています。