いつも満席の人気炉端焼き
監修・ライター
炉端焼きといえば、完全なるオープンキッチンで、肉・魚・野菜などの食材を、炭火で焼いて出してくれるスタイル。昭和の頃にもっぱらサラリーマンの憩いの場として流行りましたが、数年前にその業態が再燃し、店造りやメニュー構成等の工夫もあって、最近では女性同士やデートで出かける人も少なくないほど、あちこちで人気を博しています。
ドリンクの”セルフ注ぎ”で割引OK「百式」
警固交差点近くの国体道路沿いにある「百式」もそんな店の一軒。料理人との距離の近さ、常時満席のお客さんの会話、そして元気一杯のスタッフの声が臨場感を醸し出しています。
カウンターの上にはあらゆる素材のメニューがびっしり掲げられ、注文するにも目移りしてしまいます。なにせ焼き物中心ですから、素材のクオリティが重要。店主があちらこちらの生産者や市場を訪ねていい素材を買い付けてきています。
また、自分で注ぐと割引になるセルフドリンクバーもあったりして、遊びごころが随所に見られるのも、人気の要因の1つでしょう。
目の前で七輪で焼いてくれる「炉ばた 雷橋」
もう1軒挙げるなら、大丸近くの路地にある「雷橋」でしょう。こちらは「百式」とは違ってカウンターのみ12席の小さな店。それもそのはず、ここはお客さんの目の前に七輪があり、その七輪を使ってスタッフが目の前で食材を焼いてくれるのです。
この「自分のために焼いてくれてる」というのがここの強みです。こちらは全国から選りすぐりの素材を仕入れていて、メニューを見るだけでも旅気分が味わえますよ。
席数が少ないだけに連日満席ですが、すぐ近くには「三光橋」という姉妹店もあり、こちらももちろんカウンターだけですが、少し席数は多めです。さらに、「雷橋」と同じビルの2階には「肉の雷橋」といって、肉に特化した炉端焼き店もあります。こちらは赤身肉を中心に15種類ほどの部位を揃えていて、それらを80gから10g単位でオーダーできるのが特徴です。
平尾の「タキビヤ。」、薬院の「五(ごん)」・・・まだまだある人気店
他にも平尾や今泉にある「タキビヤ。」、警固小前にある「五(ごん)」も同業態の人気店といえます。今では多くの居酒屋や和食店で取り入れられている「藁焼き」という手法を始めたのは、福岡では「タキビヤ。」がかなり早かったのではないでしょうか。また、囲炉裏の炭の周りを串刺しされた鮮魚や肉が囲んでおり、これぞ炉端焼きという風情です。
「五」は東京の炉端焼きの名店で修業した2人が一緒に始めた店ですが、1人が青森出身ということもあり、こちらではあまり目にしない東北や北海道の干物などを取り寄せているのも魅力です。もちろん地物の鮮魚もズラリと揃えているし、肉類もぬかりなしです。また、ここは最低2名から使用できる個室があるのもうれしいんです。
炉端ト酒 タキビヤ。
福岡市南区高宮1-14-17
どの店も飲んで食べて5000円は超えない大衆店(胃袋の大きさや酒量にもよりますが)。それでいて、このうまさと接客のクオリティはさすがです。気軽に行けて、ワイワイといろいろな料理を食べながら、ハイボールや焼酎をはじめとしたお酒を楽しめるこの業態は、特にいい食材が安く入手しやすい福岡では、これからもまだまだ盛り上がりそうです。