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月400円で保険料の10倍が返ってくる「付加年金」国民年金納付者はチェック!

そなえる 中村 賢司

月400円で保険料の10倍が返ってくる「付加年金」国民年金納付者はチェック!

pinkomelet/iStock/Thinkstock

あまり聞き慣れない「付加年金」という制度。実は、国民年金を払っている人であれば、誰もが加入でき、払う保険料やもらう年金額は数百円と地味な制度にもかかわらず、とてもお得でスゴイ年金です。

 

払った保険料は2年で元が取れて、長生きすればするほど得をします。20年掛けて、20年間受け取れば、ナント払った保険料の10倍も返ってきます。今回はそんな付加年金のメリットや注意点、具体例を詳しく解説していきます。

1.付加年金に加入できるのはどんな人?

ベンチに座る老人
 出典元:Ljupco/iStock/Thinkstock

国民年金を納めている20歳~60歳(第1号被保険者)と、65歳未満の任意加入被保険者が付加年金に加入できます。第1号被保険者とは、自営業者、学生、無職の方などで、会社員や公務員は加入できません。また第1号被保険者でも保険料が免除されている方や、国民年金基金に加入している方は、この付加年金に加入することはできません。(今回、国民年金基金の解説については割愛します)

任意加入被保険者とは、60歳までに老齢基礎年金の受給資格期間(25年、平成29年8月1日からは10年)を満たしていない、あるいは40年の納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合に、60歳以降も引き続き国民年金を払っている方のことをいいます。この任意加入被保険者も付加年金に加入することができますが、65歳以上の方は対象外です。

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2.付加年金のメリットは?

この付加年金は、国民年金の上乗せ年金で、国民年金を受給し始めてから死亡するまでの間、終身で受給することができます。加入は任意で、毎月の保険料は「400円」と手軽な金額。そして、毎年もらえる年金は、「200円×付加保険料を納めた月数」。簡単にいうと、2年で元が取れるとてもお得な年金です。

電卓と小銭
出典元:pimonpim/iStock/Thinkstock

では具体的な例でみていきます。

例)40歳の人が60歳までの20年間、付加保険料を納めた場合

【支払う保険料】
毎月納める保険料:400円
1年間に納める保険料:400円×12カ月=4800円
20年間に納める保険料総額:4800円×20年=9万6000円

【受け取れる年金額】
毎年もらえる年金額:200円×付加保険料を納めた月数(240カ月)=4万8000円
65歳から85歳まで20年間付加年金を受給した場合:4万8000円×20年=96万円

このように、付加年金は2年間で元が取れます。そして3年目以降は長生きすればするほど得をするというわけです。9万6000円払って96万円の年金を受け取ることができるので、なんと10倍になって返ってきます。

3.付加年金の注意点は?

付加年金は、国民年金と合わせて受給できる終身年金です。ただし、受給額は定額のためインフレなどに伴う物価スライド(増額)はありません。また、国民年金基金に加入中の方は、付加年金に加入できません。

付加年金の保険料の納付は、申し込んだ月からとなります。納付期限は翌月末日までで、納付期限を経過した場合は、期限から2年間であれば付加保険料を納めることができます。

何度もいうようですが、国民年金の上乗せ年金なので、国民年金が未納の方や免除されている方は加入することができません。

お申し込みは、お住まいの市区役所や町村役場の窓口へお問い合わせください。

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4.FP中村からのひと言アドバイス

年金について説明する人
出典元:milosducati/iStock/Thinkstock

今までみてきたように、付加年金はあまりデメリットがなく、むしろメリットばかりの魅力的な年金制度です。インフレによる物価上昇には対応していませんが、インフレリスクを気にしなければ、素晴らしいリターンが得られるので、検討してみてはいかがでしょう。

なお、毎月の支払いに余裕のある人は、国民年金基金への加入も視野に入れておきましょう。どちらか一方しか加入できないので、自分のライフプランに合った方を選んでください。注目度の高い「個人型確定拠出年金(iDeCoイデコ)とあわせて加入するのもいいですね。