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ブロックチェーンってどんなもの? ~消費者のためのわかりやすいFinTech(フィンテック)第7回

ためる 伊藤 志保

ブロックチェーンってどんなもの? ~消費者のためのわかりやすいFinTech(フィンテック)第7回

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目次

前回の仮想通貨の記事で取り上げた「ブロックチェーン」。

今や金融テクノロジーを語る上でブロックチェーンを避けて通ることはできません。ですが、ブロックチェーンの概念は複雑で難しい面があるため、今回はファイナンシャルプランナーとしての立場から、「ブロックチェーン」についてわかりやすく解説してみます。

▼前回記事
「今話題の仮想通貨って何?」消費者のためのわかりやすいFinTech(フィンテック)第6回

仮想通貨のベースとなっているブロックチェーン

世界市場
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ブロックチェーンは仮想通貨のベースとなっている金融テクノロジーであり、「分散型台帳システム」ともいわれています。

これまでの金融システムは、政府や金融機関などがその価値を保証し、集中管理する仕組みでしたが、ブロックチェーンの場合はその価値を保障する管理者がいません。

その代わり、P2Pという手段を使うことで国境を越えてネットワーク上で相互に監視し合いながら価値を保障する仕組みとなっています。

ビットコインの全ての取引は取引台帳に記録され、一定数ごとにブロックの中に収められています。そのブロックがチェーン上につながっていることからブロックチェーンと呼ばれています。

中央管理型の場合は管理者が破たんしてしまえば価値はゼロになりますが、ブロックチェーンではそのような事態を防ぐことが可能なのです。

わかりやすく言うと、例えば発展途上国の通貨は、その国が紛争やクーデターなどで無くなってしまえばお金の価値も無くなりますが、ブロックチェーンだと世界各地に台帳が分散されているため、国の存亡に左右されずにお金の価値を保つことができるのです。

ブロックチェーンにより変わる生活~エストニアの場合

スマホで決済
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ブロックチェーンテクノロジーの台頭は、私たちの生活にも大きな変化をもたらします。特に銀行とのやり取りや行政機関手続きに関しては、今よりもさらに便利に、そして手軽になっていくことでしょう。

ブロックチェーンをいち早く国家運営に取り入れたのは北欧の小国であるエストニアです。エストニアでは、国民ID(日本でいうマイナンバー)による管理が徹底しており、選挙の投票や各種証明書の発行などすべてオンラインで可能です。この国民データベースを医療機関とブロックチェーンで連携し、医療機関の受診なども国民IDと紐づけた上で、納税(控除)手続きもすべてオンラインで可能としています。

情報の改ざんが実質的に不可能なブロックチェーンだからこそこのようなシステム構築が可能となり、さまざまな行政事務が軽減された結果「小さな政府」が実現したのです。

同様の動きは日本国内においても徐々に構築されつつあります。実現に向けたハードルはまだまだ高いものがありますが、いずれ私たちの生活も変化していくことでしょう。

もし日本で、エストニアのような行政サービスが導入されたら・・・

ブロックチェーンイメージ
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では、もし例に挙げたエストニアのようなブロックチェーンを活用した電子政府が実現したら、私たちの生活はどうなるのでしょうか。

印鑑証明の発行や戸籍謄本の発行、選挙の投票、自動車の車庫証明など、すべて自宅のパソコンからオンラインで処理できるようになるでしょう。

あわせて、マイナンバー情報を登録したカードがあれば、そのカードを使って医療機関の受診や図書館での本の貸し出しも可能となります。

民間企業のデータベースと相互に連携することで、そのカード1枚であらゆるサービスを受けることが可能となるでしょう。あらゆるデータベースがブロックチェーンを介して連携することで、今私たちが何枚も持っている会員カードや診察券が1枚に統合されていく可能性があるのです。

正しい情報を見極めて判断することが大切

ビットコイン
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このように、ブロックチェーンを利用した仮想通貨は今後大きく飛躍する可能性を秘めています。

しかし、一方で通貨を管理したい側(いわゆる既得権益を守る側)からすると、ブロックチェーンの台頭はあまり好ましい状況とはいえません。現に中国では政府の管理が及ばないビットコインの取引停止措置が行われ、取引所も閉鎖となっています。

今後もさまざまな形で仮想通貨市場にインパクトを与える出来事が起こり得ますが、どの情報が正しくて、どの情報が意図的に発信されているものなのか、しっかりと見極める目が必要となってくるでしょう。


ブロックチェーンによる安全なデータベースインフラの構築は、このように私たちの生活をより便利に変えてくれる可能性を秘めているのです。

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