望むのは低リスクで安全な投資?それともリターン重視?タイプ別資産運用法
一口に資産運用といっても、方法はさまざまですし、運用に対する考え方によってもお勧めできる方法は異なります。今回はタイプの違う3人におすすめの資産運用方法をご紹介していきます。あなたはどのタイプでしょう?
一口に資産運用といっても、その方法はさまざまです。そこで今回は、タイプの異なる3人におすすめの資産運用方法をご紹介します。
あなたはどのタイプですか?
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1.「資産運用」にはこれだけ種類がある
まず最初に、さまざまな資産運用の方法を知っておきましょう。代表的なものは以下の通り。また、これらの商品を購入する窓口も、銀行、証券会社、保険会社、不動産会社、WEBサービスなどたくさんの選択肢があります。
銀行の「定期預金」・・・資産運用の中でも1番安全な商品が銀行預金です。ペイオフという制度があり、万一銀行が破綻しても1000万円とその利息分までが保証されます。しかし最近の預金金利は低く、0.01%~0.02%ほどです。ネット銀行等で金利の高いところでは、0.1%~0.2%程の金利を設定している銀行もあります。
外貨預金で代表的な「ドル預金」・・・同じ預金でも為替リスクを取ることができる人は、ドルなどの外国通貨で預金するのを考えてみましょう。円の預金に比べると金利は高めに設定されています。また将来円安になると為替益が発生するので、金利以上のリターンが期待できます。しかし逆に円高になると元本割れをしますので注意が必要です。
積立保険の代表格「養老保険」・・・ある一定期間お金を預けることができるなら保険会社が取り扱う積立保険の養老保険や年金保険が良いでしょう。途中で解約をすると元本割れすることもありますが、満期まで保有すれば1%程度の利回りが確保できます。
外貨で運用する「外貨建て保険」・・・預金同様円建ての保険よりは利率が高く設定されています。ドル建て保険のの場合、2%~4%弱ほどの利率を設定している保険会社が多いようです。この商品も為替リスクがありますので、円安だと得をしますが逆に円高になると損をします。
国にお金を貸す「国債」・・・預金金利よりも高い利回りを目指したい人には国が発行する債券「国債」がおすすめです。個人向け国債の10年ものは変動金利ですが、0.05%の金利が保証されています。日銀が少し利上げを示唆していますので、今後金利が上昇することも期待できます。
会社に貸すのは「社債」・・・国が発行している債券よりもリスクは高くなりますが、会社が発行している債券「社債」は、0.1%~2%と魅力的な利率です。ただし発行元の信用度も必ずチェックしておきましょう。債券投資をされる際は、S&Pやムーディーズの格付けを参考にしてください。
投資の代表選手「株式投資」・・・投資の代名詞ともいえる株式投資は、企業の未来に自分の資産を託すもの。その会社が成長すれば投資したお金は増え、配当金がもらえます。逆に企業の業績が悪ければ、元本割れすることもあります。また会社の業績が良くても、経済が悪化すれば株価が下がることもあるので注意が必要です。それとは別に株主優待も魅力のひとつです。
運用をプロに任せる「投資信託」・・・自分で銘柄を選ぶことができない場合は、銘柄選びをプロに任せましょう。投資信託は少額のお金で分散投資できることもメリットの1つです。投資先の企業を分散するだけでなく、国内外のマーケットに分散することもできます。株式投資と違うところは信託報酬といって、保有している間も手数料が掛かること。投資信託を選ぶ際には、手数料についてもチェックしましょう。
老後の年金作り「確定拠出型年金(イデコ)」・・・老後資金をじっくり貯めたい方には、確定拠出年金がおすすめです。確定拠出年金には個人型と企業型があり、自分で拠出した掛け金は所得控除の対象となるので節税効果は抜群です。まずは毎月拠出する金額を決め、次に運用する商品を自分で決めます。商品選定が難しいと敬遠されがちですが、FPが一押しする資産運用方法です。
目指せ大家さん「不動産投資」・・・今まで紹介してきたものと違い、現物資産に投資をする不動産投資は、リスクが高い分リターンも高い運用方法です。ワンルームマンション投資であれば、200万円位からスタートできます。アパート1棟やマンション1棟となると何千万円~何億円という金額になりますが、一部自己資金を投入してあとは銀行から借り入れて運用をしている人も多いようです。
証拠金取引の「FX」・・・外貨運用という点では外貨預金にも似ていますが、この運用方法は証拠金取引といって、自己資金を証拠金として差し入れ、その10倍や20倍の外貨を購入したり空売りしたりして運用します。そのため大きな利益を得ることもできますが、逆に運用に失敗すると証拠金を取られたりします。
今話題の「仮想通貨」・・・法定通貨と違い、発行元の保証がないのが仮想通貨です。2017年の年末にかけて、100倍や200倍にも高騰した仮想通貨があり一気に注目を浴びました。将来的にキャッシュレス時代が到来すると、こうした仮想通貨が使われることになるかもしれませんが、今はまだシステムが脆弱で、短期の売却益を期待した投機目的で買われていることが多いようです。
2. あなたはどのタイプ?3人のタイプ別にFPがおすすめする資産運用方法は?
■リスクは嫌い!安全重視のAさん
とにかく元本を減らしたくないAさんタイプには、定期預金か国債、円建ての積立保険がおすすめです。1年か2年の運用であれば預金か国債、10年以上の運用期間を長く取れる場合は養老保険や年金保険などもおすすめです。
■少し投資に興味があるBさん
投資初心者のBさんタイプには、債券投資や投資信託がおすすめです。債券投資では国債より利率の高い社債にチャレンジしてみましょう。投資信託は株式投資信託ではなく、債券中心で運用している商品を選ぶと良いでしょう。
また、為替に興味があるのであれば外貨預金や外貨建て保険も良いでしょう。
■積極的にリスクを取って増やしたいCさん
リスクを取って長期間運用できる資金に余裕のあるCさんタイプには、株式投資や不動産投資がおすすめです。資産三分法という言葉があるように、「現金」「株」「土地」の3つの資産に分けてリスクを分散するという考え方です。
それぞれにリスクはありますが、資産を大きく増やすことができる可能性もありますので、リスクが許容できるという方にはおすすめです。
3.FPの一押し資産運用方法はこれ!イデコで行う「積立投資」
資産運用の方法にはいろいろな手法や考え方がありますが、私がおすすめする一番の資産運用方法は、ズバリ「積立投資」です。
リスク(値動き)がある商品を毎月コツコツ積み立てていく方法で、景気が良いときも悪いときも同じ額を積み立てていきます。そうすると価格が高い(マーケットが好調)ときには少ししか買うことができませんが、価格が低い(不景気)ときにはたくさん買うことができます。
積立投資をしていて価格が下がってきたら急に怖くなり途中で積立をやめる人も多いようですが、そこはぐっとこらえて積立を継続してください。10年、20年と長い期間でみると購入単価が平均化されて利益が確保しやすくなります。
そんな積立投資に向いているのが「確定拠出年金(イデコ)」です。確定拠出年金には債券や株式の投資信託の他、不動産投資信託もあります。またリスクの低い年金保険などを組み入れている確定拠出年金もあるので、ぜひチェックしてください。
キーワードは「長期・分散・積立投資」です。