2019年に自動車を買うなら「増税前」と「増税後」損しないのどっち?
目次
こんにちは、FP(ファイナンシャルプランナー)の中村賢司です。
車がないと毎日の生活に支障をきたすという方も多いのではないでしょうか。日常生活や仕事に使うだけではなく、レジャーや趣味の道具としての要素もある自動車ですが、住居の次に高い買い物というご家庭も多いと思います。
2019年10月に予定されている消費税10%への増税が自動車の購入や自動車税などにどれぐらいのインパクトを与えるのか見ていきましょう。
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消費税増税後に変わる税金3つとは
10月からの消費税アップで自家用車の買い控えが発生することを危惧して、いくつかの自動車関連の税金が減税もしくは廃止されることが決まっています。
(1)自動車税 ⇒ 減税
毎年発生する税金として自動車税があります。
毎年4月1日現在の所有者に都道府県が課税するものです。
(総務省ホームページ、地方税制度より)
2019年10月以降に新車登録をした場合、毎年の自動車税が恒久減税として現行よりも継続して安くなります。
(2)自動車取得税 ⇒ 廃止
自動車取得税は50万円以上の自動車を取得した際に課される税金です。軽自動車は2%、それ以外の自家用車で取得金額の3%が課税されていますが、この自動車取得税が消費税のアップに伴い廃止されます。
(3)環境性能割 ⇒ 新しく導入
消費税増税の際に自動車取得税は廃止される見込みですが、良いことばかりではなく、増税と同じタイミングで新しく「環境性能割」の導入が予定されています。この環境性能割は、燃費性能の良しあしで税率が変わるという新しい制度です。購入年の自動車税および軽自動車税に上乗せして課税するというもので、燃費基準の達成度によって非課税~3%の税率が予定されています。
2019年から続々変わる!自動車関連の税金いろいろ
実は2019年度から自動車に関連する税金が頻繁に変化していきます。
2019年5月
エコカー減税(環境性能の高い車について税額を軽減する措置)の自動車取得税と自動車重量税の減税金額が縮小。適用は2019年5月1日~2021年4月30日に新車登録をしたもの。
2019年10月
消費税率が2%アップして10%へ。自動車取得税(2~3%)は廃止。10月1日以降に新車登録をした際に環境性能割導入(0~2%の軽減税率)。
2020年10月
環境性能割は「税率を1%軽減する」という軽減措置期間が終わり本来の税率の0~3%に。軽自動車税と自動車税のグリーン化特例縮小(グリーン化税制=自動車環境対策として環境負荷の大きい自動車には税率を重くし、環境負荷の小さい自動車には税率を軽くする税制)。
ただでさえ難しい税金がさらに複雑になりますね。
実際に自動車を買うときにはどんな税金がかかるの?
2019年7月現在、新車で自動車を購入する際に課税される税金を整理すると
(1)消費税
9月末までは8%、10月以降は10%です。例えば200万円の車両価格であれば差額は4万円です。その他の諸費用も税率が上がると値上がりします。
(2)自動車税
増税後に購入する場合、1500ccクラスで年間4000円の減税になります。10年間所有すれば消費税で増えた金額をギリギリ回収できそうです。ただし車両価格が高額な場合や排気量が大きな車であれば、減税分で消費税アップ分の金額を回収するのは少々難しそうです。
(3)自動車重量税
自動車重量税とは、自動車の区分や重量・経過年数に応じて課税され自動車(自家用乗用)の車両重量0.5トンごとに税額が増加します。環境性能に優れた車をエコカーと呼びますが、購入する車がエコカー減税対象車であれば重量税が減税されます。
(4)自動車取得税
自動車の購入価格50万円以上で発生します。10月の増税後には廃止される税ですが、代わりに環境性能割が導入されます。
エコカーは特に増税前の購入がおすすめ
税金の面から見たベストな買い時はいつでしょうか?
やっぱり増税前がおすすめです。電気自動車・ハイブリッド車・クリーンディーゼルなど環境性能が優れた車は増税前に購入することをおすすめします。それはなぜか?現時点で自動車取得税と自動車重量税がエコカー減税によって既に免税・減免されている車種は、増税後は単純に消費税分の金額が上乗せされてしまうからです。そのことを考えると早めに購入された方がトータルでの支払額は少なく済みます。
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自動車税の減税を考慮した、2019年自動車のベストな買い時はいつ?
税金だけで考えると、車の購入を近々予定されている方は「自分のニーズに合って、資金計画的に問題ない」ということであれば、やはり増税前に購入した方が良さそうです。ただし、車両価格・税金まで含めたトータルの購入費用で考えると、10月以降の増税に伴い発生する可能性がある、消費の落ち込み時のサービスを期待するのも一つかもしれません。
いずれにしても車の購入は大きな出費を伴います。各種の軽減策が考えられていますが、最終的にかかるコストは増える可能性が高いようです。車を買い換えようかなと考えている方は状況的にOKであれば早めの購入をおすすめします。