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不正受給は2倍納付のペナルティ!失業保険の受給についておさらい (2ページ目)

そなえる 内山 貴博

<基本手当日額の計算方法(離職時の年齢が30歳~44歳の場合)> ※厚労省職業安定局HP

賃金日額

給付率

基本手当日額

2480 円以上 4970 円未満

80%

1984 円~3975 円

4970 円以上 1万2210 円以下

80%~50%

3976 円~6105 円

1万2210 円超 1万4990 円以下

50%

6105 円~7495 円

1万4990 円(上限額)超

 

7495 円(上限額)

<基本手当日額の上限>                    

30歳未満

6750円

30歳以上45歳未満

7495円

45歳以上60歳未満

8250円

60歳以上65歳未満

7083円

失業保険の給付期間は、失業した時点での「算定基礎期間」つまり、雇用保険の加入期間と年齢によって異なります。また「自己都合」なのか「会社都合」なのかによっても異なります。自己都合とは自ら辞表を書き退職する場合です。一方、会社都合とは会社側の倒産や解雇が原因で離職した場合で、特定受給資格者ともいわれます。以下の表が最大受給期間をまとめたものです。

<自己都合・定年退職の場合の受給期間>

算定基礎期間

10年未満

10年以上20年未満

20年以上

全年齢

90日

120日

150日

<会社都合の場合の受給期間>

算定基礎

期間

1年未満

1年以上

5年未満

5年以上

10年未満

10年以上20年未満

20年以上

30歳未満

90日

90日

120日

180日

30歳以上

35歳未満

120日

180日

210日

240日

35歳以上

45歳未満

150日

240日

270日

45歳以上

60歳未満

180日

240日

270日

330日

60歳以上

65歳未満

150日

180日

210日

240日

自己都合および定年退職の場合は、年齢問わず90日~150日となります。一方、会社都合の場合は最長期間は330日となり、おおよそ1年受給することが可能です。該当するのは45歳以上60歳未満で20年以上算定基礎期間がある人です。

「ちょうど働き盛りで子供の教育費もかかり、住宅ローンも抱えている。そんな中、長年勤務していた会社から急に解雇通告を受けた」。こういった人には最大限配慮したいということから、最長の受給期間となっています。

なお、自己都合(定年退職)や会社都合のいずれも、最初の受給資格決定日から7日間は待期期間となり、支給されません。また自己都合の場合(定年退職は除く)は、さらに最大3カ月間の給付制限期間があります。

ですから「辞めたらすぐに失業保険がもらえる」と安易に退職という選択肢を選ばないようにしてください。1日あたりいくらぐらいもらえるのか事前に計算しておくことも大切ですが、いつからどれくらい給付できるのかという期間もしっかりと把握しておいてください。

5. こんな場合失業保険はもらえる?

職を探す女性
【画像出典元】「iStock.com/anyaberkut」

働く意思があるなど、一定の条件を満たした人が失業保険の給付を受けることができるのは、今まで見てきたとおりです。では、具体的に以下のような状況ではどうでしょうか?

5-1. 公共職業訓練を受けた場合には、すぐに失業保険がもらえる?
公共職業訓練とは、ハローワークで求職の申し込みをした離職者を対象に設置された、再就職を支援するための職業訓練学校です。自動車整備や介護サービスなど、職場で活躍できるためのスキルや知識を身に付けることができ、無料で受講することができます。

そしてこの職業訓練を受講している際は、失業保険の給付制限が解除されます。自己都合の場合は最大3カ月間、失業保険の受給が制限されますが、この制限が解除されるため「すぐに失業保険がもらえる」ということになります。

さらには受講中、受講手当や通学(通所)するための交通費にあたる通所手当がもらえるのも魅力的です。また長期間受講する場合は、一定の条件を満たせばその期間に応じて失業保険の受給期間も延長されるなど、まさに再就職をサポートしてくれる充実した内容となっています。

5-2. 失業保険受給中にアルバイトは可能?
失業保険はそもそも「安定した職業に就くための期間」一定の給付を受けることができる制度です。よって一時的なアルバイトなどであれば、失業保険を受給しながらでも働くことが可能です。自己都合の場合は受給制限期間もあり、その間、アルバイトで目先の生活資金だけでも稼ぎたいという考えを持つ人も多いでしょう。

ただし、そのアルバイトがどの程度の労働なのか?という点がポイントとなります。「一時的」といいながら長期間継続すると不正受給にもなりかねません。よって、アルバイトをする際は必ず事前にハローワークの担当者に申し出て、可能かどうか判断を委ねてください。

5-3. 家族の扶養に入ったら、失業保険は受給できる?
一番イメージしやすい事例は結婚です。ある女性が結婚を機に専業主婦となり、夫の扶養に入るとします。この際に失業保険を受給できるかどうか?ということですが、これは「専業主婦」になり、家事や育児を専業とする新たなポジションを見つけたこととなり、「求職者」とはみなされず、失業保険は原則受給できません。

ただし、健康保険の協会けんぽは以下のような定めがあります。
「被扶養者に該当する収入要件は、雇用保険等の受給者の場合、日額3611円以下であること」
つまり、失業保険の給付額が少ない場合は扶養に入ることも可能です。(健康保険組合等によって対応は異なりますので、事前にご確認ください)