女性が稼ぐ!変化する夫婦の働き方と家計の管理法とは
こんにちは。FP(ファイナンシャルプランナー)の白浜仁子です。
「育休時の収入減が気になりますが大丈夫でしょうか?」
「夫との家計の負担割合や管理の仕方はどうしたらいいですか」
最近は女性が正社員として稼ぎ続ける前提でのライフプラン相談が増えてきました。働き方改革の波の上で、女性の働き方も変化・多様化しています。今回は、令和時代をしなやかに生きるこれからの女性の働き方やお金についてみていきましょう。
【キャリアウーマン主婦が続出!?】 配偶者控除がお得になります。
2019年から国民年金が免除の女性とは?対象や期間、デメリットまとめ
出産後も仕事をしたい女性が急増!?
今、若い世代を中心に、夫婦ともにバリバリと稼ぐ「パワーカップル」が増えています。
男女共同参画白書の「共働き等世帯数の推移」によると、平成の前半は専業主婦家庭と共働き家庭がともに約900万世帯で拮抗していますが、その後共働き家庭が勢いよく増加しているのが分かります。平成29年にはさらに勢いが増し、共働き家庭は専業主婦家庭の2倍の世帯数となっています。(図1)
(図1)「共働き等世帯数の推移」(内閣府男女共同参画局、男女共同参画白書(概要版)平成30年版)
筆者が仕事で受けている相談内容と照らし合わせても納得です。以前は出産を機に退職を迷っているという相談が多かったのですが、最近は、妻が働き続けるマネープランを検討するケースが増えています。実際に、「子供の出生年別第1子出産前後の妻の就業経歴」でも有職者のうち出産後も仕事を継続している女性は増えており、その割合は50%超であることが分かります。おそらく直近では、もっと増えているのではと想像します。(図2)
(図2)「子供の出生年別第1子出産後の妻の就業経歴」(内閣府男女共同参画局、男女共同参画白書(概要版)平成30年版)
ただ、残りの50%弱は出産退職をしていることから専業主婦も少なくないことが分かります。それぞれの事情や価値観によるものだと思いますが、ここでは、改めて共働きと専業主婦のメリット・デメリットを考えてみたいと思います。
結婚したら共働き?専業主婦?それぞれのメリットとデメリット
私ごとですが、筆者自身は、結婚後引き続き仕事をしていました。しかし出産に難があることが分かり、妊活のために退職し専業主婦へ→出産→社会復帰を夢見てFP資格を取得→パート→FP事務所勤務→独立という道を歩みました。3人の子供をもうけ、長女が小学校に上がるタイミングでの社会復帰だったので仕事をしていない期間は6年。いくつかの立場を経験した女性として、実際に感じてきたことの一部を紹介します。
まず専業主婦のメリットは、家事や育児が行き届くこと。1日の始まりは朝食と弁当を作り、家族を送り出した後は洗濯をして布団を干して、そしてスーパーへ買い物。ときには子供のおやつを作り、夕飯は必ず3品以上。手の込んだ料理だって作ります。夕方には洗濯物をきちんと畳んで家の中は家族を迎える準備万端。家の中はいつもすっきりしていました。
それが、共働きになるとそうはいきません。お弁当のおかずがそのまま朝食になり、時間がないときはトーストだけということも。手作りおやつは最初から無理、疲れて帰ってきたときや帰りが遅くなったときの「夕飯を作らねば」というプレッシャーは半端ではありません。PTAの集まりに出られないことも増え、学校での出来事や子供の交友関係、先生のことなども情報不足になりがちです。子供の宿題も声掛けだけでちゃんと終わっているかの確認もしてあげられず、反省は多々あり・・・。これらが共働きのデメリットです。
一方、共働きのメリットもたくさんあります。専業主婦のように家事に時間がかけられない分、だんだんと家族が自立するようになりました(時間はかかりましたが)。夫の家事参加については、これまで何もしなかった夫が、土日だけ洗濯物を干してくれるようになり、それがだんだん洗ったり畳んだりもしてくれるようになりました。
そのうち平日も時々手伝ってくれるようになり、今では洗濯に関することはすべて夫に移行。干し方、畳み方にこだわりができたようで、私に触らせないくらいです(笑)。夫は「いつの間にか家事を寄せてきた」とも言っていますが、わが家は10年かけてこの形になりました。妻がやるのが当たり前のアラフィフ世代にしては、上出来ではないかと思います。
ただ、若い夫婦の感覚はアラフィフ世代とは少し違うようです。共働きなのだから家事分担をすることは当たり前だし何の疑問もない、という感覚に驚きます。私の場合、一度、専業主婦を経由したから家事分担が大変だったともいえますが、間違いなく若い夫婦は感覚が違います。時代の流れですね。
子供たちは、自分たちで力を合わせて、「取りあえず何とかする」ことを覚えました。それに持ち帰った仕事をしていると後ろから肩をもんでくれることもあり、母親が働くことに何かを感じてくれているのではと思っています。先生から心配されることもしばしばで、優等生という言葉の反対側にいるような子供たちですが、それでも母親が働くことは子育てにプラス要素があると感じています。私自身も、社会復帰で世界が拡がり、悪戦苦闘しつつも、やりがいを感じ楽しく過ごしています。
令和時代の女性のお金管理~ライフプランについて
先日、金融審議会市場ワーキング・グループによる報告書『高齢社会における資産形成・管理』が公表されました。今話題の老後資金2000万円問題です。そこには年金生活を迎えるまでに夫婦で1300万円~2000万円準備すべきと記されています。賛否両論ありますが、私を含め多くのFPは、以前から公的年金だけでは不足することを伝えていますし、さらには2000万円では心もとないという感じもあります。
いずれにせよ、老後を豊かに過ごすには、働けるうちは夫婦で稼ぎ、公的年金をそれぞれがしっかりもらうプランを目指したいところです。人口減で年金制度がある程度縮小してしまうことに備えるため、今のうちに稼ぐことは何より効果的です。
共働きのライフプランは、家事の分担や生活費の負担割合、貯蓄の仕方が課題です。お財布が2つあり、専業主婦家庭よりも余裕が生まれますが、夫婦とも外に出ているので、被服費や交際費など支出がそれなりに発生します。あまり考えずにお金を使っていると、貯蓄がないまま教育費のピークを迎えたり、老後資金の準備が進まなかったりするので注意が必要です。
たとえば、夫婦間の収入のバランスや生活する上での役割分担をふまえて、家賃と光熱費の支払い、高校までの子供の学費は夫、日々の食費や日用品、子供の塾や習い事代は妻、などと分けるのもいいでしょう。
同時に、まとまった資金が必要な大学の費用やマイホームの頭金、老後資金などの準備も貯蓄目標を決め、夫婦それぞれが準備すべき金額を決めます。1年ごとにお互いの貯蓄状況を確認するなど一定のルールを作っておくことがライフプラン実現の秘訣です。
【キャリアウーマン主婦が続出!?】 配偶者控除がお得になります。
2019年から国民年金が免除の女性とは?対象や期間、デメリットまとめ
パワーカップル。ちょっとやそっとでは倒れない強そうなネーミングです。これからは、女性の社会的地位がさらに変化していくことでしょう。また、一度退職をし専業主婦になった場合でも、資格取得などキャリアアップに努めておくと社会復帰がしやすくなります。多様化する女性の働き方。令和時代をしなやかに。私も頑張ります。