転職にベストタイミングはある?気を付けたいお金のことも
近年は就職してから現役を引退するまで、一つの企業で勤務するということの方が珍しくなってきました。筆者も転職経験がありますし、読者の方でも既に転職経験済みの方も多いでしょう。今回は転職に関して考えてみましょう。転職を考える際に気を付けておきたいお金のことについてもお伝えします。
転職か今の会社に留まるか、ライフプラン3.0時代のキャリア術
【1】転職理由2位は「給与」、1位は?
さて転職をするにしても何かきっかけがあると思います。日本最大級の総合転職支援サービス『エン転職』の調査では、1位は「やりがい・達成感を感じない」という理由になり、2位が「給与が低い」という回答となっています。(複数回答可で聞き取り)
転職経験のある方は思い当たるものがありますか?ちなみに3位が人間関係、4位は成長感の無さとなっています。
1位 やりがい・達成感を感じない 40%
2位 給与が低い 36%
3位 人間関係が悪い 26%
4位 自分の成長が止まった・成長感がない 24%
『エン転職』1万人アンケート(2020年8月)「転職のきっかけ」実態調査
転職を考える時に何を求めて転職するのかをよく整理してみましょう。
転職の理由が給与なのか労働時間や休日のことなのか、はたまた勤務地や通勤時間なのかなど、一人ひとり優先順位は変わってくると思います。またキャリアアップを求めるのか、まったく違う業種に飛び込むのかなどさまざまな要件が関係してくると思います。その上でどのように働くのか条件を整理していかないと、「こんなはずではなかった!」ということになりかねません。
20代と30代、30代と40代では求められるスキルが違う
20代であれば社会経験やスキルも含め、「まだまだ勉強が必要」ということで業界未経験者も採用対象にしている企業は多いのですが、30代や40代であれば事情が異なります。
基本的には採用する企業にとっても中堅クラス・即戦力を採用する=30代や40代を採用したいという背景がありますので、ここを見誤ると上手くいかないことも多いでしょう。知識や技術、マネジメント力などの経験値などが重要視されますので30代以上の方は20代の転職とはワケが違うことを覚悟しましょう。
【3】退職はいつまでに伝えるべき?
転職するとなれば、今勤務をしている企業に退職することを伝える必要があります。期間の定めのない雇用契約の場合は、退職2週間前までに退職届を出せばよいことになっていますが、社会通念上は最低でもひと月前までには伝える必要があります。
基本的には上司に退職の意向を伝え、退職が決まったら、有給休暇を消化しながら、後任のための業務引継ぎや関係各所との調整を行うことになります。
【4】転職のベストなタイミングとは?
さまざまな求人情報や転職サービス、人材派遣の動向を見ると、中途採用が活発なのは、3月と9月としているところが多いようです。これは会計年度が4月始まりの企業が多いことも関係しているのでしょう。
4月始まりの企業ならば、3月は新年度に向けて退職・採用も動くことになりますし、9月であれば上半期の終わりという区切りもあるでしょう。退職するなら夏のボーナスをもらってから、という考えの人もいるかもしれませんね。
【5】転職を考える際に気を付けたいお金のこと
転職時の活動費や生活費などお金のことも忘れてはいけない大事なことです。
1.転職活動中の生活資金はちゃんと用意しよう
転職期間中も生活費がかかりますし、転職活動そのものにも費用がかかります。退職時に次の勤務先が決まっているとしても、新しい勤務先からの給与が入るまでの空白期間があるので、最低でも2~3カ月分の生活費を用意しておくようにしましょう。
2.健康保険や住民税も忘れずに
次の勤務先へ移るのに1日も空白期間がないのであれば問題はありませんが、もし空白期間があるのであれば健康保険から国民健康保険に切り替える手続きが必要です。また給与からの天引きにはならず、自分自身で支払う必要があります。これは住民税も同様です。
3.失業保険はすぐにはもらえません
雇用保険制度から支給されるいわゆる失業保険ですが、この失業保険からの給付はすぐにはもらえません。会社都合での退職であれば7日間の待機期間で済みますが、自己都合の場合は7日間の待機期間に加えて3カ月の給付制限期間があります。つまり失業保険だけをアテにしてると大変なことになるということです。
転職活動もお金がかかりますね。
参考:知らないと赤っ恥、失業保険の受給額や期間、条件、手続き総ざらい
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【6】まとめ
仕事は人生のすべてではありませんが、大部分を占めているのも事実です。自分のやりたいこと・キャリア・給与など、ご自身で大事にしていることの優先順位に応じて仕事を変えることは良いことだと思います。
ただし「前の方が良かった」なんていうこともよく聞きます。とくにタイミングを計る必要はないと思いますが、月によって企業の採用意欲が旺盛であったり消極的であったりということがあるので少し気にしておく方が良さそうですね。