ゲーム世界を造り上げる夢の仕事「ゲームプログラマー」。ゲーム人口の増加により、性別や年齢問わず注目が集まっている職業でもあります。

さて、ゲームプログラマーというのは具体的にどのようなことをする職業なのでしょう。

本記事では、ゲームプログラマーの仕事内容、やりがい、また収入事情などについてお伝えしていきます。

ゲームプログラマーとは？

ゲーム内に広がるフィールド・キャラクター・エフェクトなどは、すべてデータ（プログラム）によって成り立っています。

たとえば「このフィールドにこんなギミックを作ってほしい」、「このキャラクターのモーションはこのような動きにしてほしい」、「戦闘システムはこのような構造にしてほしい」といったように、ゲームディレクターやデザイナーなどからさまざまな要望が出されます。

そういった要望を、プログラミングをして形にしていくのが「ゲームプログラマー」の役割です。

社内で出されたイメージを、実際にデータ上で具体化していくのはゲームプログラマーであり、いわば職人的な仕事ともいえます。

仕事内容は？

ゲームプログラマーの仕事内容は、プログラミング作業がメインです。

C系言語（C、C++、 C#）、Java、PHP、Pythonなどのプログラミング言語を用いて、ゲームをプログラミングしていきます。

完成後のプログラムに誤作動がないかをチェックするデバック作業や、リリース後のゲームにおける機能改善や機能追加を行うのもゲームプログラマーの仕事です。

企画会議などに参加し、「内容的にプログラミングが可能かどうか」、「仕様が間違っていないかどうか」などをプログラマー視点で助言、提案したりすることもあります。

また小さなゲーム会社などでは、たとえばゲームプログラマーがシナリオの一部を書くなど、プログラミング以外の部分を任されることもあるようです。

ゲームプログラマーのやりがいって何？

自分の手でゲーム世界を作れる

ゲームデザインやストーリーなどの案を考えるのはディレクターやプランナーの仕事ですが、それをベースに最終的にゲームを形作るのはゲームプログラマーです。

自分の作ったプログラムがゲーム世界を動かすことになるので、ゲームが好きな人であれば大きな喜びを味わうことができます。

またゲームというのは、一般ユーザー向けの商品であるため、業務システムを開発するIT系のプログラマーに比べると、仕事の成果を実感しやすいのが特徴です。

昨今はSNSの普及によりユーザーの感想や評価もより見えやすくなり、自分の作ったゲームで楽しんでいる人が多いと、プログラマーとしてこの上ない達成感を味わうことができます。

多くの人と協力して進める楽しさ

ゲームプログラマーは1人単独で働くのではなく、何人ものプログラマー同士でチームを組んで仕事を進めるのが基本です。

さらにゲーム開発プロジェクト内には、プログラマーチームだけでなく、シナリオチームやデザインチームなどさまざまなチームが存在します。

そのような多くの人たちと協力や調整をしながら、一つのゲームタイトルを造り上げていくことになりますので、周囲と目標を共有し皆で達成する喜びを味わうことができます。

確たるスキルが身に付く

ゲームプログラマーとして働くほど、プログラミングスキルや開発実績が蓄えられていきます。

プログラマーはスキルや実績が武器となる職業でもあるため、高度なプログラミング技術を習得すれば、より大手のゲーム会社に引き抜かれることもあり、フリーランスとして腕1本で働いていくことも不可能ではありません。

そのように着々と成長していける職種であるため、「自己研磨したい」、「手に職となる技術を身に付けたい」といった人であれば、やりがいやモチベーションを保ちやすいです。

ゲームプログラマーの年収はいくらぐらい？

一般的な平均年収の目安

ゲームプログラマーの平均年収の目安は次のようになります。（クリーク･アンド･リバー社調べ）

＜ゲームプログラマーの年収目安＞
コンシューマーゲームのプログラマー・・・年収約300万円～400万円
ソーシャルゲームのプログラマー・・・年収約350万円～450万円
※「コンシューマーゲーム」とはNintendo Switch、PS4のような家庭用ゲームを指す。「ソーシャルゲーム」とは、スマホゲームやブラウザゲームなどを指す。

平均年収の水準は、コンシューマーゲームよりもソーシャルゲームの方が若干高めです。

ソーシャルゲームの場合、コンシューマーゲームのように一度ゲームをリリースしたらそれで終わりではなく、その後もアップデートによって継続して利益を生み出していけるため、社員への報酬も高くなりやすいようです。

また、財団法人デジタルコンテンツ協会*が2010年に公開した「デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究」では、ゲームプログラマーの平均年収は464万1390円という調査結果も出されています。

*財団法人J K A デジタルコンテンツ制作の先端技術応用に関する調査研究 

年収はさまざまな要因で変わる

ゲームプログラマーの年収は、会社規模・役職・働き方などによっても変動します。具体的には次のような要因により年収がアップすることがあります。

＜ゲームプログラマーの年収アップの要素＞
・一般的に大手ゲーム会社の方が年収水準は高め
・同じゲーム会社でもチーフプログラマーやチームプログラマーに昇進すると年収水準は高まる
・残業代やヒット作の成功報酬　　など

身近な点としては、ゲーム業界は長時間労働の多い業界であるため「残業代」が給料の底上げにつながることもあります。ただし「裁量労働制」などを採用し、残業代が十分にでないゲーム会社も少なくはないため注意が必要でもあります。

また手掛けたゲームタイトルがヒットすると、開発プロジェクトのメンバーに特別報酬を還元する会社もあります。

フリーランスは年収1000万円を越えることも

ゲームプログラマーは、スキルを磨けば「フリーランス」としても活動しやすい職種です。

ゲームプログラマーのフリーランス向け案件の中には、月単価80万円、100万円を越えるものもあり、実力次第では年収1000万円越えを狙うことも不可能ではありません。

ただし、フリーランスはよくも悪くも実力主義の世界となるため、スキルが乏しいとサラリーマン時代より収入が減る恐れもあります。
 

ゲームプログラマーになるには

ゲームプログラマーとして働く上では、「プログラミング能力」が半ば必須となります。

そのため未経験者の場合は、大学・専門学校・スクールなどでプログラミングの基礎を学んだ上で就職するのが一般的です（ただし独学でプログラミングを学び就職する人もいます）。

ゲーム業界は、「学歴」はあまり重要視しない業界として有名です。

とはいっても、大手ゲーム会社の新卒採用などでは、学歴も一つの評価要素としてみる会社もありますので、大学に進学した方が確実です。

未経験求人もあり

人手の足りていないゲーム会社などでは、全くの未経験者を採用し、ゼロから育てるケースもあります。

また最初はデバック作業のアルバイトなどで入社し、正社員のプログラマーに昇進していく人もいます。

そのようにゲーム業界の入り口は広めであり、未経験でも入るチャンスはあります。

ただしプログラマーは専門的な技術を扱う職種でもあるため、たとえ未経験採用であったとしてもある程度のプログラミング知識は備えておいた方が賢明です。

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このようにゲームプログラマーは、プログラミングスキルを用いてゲームを作る仕事です。ゲームが好きであり、かつプログラムやシステム構造などに興味がある人に最適な仕事といえます。

ソーシャルゲームの普及により、ひと昔前よりもゲームプログラマーの活躍の場は広がっていますので、実力次第では大きく稼ぐことも不可能ではない職業になってきています。