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2020年注目の裁量労働制とは?残業代はまったくつかない?

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2020年注目の裁量労働制とは?残業代はまったくつかない?

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2018年6月29日に成立した働き方改革法案により、2020年4月からは中小企業でも残業時間の「罰則付き上限規制」が始まりました。そこで注目されているのが「裁量労働制」です。

この「裁量労働制」という言葉。あらためて「説明して」と言われると、うまく答えることが難しいですよね。実はよく分かってなかったりしませんか?裁量労働制とはどういう内容なのか、制度とそのしくみを理解しましょう。

裁量労働制ってなに?

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裁量労働制とは、実際働いた時間を問わず、事前に決めた時間に働いたと「みなす」勤務体系です。想定される残業時間分の残業代(固定残業代)を、残業をしてもしなくても、あらかじめ月給に加えて支給されます。

裁量労働制のメリット

裁量労働制のメリットは、時間の融通が利くことです。勤務時間を個人の裁量で自由に設定できるため、業務内容に合わせて効率よく業務に取り組むことができます。

裁量労働制のデメリット

固定残業代以上の残業をさせて、その超過分は支払わないという悪質な労働状況も生まれていて、しばしば問題になっています。裁量労働制においては、求められる目標が高くて、達成するために長時間労働になってしまうといった、業務量と労働時間のバランスが取れていないケースがあります。

どんな業種にも採用できる?

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働き方の多様化を促す「働き方改革」によって、裁量労働制は注目されていますが、制度を活用できる職種は限られています。時間管理がしやすい仕事ではなく、制作、企画、分析、研究などといったクリエイティブな側面のある職種が対象になります。

裁量労働制には、専門業務型裁量労働制(※1)と企画業務型裁量労働制(※2)があります。専門業務型裁量労働制では、新商品・新技術の研究開発やコピーライターの業務、弁護士や建築士の業務を行う担当者が対象になります。

企画業務型裁量労働制では、経営企画、人事・労務、財務・経理、広報、営業、生産を担当する各々の部署における業務のうち、調査及び分析を行い、企画・計画を策定する業務を行う担当者が対象になります。

会社が制度を採用したい場合、会社側が一方的に勝手に導入することはできません。まずは労使で話し合い、お金の面など条件を決めた上で、労働基準監督署に届け出ることになります。

※1:厚生労働省「専門型裁量労働制」

※2:厚生労働省「企画業務型裁量労働制」

裁量労働制の疑問。残業代はまったく請求できないの?

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残業代を含めた給与を支払われているという裁量労働制ですが、以下のケースでは残業代が支払われます。

1)みなし労働時間を超える残業があった場合

法定労働時間は1日8時間です。事前に決めたみなし労働時間が「1日9時間」と規定されているなら、1日につき超過した1時間分はみなし残業代(固定残業代)として支給されています。みなし残業時間を超えて働いた分は、別途残業代としてお金を請求することができます。

2)休日、深夜の労働分

裁量労働制で決められているのは、所定の労働日(平日)の労働時間のみで、深夜勤務、休日勤務は別です。規定に沿って「割増」された賃金を請求できます。

このように、裁量労働制は自分の裁量で労働時間を長くも短くも調整できるので、職種によって有益な働き方ができるのが良いところです。

反面、超過勤務を「みなし労働」と認識されてしまうことがあります。長時間労働になっている場合はそれを当たり前としないで、いざという時のために毎日の勤務時間はメモでもいいので記録しておくと良いでしょう。