無痛分娩費用は保険適用外?高額療養費や医療費控除は適用できる?
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出産の痛みを麻酔で和らげる無痛分娩。有名人や芸能人が無痛分娩を選んだと話題になったこともあるため、知っている人も多いと思います。欧米主要国では一般的であるため、今後日本でも無痛分娩が浸透していくかもしれません。
ただし、通常の分娩と違い、費用が高額になるのでは?出産リスクが高まるのでは?副作用は?といった疑問もあり、不安を感じている人もいるようです。
今回は、無痛分娩の現状を踏まえ、医療保険の適用になるかなど出産に関する気になるお金事情について紹介します。
無痛分娩とは?どのくらいの人が行っているか世界とも比較
無痛分娩は、麻酔によって陣痛の痛みを緩和し、分娩する方法です。母体に心臓疾患がある場合などに行われますが、現状ではほとんど本人の希望に応じて、実施されています。ただし、まだまだ日本では一般的ではなく、日本の無痛分娩率は5.3%で他国と比べて非常に低い傾向にあります。日本産婦人科医会「分娩に関する調査」によると、約3割の病院や診療所が無痛分娩を取り扱っていますが、実際は多くの人が無痛分娩以外で出産していることになります。
平成29年度厚生労働特別研究事業 会議資料より
一方、アメリカやフランスは無痛分娩での出産が他の方法よりも高い比率であることが分かります。医療体制のみならず、出産に関する国民性や価値観の違いが色濃くでているのでしょう。日本では無痛分娩を行った母児の死亡などが報道されたこともあり、無痛分娩によるリスクを警戒する人がいることも、無痛分娩の割合が低い要因の1つと言われています。
なお、「無痛」とありますが、完全に痛みがなくなるわけではなく、痛みを和らげてくれるものです。全身麻酔ではないため、完全に麻酔で眠った状態で出産するわけではありません。麻酔の効く程度も個人差が大きいため、実際に経験した人の無痛分娩に対する見解もさまざまです。誰か1人の意見ではなく、幅広く知見を深めていくことが大切だと思われます。
無痛分娩は原則「医療保険の適用外」、適用になる条件とは
無痛分娩かどうかにかかわらず、出産は病気ではないため、通常は保険の対象とはなりません。つまり健康保険証を提示することで医療費の3割負担となるわけでもなく、民間の医療保険の入院給付金や手術給付金も給付されません。
ただし、難産になった場合などに行う吸引分娩や帝王切開など、異常分娩に該当した場合は保険の対象となります。これは通常分娩であっても無痛分娩であっても同じです。
無痛分娩は通常の分娩と違い麻酔をはじめとした処置費用が上乗せされるため、通常の分娩より出産費用は高くなります。各病院のホームページを調べてみますと、平均的に10万円ほど上乗せされるようです。事前に病院で費用などを聞いた上で検討してください。