クリーニング代を下手にケチると逆に損する?上手な服の保管法とは
洗濯代行サービス会社が2019年に行った調査では、「シーズンオフした衣類をクリーニングに出さない」と答えた人が、全体の6割を超えました。理由の1位は「面倒くさい」から。確かにクリーニングに出さなければ、時間も手間もお金もかかりませんが、大切にしている服ほど出さないことでかえって損をしてしまうこともあります。その理由と、正しい冬物衣類の保管方法を探ってみましょう。
(参照:せんたく便「衣替えに関するアンケート調査」)
なぜクリーニングしないと損をするの?
春に衣替えし、秋に再びその服を取り出したとき、黄ばんでいた、穴が空いていた、カビが生えていた・・・という経験をした人は多いのではないでしょうか。
この黄ばみや穴、カビの原因は、衣替え前に十分に落とせなかった汚れにあります。洗濯機で落とせなかった汚れが生地に浸透し、押入れの中で黄ばみやカビとなるのです。さらに、衣類に付く虫が汚れを餌にして、生地に穴が空く原因にも。スーツのクリーニング価格は1000~2000円ほどなので、これをケチったばかりにスーツに穴が空いてしまったら、かえってダメージが大きいですよね。
これを防ぐには、衣替え前にしっかり汚れを落とすことが大切。クリーニング店に出せば、素材や汚れにあった洗い方をし、目に見えない汚れもバッチリ落としてくれますよ。
衣替えの時期と正しい保管方法
面倒な衣替えですが、正しい方法で行えばスムーズに収納でき、さらに衣類を長持ちさせることもできます。そのために押さえておきたいポイントを説明します。
①時期
春の衣替えは4~5月、秋の衣替えは9~10月が一般的。地域やその年の気候でも適切な時期は変わるため、最高気温が22℃を超えたら春の衣替え、15℃を下回ったら秋の衣替えというのが目安になります。
②準備
収納前に、必要な衣類と処分する衣類の分別、しまい洗いなどを行います。しまい洗いのときは、必ず事前に洗濯表示のチェックを。洗濯表示に合わせた洗い方をしましょう。洗い方については後述します。
③保管
保管する場所を掃除し、ホコリやカビを取り除いておきます。クリーニングに出した服は、通気性をよくするためにビニールを外して保管します。また、防虫剤を使うときは衣類よりも上に設置しましょう。防虫成分が上から下に行き渡ります。ゆとりを持って詰める、シワになりやすいものは吊るすというのも大切なポイント。
保管前の上手なしまい洗い(クリーニング)の方法
しまい洗いには、クリーニング店に出す方法とホームクリーニングする方法があります。どちらがよいのか、ポイントを押さえ、上手な保管につなげましょう。
自宅で洗濯できるもの・できないもの
おしゃれ着用洗剤があれば、「家庭での洗濯禁止」「ドライクリーニング」の表示がついていても自宅で洗える素材のものがあります。自宅で洗える素材は、ウール、アンゴラ、レーヨン、ポリエステル、麻、カシミヤ、シルクなど。洗えない素材は合皮、革の素材などです。そのほか、コートやスーツ、お気に入りの衣類などは、クリーニングに出すことをおすすめします。
クリーニングに出すコツ
クリーニングに出す前に、破れや穴がないか、ボタンがちゃんとついているか、ポケットに何も入っていないかなどを確認してください。シミがあれば、出すときに申告しておきます。最近は宅配クリーニングや、クリーニングしたものを保管してくれるサービスも増えてきています。サービスの範囲を確認してうまく利用すれば、保管場所の確保や時間の節約にもなりますね。
ホームクリーニングのコツ
「ドライクリーニング」の表示がなければ普通の洗剤、表示があればおしゃれ着用洗剤で洗濯します。おしゃれ着用洗剤の場合、必ず洗濯ネットを使用して洗いましょう。汚れがひどい場合は手洗いがおすすめ。どちらの場合もラベルにある洗剤の量を守って洗濯し、干すときは形を整えて陰干しします。
保管した衣類は、しまいっぱなしより、カラッと晴れた天気のよい日に扉を開けて風を通すと、カビや虫がつくことを防ぐことができます。せっかく手間をかけて保管した大切な衣類、きれいな状態をキープできるよう、保管中もたまに気を配ってみてくださいね。