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フードロス削減にも!野菜を育ててシェアできる「growSHARE」とは?

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フードロス削減にも!野菜を育ててシェアできる「growSHARE」とは?

「N_studio- stock.adobe.com」

ご近所農家をご近所住民が応援しながら、新鮮な野菜や農風景を楽しめる住宅地「agrihood(アグリフッド)」が米国で注目されています。住民同士が地元の農業を支えるコミュニティのあり方は、これからの新しい農業の形としても期待されているのです。

日本でも、野菜を育てる人と野菜が欲しい人をつなぐ動きが注目されており、フードロスを支える新しい通販としても話題を呼んでいます。

今回は、フードロスを防ぐ仕組みとしても注目されている、コミュニティ型のサイト「growSHARE」についてご紹介します。

アグリフッドとは

【画像出典元】「JackF- stock.adobe.com」

アグリフッドとは「アグリカルチュラル・ネイバーフッド(Agricultural Neighborhood)」の略で、農業を基盤とする住宅コミュニティのことです。アメリカで注目されている仕組みで、農園関係の設備と住居が一つの地域に整備されます。

大都市からあまり離れていない場所に作られることが多く、住民が共同使用できる菜園やキッチンがあって、住民同士がボランティアで農作業を行なったり、農園体験をしたりします。住民は、農業を支える代わりに新鮮な野菜を収穫でき、収穫物を使ったパーティやバーベキューをして住民同士の交流を深めています。

既にアメリカでは100を超えるアグリフッドの整備が進んでおり、区域内の農場を貸し出して新規就農者の育成を行っているアグリフッドもあります。

【画像出典元】「buritora- stock.adobe.com」

日本でも畑付きの賃貸住宅を整備したり、市街地で農業をする「都市農業」を進行する計画が策定されるなど、農業を核としたまちづくりを推進する動きが出てきています。

野菜を通してコミュニティの輪を広げ、フードロスを防ぐ「growSHARE」

アグリフッド的な動きの一つとして注目されているのが、野菜を作る人と野菜が欲しい人をつなぐプラットフォーム「growSHARE」です。

農業
【画像出典元】「Halfpoint/Shutterstock.com」

growSHAREでは、ベランダや街中のコミュニティファームなど野菜を作っている場所を「vege SPOT(ベジスポット)」として登録。栽培状況や収穫時期を情報発信し、作業を手伝ってくれるボランティアを募集したり、収穫した野菜のおすそ分けを呼びかけて、通販のように販売したりできます。多くのベジスポットが登録されるほど、収穫したけれど食べられずに捨てられる野菜のフードロスを防止できるのです。

さらに、新規就農者支援による農業の持続化も期待されています。growSHAREでは、専用アプリ「grow GO」をリリースしています。アプリにベジスポットを連携することで水やりの頻度など栽培時に気を付けるべきことを定期的にプロがアドバイスしてくれます。

さらに、センサー一体型のプランターも開発。家庭で野菜を栽培する場合に使用すれば、現状に合わせた栽培方法のコツをアプリに配信してくれます。初心者でも安心しておいしい野菜が栽培できると話題です。

近隣で野菜をシェアできれば、フードロスだけでなく運送に関連するCO2削減にも寄与できます。地球にやさしいサービスとしてSDGsの面でも注目されているgrowSHARE。今後が期待されるサービスです。

 

季節や気候に左右される農産物は、たくさん収穫できたが故に、出荷されなければ捨てられてしまうことも問題の1つでした。これを解決してくれるのが「野菜を作る人」と「野菜が欲しい人」とをつなぎ、コミュニティを作ってくれる「growSHARE」です。身近なフードロスを解決し、農業を元気にし、農業に携わってみたい人を支援してくれる新しいサービスとして、今後のさらなる進化が楽しみですね。フードロスを解決するサービスとして、一度試してみてはいかがでしょうか。