えっ、うちの電気代・ガス代って高すぎ!?平均はいくら?節約術も
生活する上では水や電気やガスは欠かせず、「水道光熱費」は毎月必ず支払いが発生します。
水道光熱費は、世帯人数や地域によっても変わりますが、平均的にどれくらいの出費が発生するものなのでしょう。
今回は、1人暮らし世帯と2人以上の世帯における水道光熱費の平均額や、日々の節約術など、水道光熱費に関する情報を詳しく解説します。「我が家の水道光熱費、高すぎるかも?」と思った人はぜひ参考にしてみてください。
水道光熱費とは
「水道光熱費」とは、水や電気など、生活のために必要なエネルギーを購入する上で発生する費用のことを指します。水や電気などを水道会社や電気会社から購入して生活する以上、毎月必ず支払いが発生する固定費となります。
一般的に、下記のような費用が水道光熱費として扱われます。
水道光熱費に該当する費用:
・水道代
・電気代
・ガス代
・灯油代
・その他熱供給代
など
水道光熱費はどの家庭も一定というわけではなく、下記のような要素により、毎月の支払額が上下します。
水道光熱費を上下させる要素:
・世帯人数
・居住地域(暖房をよく使う寒い地域など)
・家で過ごす時間の長さ
・オール電化住宅であるか
・太陽光パネルのような自家発電装置があるか
など
水道光熱費の1か月平均額は?
政府が発表する「家計調査」によれば、水道光熱費の1か月平均額は、以下のような数値となっています。
電気代・・・1万559円
ガス代・・・4547円
他の光熱 ・・・1202円
上下水道料 ・・・4091円
光熱・水道(水道光熱費の総額)・・・2万398円
出典:家計調査2022年「時系列-支出(実数,実質増減率)」より
ご覧のように、2022年度(令和4年度)における国内の水道光熱費の1か月の平均額は、2万398円となります。なおこの数値は総世帯(単身世帯と2人以上の世帯を合わせたもの)の平均額となります。
水道光熱費の地域差
前述した通り、水道光熱費には、地域によっても差がありますが、具体的にどのくらい変わるのでしょうか?
政府が発表する「家計調査」によれば、水道光熱費の地域別での1か月平均額は、以下のような数値となっています。
北海道地方・・・2万5685円
東北地方・・・2万4635円
関東地方・・・1万9924円
北陸地方・・・2万3168円
東海地方・・・2万458円
近畿地方・・・1万9137円
中国地方・・・2万817円
四国地方・・・1万9088円
九州地方・・・1万8382円
沖縄地方・・・1万7897円
出典:家計調査2022年「総世帯・勤労者世帯・勤労者世帯以外の世帯」より
注目したいのは、北海道地方、東北地方、北陸地方の3地域の平均額が2万5000円前後となり、他の地域よりも高いことです。この3地域の内訳をみると、灯油や薪等の「他の光熱」に掛かっている費用が他の地域よりも高く、これらが水道光熱費を底上げしています。また、電気代に関しても北国にいくほど高くなる傾向が見られます。
こうしたことから、寒い気候が水道光熱費の増加に影響していることがうかがえます。
12か月の水道光熱費の推移
水道光熱費は、1年の中でも月々で上下します。
政府が発表する「家計調査」によれば、水道光熱費の各月での平均額は、以下のような数値となっています。
1月・・・2万7663円
2月・・・3万1233円
3月・・・3万873 円
4月・・・2万7044円
5月・・・2万3879円
6月・・・2万0753円
7月・・・1万9207円
8月・・・2万1341円
9月・・・2万1893円
10月・・・2万2335円
11月・・・2万2265円
12月・・・2万5806円
※こちらは2人以上の世帯の額となります。
出典:家計調査2022年「家計収支編 二人以上の世帯 月次報告」の2022年1月から12月までの12か月分を集計
ご覧のように、12月~4月の冬から春にかけては、水道光熱費の平均額が2万5000円をオーバーしています。一方、5月~11月の初夏から秋にかけては、2万円前後で推移しています。
こうしたことからも、寒い気候が水道光熱費の増加に影響していることがうかがえます。
1人暮らしの水道光熱費平均
1人暮らし(単身世帯)での水道光熱費はどの程度かかるものなのでしょう。
政府が発表する「家計調査」によれば、単身世帯における水道光熱費の1か月平均額は、以下のような数値となっています。
電気代・・・6808円
ガス代・・・3331円
他の光熱・・・843円
上下水道料 ・・・2116円
光熱・水道 (水道光熱費の総額)・・・1万3098円
出典:家計調査2022年「時系列-支出(実数,実質増減率)単身世帯」より
ご覧のように1人暮らしであれば、人数が少ない分費用も安くなり、ひと月の平均額は1万3098円となっています。節約して1万円以下に抑えることも不可能ではありません。
2人以上世帯の水道光熱費平均
続いて2人以上の世帯での水道光熱費となると、いくら程度になるのでしょう。
政府が発表する「家計調査」によれば、2人以上の世帯における水道光熱費の1か月平均額は、以下のような数値となっています。
電気代・・・1万2678円
ガス代・・・5232円
他の光熱・・・1404円
上下水道料 ・・・5207円
光熱・水道 (水道光熱費の総額)・・・2万4522円
出典:家計調査2022年「二人以上の世帯(世帯数分布~家具・家事用品)」より
ご覧のように2人以上の世帯となると、単身世帯よりも出費が増え、ひと月の平均額は2万4522円まで増えます。
電気代や上下水道料は、前述した単身世帯の数値の約2倍となっています。一方ガス代は約1.5倍となり、電気代や上下水道料ほど世帯人数増加による影響を受けていないようです。
水道光熱費節約のポイント
最後に水道光熱費を少しでも抑えるための、節約術について紹介します。いずれも手軽に行えるものですので、今日から挑戦してみてください。
待機電力を減らす
パソコン、テレビ、オーディオなどの電化製品は、電源が切れていても、コンセントに接続されていれば、わずかに電力を消費しています。この電力を「待機電力」と言いますが、使用しない場合は、電源をオフにし、コンセントを抜くことで、余計な待機電力をカットできます。
いくら節約できる?:
資源エネルギー庁の報告によると、ひと世帯あたりの家庭の消費電力量は年間4432kWhに及び、うちの228kWh(5.1%)が待機電力と推計されています。228kWhを31円/kWh(一般的な電力単価)で計算すると、年間で7068円に及びます。待機電力を節約すれば、この7068円分を年間で浮かせることができるのです。
エアコンの節約
エアコンは特に電力消費の大きい電化製品です。下記のような取り組みを行い、電力を節約しましょう。
・設定温度をなるべく外気温と近づける(暖房時は20℃、冷房時は28℃がのぞましい)
・風向きは、暖房時は下向き、冷房時は水平もしくは上向きにする
・自動運転を活用する
・フィルターをこまめに掃除する(2週間に1回のペースがベスト)
など
いくら節約できる?:
東京都環境局「2023家庭の省エネハンドブック」によれば、冷房時の室温(設定温度)を28℃とすることで、年間約1060円の節約になると推計されています。さらにエアコン(冷房)の使用時間を1日1時間減らすことで、年間約660円の節約になるとのことです。
水の節約
水を節約する上では、洗顔、洗い物、シャワーなどの際に、こまめに水を止める習慣をつけることが大切です。基本的なことではありますが、継続することで大きな節水効果を生みます。
加えて、以下のような工夫もやってみましょう。
・トイレはできるだけ「小」で流す
・お風呂の水を洗濯や打ち水などへ再利用
・洗濯物はまとめて洗う
・節水シャワーや節水トイレを導入
など
いくら節約できる?:
東京都水道局によれば、節水による節約金額について、以下のように推計されています。
歯を磨く際に水を流しっぱなしにしない・・・年間約2640円の節約(朝晩、1日2回歯磨きをする場合)
風呂の水半分を、洗濯、掃除、散水などに再利用する・・・年間約7800円の節約(毎日行った場合)
洗車の際に、ホースから水を流しっぱなしにせずバケツに汲んで洗う・・・年間約360円の節約(月2回洗車をする場合)
エネルギー会社や契約の見直し
2016年4月から電力の自由化、2017年4月からはガスの自由化も行われ、現在は電力会社、ガス会社とも、地域のしばりなどを受けず、自分の好きな会社を選べるようになっています。
「新電力」と呼ばれる、リーズナブルな価格がウリの新規参入電気会社もあり、契約先を見直すだけでも電気代やガス代を抑えられることがあります。
以上、水道光熱費について紹介しました。家計調査の結果をみてもわかる通り、水道光熱費は1人暮らしでは1万円以上、2人以上の世帯では2万5000円近くの費用が毎月発生しています。ただしあくまで目安であり、もちろんそれ以下に抑えることも可能です。水道光熱費は、普段のちょっとした節約の積み重ねが差となりやすいため、地道な節約に励みたいところです。