投資の本当のリスクは何?そしてセンスあるお金の使い方とは!?
監修・ライター
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「投資はギャンブルと同じ」!?
「投資はギャンブルだ」「投資にはリスクがあるからしないほうがいい」という言葉は、聞いたことある?
あります、あります。
そうだよね。確かに投資にはリスクがある。預貯金のように元本が保証されているものではないし、株価は日々変動するしね。
そんなリスクがある投資は、やっぱりギャンブルと同じなのでしょうか?
僕の答えは、NO。なぜなら投資の世界における「リスク」という言葉は、僕たちが一般的にイメージするような「怖い」「危険」ということとは別の意味を持っているから。
つまり、その言葉の意味が正確にとらえられれば、リスクの本質が見えてくる、というわけですね。
そのとおり。そしてリスクの本質が見えれば、解決策が見えてくる。解決策がわかれば、リスクを極限まで減らすことができるんだよ。
なるほど。
では、投資の世界におけるリスクとそのコントロール方法について説明していこう。
まず1番目が価格変動リスク。これは、ボラティリティリスクとも言って、投資におけるリスクとしてもっとも多くの人がイメージするもの。株価や不動産価格が下がることで、損失が出てしまうというリスクだよ。
先生、ではなぜそんなリスクがあるにもかかわらず、わざわざ投資をするんですか。せっかく貯めたお金を、あえてそんなリスクにさらすのはなぜなんでしょう?
答えは簡単。価格が下がるリスクがあったとしても、それ以上のリターンに期待しているから。
それ以上のリターン……。
投資の世界に、「リスクとリターンは手をつないでやってくる」という有名な格言があるんだ。これは、リスクのないところにリターンは存在しないし、リスクが大きいほどリターンを得られる可能性も大きいということを意味している。
預貯金で考えてみよう。元本保証で安全性が高いのが預貯金の最大の魅力だけど、一方で利息はほとんどつかない。では、株式投資はどうだろう? 株価は刻々と変化するけど、だからこそ株を安く買って高く売ることで、預貯金をはるかに上回るリターンが期待できる。「ダブルバガー」や「テンバガー」という言葉があるように、投資した金額が2倍、10倍になって戻ってくることも夢じゃないんだ。
多くの人が避けたいと思っている価格変動というリスクこそが、リターンを生み出す源泉なんですね。
さっき、投資の世界の「リスク」という言葉には、僕たちが一般的にイメージする「怖い」「危険」ということとは別の意味がある、と話したけど、投資の世界では、「リスク」という言葉は「価格のブレ」を意味するんだ。
意味するものが全然、違うんですね。
この価格のブレ幅、つまりボラティリティは、金融商品ごとに異なるのだけど、リスクが大きいほど大きなリターンを得られる可能性があり、リスクが小さいほど期待できるリターンも小さくなる。
もしJくんが、投資で大きな資産を構築していきたいと考えるのであれば、この価格変動リスクを「避ける」のではなく、「上手につき合う」という意識がとても重要だよ。
価格変動リスクと上手につき合うにはどうすればいいんですか?
方法のうち、1つ例を挙げるとするなら「分散」だね。
分散、ですか。
「卵は1つのカゴに盛るな」という有名な格言があるけれど、たとえば1つの金融商品に集中投資した場合、もしそれが暴落してしまったら、それだけ損失も大きくなる。
なるほど、逆に値動きの異なる複数の金融商品に分散して投資をしていれば、どれかが暴落しても損失は限定的だし、ほかが値上がりしていればトータルではプラスになる可能性もある、と言うことですね。
そう。「分散」は、リスクをコントロールするうえでの王道ともいえる上手なつき合い方の1つなんだ。ただし、資産形成を早く達成したい場合は、分散よりも集中が大事になるなど、目的と段階によって異なることがあるよ。
他にもリスクはあるんですか?
実は投資には価格変動よりも気をつけるべきリスクがある。それが、「判断を誤ることにより損失が出てしまう」というパーソナルリスク。
どんな例があるんですか?
たとえば、家賃収入を得る目的で投資用不動産を購入するとする。投資の知識も経験もゼロの人と、不動産賃貸業を20年経験していて知識も豊富な人とでは、どちらが損するリスクが高いと思う?
それは当然、投資経験ゼロの人でしょうね。
だよね。投資経験ゼロの人は、不動産の目利き力や収支予測を立てるための知識もないだろうし、銀行との交渉スキルや管理スキルも、ほぼ持ち合わせていない。一方で、20年来の経験者はだいたいのことを経験していて、自らの知識とスキルで正しく将来予測を行うことができる。そうなると、当然、判断の誤りによって失敗をするリスクを減らすことができるんだ。
なんだか、そういうことって、身近なところにもあるような……。
車の運転にたとえるとわかりやすいかもしれないね。僕たちが時速200キロで高速道路を運転することは、命を落としかねないとても危険な行為だよね。でも、F1レーサーなら200キロの時速で運転することにも、私たちほどのリスクはない。
つまり、「車で時速200キロを出すのが危ない」のではなく、「知識も経験もない人が車で200キロを出すと危ない」のであって、同じ行為であっても、リスクを増大させているのは、僕たち自身の経験や知識不足にほかならない、ということなんですね。
リスクは、金融商品の中だけにあるのではなく、それを扱う「人」にもある、ということだね。
まさか、自分自身の中にもリスクが潜んでいるとは。
世界的な株式投資家であるウォーレン・バフェットにとって、株式投資はギャンブルではない。株式投資がギャンブルなのだとしたら、それはその人に知識や経験がないからなんだ。知識をつけてスキルを高めれば、投資は決してリスクが高いものでも、ギャンブルでもない。それどころか、人生の大きな味方となってくれるものだよ。
パラレルインカムを実現したい人にとって、リスクは上手につき合っていくべき相手なんですね。
「機会損失リスク」に敏感になろう
投資には、リスクがあるから大きなリターンが期待できるのであって、リスクこそがリターンを生み出す源泉だということは、もう理解してくれたかな?
はい!
よかった。じゃあそのうえで、人生を自由にするためにとても大切な考え方を伝えようか。それは、「機会損失こそが、本当に避けるべきリスクである」ということ。
機会損失?どんな機会ですか?
毎月5万円を、年利5%で20年間積み立てると、元本1,200万円に対して資産は2,055万円になる。Jくんがそんな話を聞いたとしよう。
はい。
でも投資の利回りなんて不確定だし、実際どうなるかわからないし⋯⋯なんて考えて行動を起こさなかった場合、Jくんは、投資によって損失を被ることはないかもしれない。
そうですね。何もしていませんし。
でも、視点を変えれば、投資しておけば得られたかもしれない855万円の利益を得られなかった、とも言えるんだよ。
おっと。
こんなふうに、投資をしないことによって利益を逃すリスクが「機会損失リスク」。実はすごく見えにくいリスクなんだ。
意識していないと日々、このリスクが積み重なっていって、じわじわボディブローみたいに人生に影響を与えてきそうですね。
そうなんだ。自由な人生を送りたいと願うのであれば、ぜひこの「機会損失」というリスクに敏感になってもらいたいと思う。目に見えない損失を積み重ねることなく、チャンスをつかんで自分のものにしていこう。
はい!
パラレルインカムを実現したい、と思っている人のゴールは、経済的にも心理的にも自由な人生を送ることであるはず。そんな自由な人生を手にできるチャンス(機会)が目の前にあっても、自分で行動してそのチャンスをつかみにいかなければ、そのチャンスを手にすることはできないんだ。
「投資は怖い」「投資はリスクがある」と思って投資を避けていると、投資による資産構築や所得アップを得るチャンスを手にすることができなくなって、人生という長い時間軸での経済的リスクが増大するだけでなく、自由を得るチャンスすら失ってしまうリスクが高まってしまうんですね。
そうだよ。投資のリスクは経験と知識によってコントロールができるのだとしたら、恐れるに足りないもの。「人生を後悔する」という最大のリスクを避けるためにも、経験と知識を磨いて、投資を人生の味方につけていこう!
お金は貯めるだけが善ではない
今日、最後に伝えたいのが、お金の使い方。
いきなりスタートラインに戻る感じですね。
経済的自由を実現するために、働いたり投資をしたりしてたくさん稼ぐことは大切だよね。でも、お金はただ稼いで貯めていけばよいというものではないんだ。
と、いうと?
人生を充実させるためには、「いかにお金を使うか」という視点がとても重要になってくる。しかも、お金を稼ぐよりも、お金を使うときのほうがセンスが必要なんだ。つまり、お金を上手に使わないと、ムダづかいにつながるケースが多いということ。
お金を使う時、センスについては考えたことがなかったです。
お金をひたすら貯めることが目的になると、「お金を使わずに家の中でおとなしくしているのが一番」という感覚を持つようにならない?
なりますね。家の中に閉じこもっていればお金を使う機会もなくなって、貯めたお金を減らさずにすみますもん。
ただ、家で漫然と過ごしていると、お金を増やすチャンスを失うことにもなるんだよ。
どういうことですか?
たとえば、手持ちの10万円を使って家族旅行に行けば、お金は減るけれど、家族でいい思い出をつくることができるだけでなく、旅行の経験を通じて新しいビジネスのチャンスが得られるかもしれない。
なるほど!お金を使うことでさまざまな経験ができて、収入増につながる情報に出会う確率が高まって、仕事上のアイデアが浮かぶ可能性も十分あるということですね。
そういうこと。僕自身、ムダなお金を使う浪費をやめて、お金を貯めようとしてきた経験があるけど、やっぱり節約一辺倒になるのではなく、人と会って仕事の話を聞いたり、趣味に没頭する時間を意識的につくってきたんだ。そういうときのお金は惜しまないように意識してきた。結果的に、お金を有意義に使ったことで、新たなお金を生み出すチャンスを得てきたように思うんだ。
「お金で時間を買う」という発想
お金は時間と同じように貴重なもの。パラレルインカムを実現しやすい人は、比較的早い段階で「時間とお金は等価である」という考え方に気づくはずだよ。時間の重要性を知る人は、時にはお金という対価を払って時間を買うことをためらわないんだ。
たとえば、お金を払って家事代行サービスを利用して、その分の時間を買うようなことですか?
そうそう。または移動をするときに、電車ではなくタクシーを使って、お金を出すかわりに移動時間を短縮して、さらに移動時間を有効に使う、といったようなことも。そうやってお金を払って手に入れた時間を、自分にしかできない仕事や大事な趣味などに振り替えているんだ。
これは、意識してすぐに取り入れたいです。
ぜひ。適切にお金を使って時間を買えば、その時間を別の価値ある時間に充てることができて、自分の時間の使い方が変わってくる。
時間の浪費になる使い方から、時間の投資になる使い方に変えていくことで、結果的にお金も時間も手に入るようになるんですね。
そういうこと。さて、ここまでで、「①欲しいものを買う前にお金を迂回させる」「②資産運用=『自転車の運転』と考える」「③『世界の中心は信用で回っている』と考える」「④お金に働いてもらうことをポジティブにとらえる」「⑤失敗から学ぶのではなく、成功から学ぶ」「⑥投資の『本当のリスク』を知り、コントロールする」「⑦お金の使い方を知る」と、パラレルインカムを実現したいと考える人が知っておきたい「お金の教養」7か条を紹介してきたけど、どうだったかな?どれも精神的・経済的に自由な人生を送るためには重要な考え方ばかりだよ。
何度も読み返して、理解を深めていきたいと思います!
まとめ
投資の世界における「リスク」という言葉は、「怖い」「危険」という意味ではなく、「価格のブレ」を意味します。そして価格のブレ幅、つまりボラティリティは、リスクが大きいほど大きなリターンを得られる可能性を持ち、リスクが小さいほど期待できるリターンは小さくなります。
みなさんが投資で大きな資産を構築していきたいと考えるのであれば、リスクと「上手につき合う」ということを考えるようにしてください。
ちなみにリスクを恐れて投資をせず、それによって利益を逃してしまうリスクを「機会損失リスク」と言い、これは人生という長い時間軸での経済的リスクを増大させるだけでなく、自由を得るチャンスすら失ってしまうリスクも高まってしまうので気をつけましょう。
最後に、お金については、センスのある使い方を意識しましょう。適切に使うことで、チャンスを掴める可能性が高まるからです。また時間を買うのもセンスのある使い方の一つ。お金で得た時間を、別の価値ある時間に充てることで、結果的に、お金も時間も手に入れることができるようになりますよ。
ここまでで、人生を自由にするための「お金の7か条」についてお話ししてきました。
次回からは、「浪費を繰り返していた私が、会社を立ち上げたきっかけ」についてお話ししていきます。お楽しみに!