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米Z世代の情報収集ツールは?キュレーションサイトやアプリ最新事情

N.Y.発、安部かすみの今気になる最新マネートピック 安部 かすみ(あべかすみ)

米Z世代の情報収集ツールは?キュレーションサイトやアプリ最新事情

【画像出典元】「Alphavector/Shutterstock.com」

皆さんは毎日ニュースをチェックするとき、どんなキュレーションサイトやアプリを利用していますか?近年は実にさまざまなサービスが提供されるようになってきました。この記事ではアメリカ在住の筆者が、アメリカで今使われているニュースのキュレーションサイトやアプリ事情について報告します。

日本で人気のキュレーションサイト&アプリとアメリカのZ世代に人気のSNS

今夏、友人の親戚のハタチの女性が夏休みを利用して日本からニューヨークに遊びに来ていました。私は、今の日本の若者がアメリカや世界の情勢を知るのにどのツールを利用しているのか気になり、興味本位で尋ねてみました。

その彼女は「自分の意見が同世代を反映していると言うにはおこがましい」と前置きをした上で「インスタとLINEニュースかな」と教えてくれました。SNSやLINEがZ世代に及ぼす影響力を感じました(そもそも私がハタチのころはそれほど時事問題に関心があったとは言えないのですが...)。

一般的に、日本でニュース系のアプリやキュレーションサイトと言えば、以下のようなサービスが主流だと思います。

● Yahoo!ニュース
● LINEニュース
● Googleニュース
● スマートニュース
● グノシー
● NewsPicks
● ニュースパス
● Dmenuニュース
● ライブドアニュース
● NewsDigest
など

一方、Z世代など若年層は、これらのサービスに加えSNSでニュースをチェックする傾向は強いようです。

ちなみにアメリカのZ世代に人気のSNSは、以下のようなものです。
● YouTube
● Instagram
● TikTok
● SnapChat
● Facebook
● X(旧Twitter)
など

アメリカの若い世代の人々は時事ネタの情報収集をどのように行なっているのか気になり、少し調べてみました。

アメリカの情報収集事情

【画像出典元】「FrameStudio/Shutterstock.com」

まず、ニューヨークに住む筆者の周りの人々は一般的に、iOSではApple News、AndroidではGoogle Newsの「二大勢力」が主流です。

また、ニュースアプリやキュレーションサイトを利用せず、ニューヨークタイムズなどリベラル系の主要ニュースメディアや地元紙のニュースサイトに直接訪問する人、それらに加えてSNSをチェックする人、CNNとフランスのAFPをチェックしている人、リベラル系のみならず保守的なメディア(FOXニュースなど)をチェックしている人など、さまざまです。

日本に興味がある人はジャパンタイムズやNHKワールド(動画)などをチェックします。さまざまなルーツを持つ人が住んでいるここニューヨークでは業種、興味や関心、嗜好、ライフスタイル、政治的思考などに応じて、多種多様な印象です。

アメリカに進出したSmartNewsの「その後」

ちなみに、周りに話を聞いてみると、SmartNewsを通勤時間に必ずチェックしているニューヨーカーの友人もいました。彼女はSmartNewsが日本発のサービスであることを知りませんでした。

SmartNewsは2014年にアメリカに進出し、利用者ごとの政治的観点からニュースにアクセスできる「News From All Sides」機能を設けたりすることで他社との差別化を図ったとされています。YouTubeにも広告出稿しているので、アメリカでもだんだんと知られるサービスになってきました。アプリについて「14年1月以来、世界中で約8100万回インストールされた」ということです。また「22年時点でもっともダウンロードされた国は日本(58%)とアメリカ(38%)」「世界中で月間アクティブユーザー数が3000万人、うち日本では2000万人、アメリカでは1000万人」と報じられています(参照 : 23年1月付テッククランチ)。

ただしこのような数字は約10~20%減少傾向にあり、アメリカと中国の従業員の40%、約120人のレイオフも発表されました。アメリカには一時期145名を超える従業員がいましたが、その後60名程度になったことも報じられ、アメリカでの経営の厳しさが伝わってきます。

全米で最多ダウンロードのニュースアプリは?

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アメリカで利用できるニュースアプリは玉石混淆です。そんな中、22年1~11月の情報になりますが、この国でもっともダウンロードされたニュースアプリは「NewsBreak」でした。続いてSmartNews、LocalNewsの名がラインナップされています。

この記事からもわかるように、キュレーションサイトのみならずCNN、FOXニュース、ニューヨークタイムズなどメディア単体のアプリも主流なのが、アメリカの特徴です。

LinkedIn (リンクドイン、米ビジネスピープルに人気のSNS)の23年9月付「10 Best News Apps for 2023(2023年のベストニュースアプリ10)」という記事も興味深いです。

今年のベストニュースアプリはこちらです(やはり、英BBCやニューヨークタイムズなど、メディア自体のアプリが強いのが特徴ですね)。

1. BBC News
2. Flipboard
3. Google News
4. Apple News
5. The New York Times
6. Ground News
7. CNN News
8. Reuters
9. Yahoo News
10. AP Mobile

この記事によると、平均して先進諸国に住む62%の人々がスマホアプリでニュースをチェックしているとか。また54%の人々がネット、特にSNS上でのフェイクニュースの拡散に懸念を示していることがわかります。


ほかにも、さまざまなニュースアプリやキュレーションサイトが利用されています。
Feedly   
Pocket   
News360 
など

米メディアは「音声コンテンツ」にも力を入れている

【画像出典元】「Bibadash/Shutterstock.com」

ニュースアプリという点では、日本同様に「動画ニュース」のサービスも多いですが、アメリカと日本との大きな違いは、文字や動画のみならず「音声」コンテンツも人気だということです。

例えばポッドキャストは隆盛を極め、ニューヨークタイムズやウォールストリートジャーナルなど各大手メディアが使いやすくて情報盛りだくさんなコンテンツ作りに注力していますし、視覚障害者のために「音声オプション」があるウェブの記事も見られます。

Z世代に人気のニュースソース

若い世代に人気のニュースソースも多岐にわたっています。例えば、「16-24歳(つまりZ世代)に人気のニュースソースは?」という記事では、アメリカのみならずイギリスでもInstagram、Facebook(Meta)、X(Twitter)、TikTokなどが挙げられています。

特に経済や金融のネガティブなニュースは、気軽なSNSに頼る傾向があるようです。例えば「TikTokではユーザーの43%がすべてのニュースをTik Tokから収集していて、そのような利用スタイルはここ数年で倍に増えている」と、つい最近もニューヨークタイムズで報じられたばかりです。

加えて、潮流ではなくニュース価値のあるものに焦点を当てたinkl、科学、話題、政治、テクノロジーに関連したニュースに強いとされるDiggなどのサービスもあります。

結局のところ、人口が3億人を超えるアメリカでは、人々が使うサービスも多種多様ということがわかります。時事ネタといっても政治、経済、事件、国際、IT、芸術、スポーツ、地元、天気、トレンドなどジャンルもさまざまですから、どのメディアやアプリが選ばれるかは、それぞれの政治的思考、嗜好やライフスタイル、目的などに応じて大きく異なっていると言えるでしょう。