数百円でも高配当株をゲット!?おすすめの買い方とは
監修・ライター
例年、1~3月は高配当株に買いが入りやすい時期です。さらに、2024年1月から新NISAが始まったことにより、高配当株への注目が高まっているようです。この記事では、高配当の対象銘柄選びのポイントや、単元未満株を利用して少額投資するおすすめの方法について解説します。
高配当株とは?
高配当株とは株主に高い配当利回りを還元する企業の株式です。配当利回りは、以下の計算式で求めることができます。
配当利回り=1株当たりの予想配当金(年間)÷株価×100(%)
たとえば、現在の株価が2000円で配当金が80円だった場合、
配当利回り=80円÷2000円×100=4.0%
4.0%の配当利回りとなります。一般的に配当利回りが4%を超えると、高配当株と言われます。ちなみに日経平均株価採用銘柄の予想配当利回りは1.99%、プライム市場全銘柄の予想配当利回りは2.27%となっています(2023年12月22日時点)。
高配当株は、ヤフーファイナンスなどで確認できます。
配当は毎年一定のリターンを得ることができ、計算もしやすい特徴があります。ただし、配当利回りだけを見て高配当株を選ぶのは危険です。個別の銘柄の状況をよく考慮する必要があるので、企業の財務状況や業界の動向などをきちんと分析する必要があります。また、高配当を継続できる企業を選ぶためには、企業のビジネスモデルや経営陣の株主還元に対する考え方も重要です。
配当利回りが高いのはなぜ?高配当株の選び方、の3つのポイント
高配当株選びのポイントの1つ目は、業績が堅調であることです。配当は通常、利益から支払われるので、まずは業績予想を確認しましょう。たとえば、増益率の高い企業は、将来の配当に余力があると判断できます。また、事業の見通しや業界動向は、中期経営計画からも判断可能です。
2つ目のポイントは、配当利回りが高い理由を判断することです。たとえば、株価が下落したことにより配当利回りが高くなっている場合は注意が必要です。配当利回りだけに注目せず、きちんと株価や業績を分析して投資対象を選ぶようにしましょう。
3つ目のポイントは、高配当株は年始に上昇しやすい傾向があることです。3月に決算を迎える企業が多いので、とくに高配当株は毎年1~3月に注目を集めます。これにより、年初は高配当株が好成績を収める傾向があります。
実際に、1月ごろから買いが入り、高配当利回りの株価は上昇トレンドを持続する傾向があるのです。この投資手法は投資家にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
銘柄選びでは「日経平均高配当株50指数」を参考にする
大型株の高配当株を選ぶ際は、「日経平均高配当株50指数」が参考になります。日経平均株価は、東京証券取引所のプライム市場に上場している約2000銘柄の中から、市場の流動性の高い225銘柄を選定し、その株価を基に算出された指数です。そして、日経平均高配当株50指数は、日経平均構成銘柄のうち配当利回りの高い50銘柄から構成される株価指数です。
「日経平均高配当株50指数」の過去のチャートを見ると、2023年は大きく上昇していることがわかります。同指数の構成銘柄は、以下のリンクで確認できます。
構成銘柄:日経平均高配当株50指数
ただ、個別株を選ぶのは難しいという人もいるでしょう。そういう人は、日経平均高配当株50指数を対象にしたETF(上場投資信託)を購入してはいかがでしょうか。ETFは1株単位で購入できます。例えば日経平均高配当株50指数との連動を目指す「NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信(1489)」の詳細は、以下の通りです。
1489 NEXT FUNDS日経平均高配当株50指数連動型上場投信
終値 57,770円
売買単位 1株
分配金利回り3.64%
※2023年12月22日時点
このETFの組入上位銘柄は、以下の通りです。※2023年12月22日時点
分配金利回りは3.64%と高配当株ランキング上位の銘柄には劣りますが、50銘柄と幅広く分散投資しているため、安定性があります。個別株に投資していると、その株が大きく下落する場合もあります。特に高配当株投資の失敗パターンは、配当が減少し、配当目当ての投資家が離れてさらに株価も下がるというダブルパンチです。これが個別株投資のリスクとなります。
一方、ETFは複数の銘柄に投資しているので、利回りはトップ銘柄に及びませんが、配当が減少した銘柄は自動的に除外されますので、基本的には一定の利回りを得ることができます。
単元未満株とは
高配当株投資の魅力がわかっても、「株式投資」と聞くと、ある程度まとまった資金が必要なイメージを抱く方も多いでしょう。しかし、単元未満株を利用すれば、数百円で有名企業の株式を購入できるので、投資初心者におすすめのサービスです。もちろん、配当金も受け取ることができます。
単元未満株とは、単元株制度において1単元に満たない数の株式のことを指します。通常、株式を購入する際は100株単位(単元株)での購入が必要です。そのため、株価が数百円の株でも数万円(数百円×100株)以上の投資が必要となります。しかし、単元未満株なら1株から購入が可能なので、数百円で株式を手に入れられるのです。以前は単元未満株の手数料は単元株に比べて割高でしたが、ネット証券では以下のように手数料無料化が進んでいます。
新NISAを利用して高配当株を購入しよう
高配当株に投資するときは、新NISAを利用しましょう。新NISAの概要は、以下の通りです。
株式(単元未満株含む)やETFは成長投資枠で購入でき、年間投資枠は240万円、非課税保有限度額は1200万円となります。通常、株の配当金や売却時の値上がり益には20.315%が課税されますが、新NISAを利用すれば非課税になります。
たとえば、「日経平均高配当株50指数」で組入比率1位の「川崎汽船(9107)」の株価は6,616円、配当利回りは6.05%です(2023年12月22日時点)。
これを100株購入した場合、投資金額は下記となります(手数料や税金を考慮せず)。
6,616円×100株=661,600円
配当利回りは6.05%なので、
661,600円×6.05%=40,026.8円(税引き前)
つまり新NISAを利用すれば、約4万円の配当を毎年受け取れます。しかし、課税口座では約8000円(40,026.8×20.315%)の税金がかかるので、長期で保有すると大きな差になることがわかります。
新NISAでは非課税保有期間が無期限なので、配当金を非課税でずっと受け取れるというのは大きなメリットといえるでしょう。
同じく単元未満株で川崎汽船の株を買ったら、どうなるでしょうか。単元未満株は1株単位で購入できますが、10株購入すると、投資金額は下記となります(手数料や税金を考慮せず)。
6,616円×10株=66,100円
配当利回りは6.05%なので、
66,100×6.05%=4,002.6円(税引き前)
約4000円の配当が受け取れます。一方、課税口座では約800円(4,002.6円×20.315%)の税金がかかり、約3200円の配当となります。
まとめ
高配当株は配当利回りの高い株で、安定した収益基盤と株主への高い利益還元姿勢があるといえます。ただ、業績悪化による減配や株価下落のリスクもあるので、複数の銘柄に分散投資することが大切です。
まとまった資金がない人でも、単元未満株を利用すれば複数の銘柄に分散投資できます。また、複数の銘柄に分散投資しているETF(上場投資信託)を利用するのもいいでしょう。
そして、高い利回りを享受するため、2024年1月から始まった新NISAも活用するようにしてください。
※資産運用や投資に関する見解は、執筆者の個人的見解です。投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたします。