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【2024年版】母子・父子家庭が受けられる手当・助成金・控除まとめ

ためる 白浜 仁子

【2024年版】母子・父子家庭が受けられる手当・助成金・控除まとめ

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ひとりで収入の確保や育児を行わなければならないシングルマザーやシングルファーザーの家庭は、日本に約72万世帯あります。それらをサポートするために国や自治体が準備してくれているのが、ひとり親家庭向けの手当(給付金)・助成金・控除です。家賃補助や児童手当など様々なものがあります。2024年時点では、いったいどのようなものがあるのでしょうか。

母子・父子家庭の世帯数

国勢調査によると、2020年の母子世帯は約64.6万世帯、父子世帯は約7.4万世帯あるようです。母子家庭の方が多いのは誰もが想像の範囲と思いますが、父子家庭の約9倍なのですから、その差に驚かされます。特に子どもが小さく、親などに頼ることができない場合は、男女問わず働く時間や仕事内容に制限があり、思うように収入を得られないこともあるでしょう。更に、男女間での賃金格差を考えると、シングルマザーの子育ては金銭面の不安も大きいと思います。ひとり親家庭の助けとなる手当や助成金等について具体的に見ていくことにしましょう。

参照:国勢調査 時系列データ 

ひとり親が受けられる手当(給付金)・助成金などの支援

手当・助成金
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まずは、ひとり親家庭だけが受けられる手当・助成金についてです。

●児童扶養手当

ひとり親家庭の生活安定のために支給されます。受給対象者は「18歳に達する日以降の最初の3月31日までの子ども(障がいのある子どもの場合は20歳未満)」を養育している親などです。支給額は親の所得によって決まり、全額支給、一部支給、不支給に分かれます。

【手当(月額)】※2023(令和5)年4月~
全部支給:4万4140円
一部支給:1万410~4万4130円

・児童2人目の加算額
全部支給:1万420円
一部支給:5210~1万410円

・児童3人目以降の加算額(1人につき)
全部支給:6250円
一部支給:3130~6240円
参照:こども家庭庁「児童扶養手当について」

●児童育成手当

東京都内に住所がある場合に受けられる手当です。ひとり親など一定の状況にある子ども(18歳になった最初の3月31日までの児童)を養育している人に支給されます。一定の所得制限が設けられています。

【手当額(月額)】※児童1人につき
1万3500円

●ひとり親家庭住宅手当

ひとり親世帯で子どもを養育している人に、引越し費用の補助といった一時的な金銭援助をする住宅手当、家賃補助などがひとり親家庭住宅手当です。例えば、東京都荒川区の場合、保証会社に支払った保証料分の手当を最大5万円まで支給してくれます。また2年目以降の更新保証料も対象です。

また、神奈川県鎌倉市は、家賃が8万円以内で、居住要件や所得制限を満たすと最大9000円/月の家賃補助を支給、山形県飽海郡遊佐町は、家賃の4分の1(最大1万円/月まで)を支給してくれるようです。自治体独自の制度のため名称が異なる場合や、実施の有無もまちまちです。お住まいの自治体はどうか調べてみましょう。

●ひとり親家族等医療費助成制度

ひとり親世帯の親と子(18歳になった最初の3月31日までの児童。障がいがある場合は20歳未満まで)が医療機関の窓口で支払う医療費の自己負担分を自治体が助成してくれます。親の所得制限があり、助成金額やその内容は、自治体によって異なるため確認してみましょう。

ひとり親も含めた子育て世帯が受けられる支援

次に、ひとり親だけでなく、子育て世代を対象とした手当や助成金について見ていきましょう。

●児童手当

中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の子どもを養育している場合に支給されます。
・3歳未満:月額1万5000円
・3歳以上~小学生まで:月額1万円(第3子以降は1万5000円)
・中学生:月額1万円
所得制限があるため、世帯主の年収が960万円以上なら一律月額5000円に減額され、年収1200万円以上なら支給対象外となります。

なお、2024年10月分から(支給は2024年12月から)少子化対策として支給額が見直される予定です。次のように支給内容が拡大、所得制限も撤廃されます。

・3歳未満:月額1万5000円
・3歳以上~高校生まで:月額1万円
※第3子以降は一律月額3万円

ポイントは、中学生までだった児童手当が高校生までに拡大されること、第3子以降が一律3万円となること、所得制限が撤廃されることの3つです。

●乳幼児や義務教育就学児の医療費制度

乳幼児・義務教育就学児医療費制度は、中学校修了前までの児童が健康保険証を使って、医療機関で診療を受けた場合、窓口で負担する医療費の自己負担分を助成する制度です。助成内容は、自己負担なし、一律500円など自治体によって異なります。高校卒業まで助成する自治体もあり、親の所得制限はありません。

●生活保護

生活保護制度は、生活に困窮する人に対し必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障しながら、自立を助けることを目的としています。資産がないこと、援助してくれる人がいないことなど細かな条件がありますが、いざというときに親子を守ってくれる制度です。

●遺族年金

家族を養っている人が亡くなったときに、遺族が受け取れる年金です。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。遺族基礎年金は、子どもがいる場合に支給されるもので、18歳を迎えた年度の3月31日まで(障がいのある子の場合は20歳未満)の子がいる配偶者が対象です。加えて、亡くなった家族が会社員や公務員として厚生年金に加入していたなど一定の条件を満たす場合は遺族厚生年金も支給されます。受取額は、遺族基礎年金は子の数、遺族厚生年金はこれまでの納付内容によって決まります。

ひとり親が受けられる税金控除

ひとり親控
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収入から税金を計算する上で受けられる控除も、ひとり親向けの制度が設けられています。

●ひとり親控除

納税者がひとり親であるときに受けられるひとり親控除。控除額は35万円です。所得から差し引くことができるため、それによって税負担が減ります。所得要件は、合計所得が500万円以下であること。年末調整、または確定申告で手続きをします。

自治体独自の支援も

ここまで、ひとり親家庭に知っておいてほしい助成制度などを見てきました。児童育成手当のように東京都で独自に行われている制度や、ひとり親家庭住宅手当のように自治体によって取り扱いの有無が異なる制度などさまざまです。お住まいの市町村のHPで確認するか、実際に市区町村役場に足を運んで対象となるものがないか相談してみると良いでしょう。

子どもを育てるのには、時間と体力、そしてお金が必要です。制度を活用することで、少しでも余裕ができれば安心感につながることと思います。筆者もひとり親家庭で育ちました。きっとお子さんは、日々頑張る親の背中を見ていることでしょう。