資産所得をつくるために、不動産投資が効率的な理由とは?
監修・ライター
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資産所得づくりに欠かせないものとは?
今回からいよいよ、「パラレルインカムを実現する4つのステップ」のうちのステップ3、「資産所得をつくる」に入っていくよ。
楽しみにしていました。
と言いつつ、ステップ2の「資産構築をする」と、ステップ3の「資産所得をつくる」で取り組む内容は、きっぱり区別できるとは限らないけどね。理想的なのは、グラデーションをつけながら少しずつ移行していくことなんだ。
グラデーションですか。
まずはこの図を見てみてくれるかな? これはステップ2から4への移行に合わせて、構築した資産がどのように資産所得に変わっていくかを表した図なんだ。
えっと、黒の棒グラフが「キャピタルゲイン」を生んでくれる資産、青の棒グラフが「インカムゲイン」を生んでくれる資産、そしてりんごが資産から生み出される資産所得を表しているんですね。
「キャピタルゲイン」とは、保有している資産価格の変動によって得られる収入のこと。たとえば株式投資のように、つねに売買を繰り返していないと増えないという意味では、がんばって水くみを繰り返しているイメージに近いかもしれない。対して、「インカムゲイン」は、ある程度の期間、資産を保有することで、安定的・継続的に受け取ることができる収入を意味する。これは、蛇口をひねれば自動的に水が溜まっていく水道のイメージととらえることができる。
ずっと水くみを続けるのは大変ですが、最初から水道をつくるのも難しそうですね。
そこで、ある程度水をくんだところで水道づくりに移行する、つまりキャピタルゲインからインカムゲインへと移行していくことが大切なんだ。
なるほど。それでグラデーションなのですね。
ここで例を挙げてみよう。貯蓄と株式投資で300万円の資産ができた場合、どのように移行していくのかを見ていくよ。
ありがとうございます!
図にあるとおり、「ステップ2資産構築期」は資産を増やす時期なので、貯蓄をしながら、株式投資などで資産額、つまり純資産額を300万円まで増やしていく。
ここではやっぱり資産運用をしながら増やすのがポイントなのですね。
そうだね。ゼロ金利の時代では、貯蓄だけで増やすよりも、正しく株式投資のスキルを身につけることで資産の増え方が早まる。
そして、その300万円をそのまま増やし続けるのもいいけれど、「ステップ2~3 資産所得構築期」ではその一部を、資産所得を生み出す不動産に移行させる。
どのようにですか?
たとえば、150万円を不動産の頭金に使って、年30万円の資産所得をつくる。これは、毎年30万円ずつ入ってくる所得、つまり収入となるので、手をつけなければ年々30万円ずつ資産が増えていくんだ。
並行して、残りの150万円を株式投資で増やしていくことで、500万円の資産をつくる。そしてその資産のうち、たとえば250万円を2つ目の不動産の頭金に使って、さらに年50万円の資産所得をつくるんだよ。
これで、2つの不動産から合計年80万円の所得ができた、ということですね。
そう。このように、貯蓄と株式投資で資産を増やして、その一部を不動産に回し資産所得をつくる、ということを繰り返していくことで、資産所得で経済的自由を得ることができるようになるんだ。
ステップ2である程度の資産ができたら、所得を生み出す資産・インカムゲインヘと移行し、ステップ3では資産から所得、つまりりんごが生まれてくる状況が確立される流れをつくっていこう。
資産所得をつくるのに、不動産が適している理由とは?
以前、僕が「『ストレスのない自由な人生』を手に入れた」という話をした回でも伝えたけれど、ステップ3では不動産投資がもっとも効率的なんだ。
そもそも不動産投資って、どんな仕組みなのでしたっけ?
僕たちが人に貸すための投資用の物件を購入して、それを人に貸して家賃収入を得るというもの。一部、これまでのおさらいも含むけれど、なぜステップ3では不動産が適しているのかについて話をしていくね。
よろしくお願いします。
世の中を巡っているお金のうち、資産が働く場所というものは大きく分けて5つある。
1.株⋯⋯⋯⋯⋯企業が資金調達を目的として発行する企業オーナーの権利
2.不動産⋯⋯土地や建物
3.債券⋯⋯⋯国や地方公共団体、企業、金融機関など(発行体)が資金を調達するために発行する有価証券
4.商品⋯⋯⋯取引所で取引されている商品(貴金属、ゴム、石油、農産物など)
5.為替⋯⋯⋯異なる通貨を交換すること(外国為替)
この5つを島ととらえると、お金が5つの島の間を「金融商品」という乗り物に乗ってぐるぐると巡っているようなイメージなんだ。それぞれの島について、キャピタルゲインとインカムゲインが何であるかを見ていこう。
「株」の場合、キャピタルゲインは売買益であり、インカムゲインは配当といわれるもの。「配当金」という言葉を聞いたことがあるよね。
はい。では「不動産」でいうと、キャピタルゲインは売買益、インカムゲインは家賃収入ということになるのでしょうか?
そうそう。ちなみに「債券」もキャピタルゲインは売買益で、インカムゲインは利子、「商品」のキャピタルゲインも売買益だけど、インカムゲインは特になし。「為替」の場合、キャピタルゲインは為替差益で、インカムゲインはスワップ金利というものになるんだ。
このうち不動産投資がもっともステップ3に適している理由の1つは、インカムゲインがあるから。逆にインカムゲインを生まない資産を挙げると、現金や金、暗号資産や絵画・美術品などがある。
現金をタンスにしまっていても絶対に増えませんしね。
金やビットコインなどの暗号資産も人気があるけれど、基本的にインカムゲインはないものなんだ。
絵画や美術品、ワインなどを「将来、価値が上がる」という理由で投資のために買う人はいらっしゃるような?
ただそれらを持ち続けたからといって、定期的に資産が生まれるということではないよね。
確かに。
そういったことを踏まえると、インカムゲインがないものは、ステップ3で資産所得をつくるうえではふさわしくないということがわかるよね。
「新築プレミアム」には気をつけよう
不動産が適している2つ目の理由には、原本を大きく毀損しないことが挙げられる。不動産の場合、買った翌日に価値が2分の1になるという状況は考えにくいよね。
そうですね。考えにくいです。
上場している株のように毎日値段がつかないため、価格がわかりづらいという点もあるけれど、実際に日々上がり下がりするものではない。
ただし1つ注意が必要な場合があって、購入後すぐに元本を大きく毀損する不動産もある、という点。それは、不動産価格が変動するというよりも、ビジネス構造によって企業の利益や広告費が乗った高い価格で購入した場合に起きるパターン。売り手の企業が得た利益分、その不動産の価格が下がるというものなんだ。
どういうことですか?
たとえば、新築の不動産価格に織り込まれている「新築プレミアム」がそれにあたる。
あぁなるほど!販売するために投下した広告費とか、売り手の人件費とか…。
そう。当然、それらは不動産価格に上乗せされるので、買った瞬間にその分、不動産価格が下がってしまう。この点には注意が必要だよ。
長期間持ち続けられることもメリット
そして、不動産投資が適している3つ目の理由は、期限なく持ち続けられることなんだ。
たとえば、株式投資での信用取引は「6か月以内に売買しないといけない」といったように期限が設定されている。しかも、期限がきたタイミングで価格が定まっていないので、場合によっては価値が大きく下がっている可能性もあるんだ。
恐ろしいですね。
また、償還期限が非常に短い3か月限定の投資信託などには、確かに金利が高いものがあるけれど、3か月経つとリセットされてしまうので、インカムゲインを長く得るのは難しいといえる。
一方、不動産の場合だと?
期限がないか、もしくは超長期間で設定されている。不動産を購入する際には、20~30年程度の融資を受けて購入することがほとんど。住宅ローンを考えると理解しやすいよね。
そうですね。ローンさえ毎月返済していれば、少なくとも20~30年間は売却せずに持ち続けることができますもんね。
そしてパラレルインカムでは、不動産からの資産所得を得るので、そのローンの返済原資は僕たちの給与ではなく、入居者からの家賃収入となる。その家賃収入の一部をローンの返済原資とするので、返済できなくなる可能性は少なく、長い期間持ち続けることができるんだよ。
なるほど…。
以上のような理由から、ステップ3で適しているのは不動産投資となるわけなんだ。今後、FIREと比較をしながら、さらに不動産投資のメリットについて掘り下げる回もあるので、楽しみにしていてね。
はい!今回もありがとうございました。
次回は、「仕事でも自己実現を達成する方法とは?」についてお話ししていきます。お楽しみに!