お金

全然乗ってない車、自動車税を免除する方法とは?

そなえる 権藤 知弘

全然乗ってない車、自動車税を免除する方法とは?

【画像出典元】「stock.adobe.com/tiquitaca」

毎年、春になると自動車税の通知が郵送され、納税ばっかりとうんざりすることがあります。日常的に車を使用しているのであればまだしも、事情があって乗っていないというケースもあるでしょう。そんなとき、自動車税を免除してもらうことはできるのでしょうか?

自動車税とは

自動車税や軽自動車税は、毎年4月1日時点の車の所有者が納税する税金です。自動車税の課税対象になる期間は毎年4月1日から翌年の3月末までになっています。また税額は車の排気量や用途、購入した時期、新車登録からの経過年数、環境性能などにより異なります。

なお2019年の法改正により「自動車税」「軽自動車税」の名称が、「自動車税種別割」「軽自動車税種別割」へと変更されました。しかし今回はわかりやすいように旧来の自動車税という表現を使用します。

自動車税の納付時期 

自動車模型とカレンダー
【画像出典元】「Ratana21/Shutterstock.com」

自動車税は、4月1日から翌年3月末までの1年分をまとめて納付します。納付時期は一般的には5月です。5月上旬に通知書が届き、金融機関やコンビニエンスストアで現金払いをしたり、近年はネット上でクレジットカードや二次元バーコードでの決済ができるようになったりしています。なお自動車税を徴収しているのは都道府県であるため、支払い方法は自治体によって異なります。

自動車税の税額

税額は前述したように車種や購入時期により異なります。下の表は東京都が発表している税額です。記載の通り、条件によって税額が異なります。

引用:東京都主税局HPより一部抜粋

なお電気自動車やプラグインハイブリッド車など環境性能が高い車はグリーン化特例として税金が安くなっています。

なお自家用に使っている軽自動車の税金は、平成27年4月1日以降に最初の新規検査を受けた車両で年間1万800円です。

自動車税を支払わずに済むための方法

はさみとアルファベットの税金
【画像出典元】「Shahril KHMD/Shutterstock.com」

日常的に利用している人には使えませんが、事情があって一時的に車の利用をしていない場合、自動車税を免除してもらいたいと考えることがあるでしょう。そのようなケースで自動車税を止める方法が2つあります。

1)一時抹消登録

ナンバーを返却して公道を走れないようにする「一時抹消登録」という方法があります。この方法ではナンバーを返却し、公道を走らないという届け出をすることで課税を止めることができます。また、納付後に手続きした場合、余分に支払った自動車税は還付してもらえます。

2)永久抹消登録

「永久抹消登録」は車を解体して廃車にする手続きで、課税を止めることができます。こちらも納付後に手続きした場合、余分に支払った自動車税は還付してもらえます。永久抹消登録した車は再登録ができないので、手続き後に同じ車の再利用はできません。なお手続きの際には「解体証明書」という、車をスクラップにしたという書類が必要です。

一時抹消登録と永久抹消登録の違い

抹消した車の再利用ができるか否かの違いがある一時抹消と永久抹消ですが、そのほかにも違いがあります。

筆者作成

車を購入する際に支払う重量税は、永久抹消登録をして車両を解体したときには還付されますが、一時抹消登録の場合は還付されません。また自賠責保険はどちらの場合でも損害保険会社に申し出れば未経過分が還付されます。

一時抹消登録と永久抹消登録、どちらが向いている?

永久抹消登録の場合、車を解体してしまうので、二度と同じ車を利用できません。そのため、その車はもう使わないということが確定している場合に利用しましょう。一方、一時抹消登録は同じ車の利用再開ができるので、長期入院や海外へ長期滞在するようなケースで利用されることが多いようです。いずれにしても、同じ車を利用したり、中古車業者などに売却したりする可能性があるようであれば一時抹消登録を選択すると良いでしょう。

抹消登録の手続きの流れ

専門業者に依頼するケースもあるでしょうが、もし自分で手続きしたいということであれば、以下の準備が必要です。

1)一時抹消登録

届け出先:運輸局、運輸支局
(必要なもの)
・自動車検査証(車検証)
・自動車の前後面のナンバープレート 計2枚
・所有者の実印
・印鑑証明書
・申請手数料
・一時抹消登録申請書(当日に陸運局で入手できます)

なお一時抹消登録する車で運輸局には行けませんので注意してください。(帰り道はナンバーがないため公道は走れません)

2)永久抹消登録

届け先:運輸局、運輸支局
(必要なもの)
・自動車検査証(車検証)
・自動車の前後面のナンバープレート 計2枚
・所有者の実印
・印鑑証明書
・申請手数料
・「移動報告番号」と「解体報告記録日」のメモ
・永久抹消登録申請書

必要な種類は一時抹消登録とおおよそ同じですが、自動車を解体したという証明が必須です。

軽自動車の自動車税は還付がない

軽自動車も軽自動車税という税金を納税しています。しかし、残念ながら途中で抹消手続きをしても、軽自動車税の還付はありません。ただ廃車にした場合、自賠責保険と重量税の還付は受けられます。

まとめ

自動車税は自動車の所有者に課せられる税金で金額も少なくありません。そのため長期の入院や海外勤務など、しばらく自動車を利用しないのであれば、一時抹消登録をすることで自動車税を払わずに済みます。ただしナンバーを外してしまうので、自動車の利用再開時もナンバー取得などの手続きが必要です。また永久抹消登録は完全に廃車にする場合に利用する手続きです。車体を解体してしまい、利用再開ができない仕組みなので、この点に注意しましょう。