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TOPIXって何?構成銘柄変更に注目!今何が見直されるの?

経済とお金のはなし 工藤崇

TOPIXって何?構成銘柄変更に注目!今何が見直されるの?

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日経平均株価が4万円を超え、4万1000円台に到達しています。日本株の高値を示す日経平均株価は知名度が高いですが、TOPIXという指数があることも知られています。ニュースでは日経平均株価のあとに報じられることが多く、一定の知名度があります。その一方でTOPIXが何を示す数値なのか、どのように算出されているのかなどの詳細はあまり広まっていません。そんな立ち位置のTOPIXが、構成銘柄を縮小・変更するというニュースが話題になっています。

個別株と指数の違い

TOPIXは東証株価指数の略称です。日経平均株価と同様、日本株の調子を表わす「指数」の一種です。指数は個別株と何が違うのでしょうか。

日本を代表する自動車メーカーにトヨタ自動車があります。時価総額(株価×発行済株数)は日本でもっとも高い会社ですが、同社でさえ株価が上がる時と、下がる時があります。特に輸出ビジネスである自動車産業は為替(円高・円安)の影響を著しく受けるもので、1円為替が動くことで同社の損益は大きく上下することが知られています。

では、トヨタ自動車の株価が上がれば、日本株は高騰しているといえるのでしょうか。反対に、トヨタ自動車の株価が下落すれば、日本株も下落したのとイコールなのでしょうか。投資に慣れていなくても、これは別物だと理解できます。

トヨタ自動車と同様に、日本株には任天堂もあれば、JALもあります。JR東日本とNTTドコモもあります。これらが平均して上昇しているか否かを判断するのが、「指数」です。ニュースで「日経平均やTOPIXが上昇しています」と報じられる意味は、日本株が平均して高騰していますよ、という意味と理解しましょう。

構成銘柄から見る日経平均株価とTOPIXの違い

モニターに映し出された株価チャート
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では、日経平均株価とTOPIXにはどのような違いがあるのでしょうか。

両者の最大の違いは、日経平均株価は代表的な株価の抜粋であるのに対し、TOPIXは原則全銘柄を対象とする点です。前者は抜粋のために株価の高い銘柄、後者は時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすいという特徴があります。今回は両者のうち、TOPIXを深掘りしていきましょう。

TOPIXは1968年に対しての時価総額の上昇

TOPIXは1968年1月4日時点の時価総額を100ポイントと基準化して数値化したものです。1968年は高度経済成長期の只中ではありましたが、約5年後にオイルショックが発生する「成長期の末期」でもありました。

2024年7月12日のTOPIXは「2894.56」です。そのため2024年のTOPIXは1968年に対して、28倍という計算式となります。

全銘柄が対象だと発生する弊害

全銘柄が対象だと、時価総額の低い銘柄もTOPIXの数値に組み込まれ、全体の足を引っ張るという弊害がありました。

TOPIXとインデックス投資信託

顕著な影響が懸念されるのはインデックス投資信託との関係です。日本株のインデックス投資信託はTOPIXを指標としているものもあり、TOPIXが伸びないと、対象のインデックスも伸び悩むという弊害があります。S&Pなどアメリカのインデックスが強い中で、日本株の投信が伸び悩むことは、日本の資産が海外に流出するというデメリットもあります。

TOPIXが実施している市場構造の見直し

TOPIX
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2022年4月に行われた株式市場の構造見直しにより、TOPIX採用銘柄のうち、流通株式時価総額100億円未満の銘柄は「段階的ウエイト低減銘柄」として、2028年7月までに再評価をしながら外す手法に切り替えています。

これまではインデックス投資信託側で、TOPIXコア(TOPIX構成銘柄のうち、特に時価総額と流動性の高い30銘柄で構成されたファンド)を設定するなどの工夫がされてきました。インデックス投資信託がTOPIXの全銘柄を対象としないことで、時価総額の低い株をインデックスの採用銘柄から外すことができるためです。

今回のTOPIXの構成銘柄変更は、指数側が構成銘柄を減らすことで、運用側が自発的にTOPIXの価値が上がるように動いた事例といえます。

日本取引所グループが示した新たな改革案 

ビジネスマンたちの打ち合わせ
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2024年6月19日、東京証券取引所を傘下に持つ日本取引所グループは、さらに踏み込んだ改革案を提示しました。

政策保有株などを除いた浮動株ベースで、東証の96%を占める上位銘柄を採用し、残り4%に該当する銘柄を外します。現在2000を超える採用銘柄は大きく絞られ、1200程度になることが予想されています。

加えて改革案では、現在プライム市場のみが対象となっているTOPIXにおいて、スタンダード市場とグロース市場からおよそ50銘柄を追加します。プライム市場は過去2年における利益の裁定条件が設けられているなど、短期間で急成長した銘柄を拾い切れていない現実があります。そこに成長性のある企業を取り込むことで、TOPIXの価値を上げようとする取り組みです。ここで昇格銘柄として扱われる企業は、個別株でも注目を浴びることになるでしょう。

これらの改革案は最終決定ではありません。銘柄の入れ替えや減少方針は間違いないですが、2024年6月にパブリックコメント(意見募集)がかけられました。さまざまな意見をもとに今後最終決定がなされていく見込みです。各投資家としては推移を見守りながら、自身の資産への影響を見定めていきましょう。